感じたことのある、重く酔いそうな雰囲気に震えながら周りを見渡すと___緑髪の中性的な子がひどい量の血を流して倒れているのが目に入った。
2021-04-07 16:26:24「ぁ...」 “あれ”は、何年か前の出来事だったけれど___やっぱり誰かの死体を見る体制なんかつくはずもなく、どうしようもないくらいの吐き気が襲ってくる。
2021-04-07 16:28:53私も煌さんの親御様に話を聞かれたりはあったけれど、どうやら煌さんの所属するアイドルグループ“どりらば”のメンバー全員が行方不明になっているらしい。
2021-04-07 16:32:16私を”きずな先輩“と言っている少し背の低い女の子の声が、ずっと頭から離れない“あの声”に似ていていて...なんだか寒気がする。ずっと忘れられなかった...“あの出来事”をふと思い出した。
2021-04-07 16:35:16女の子はにこっと微笑んで、「だいせぇかいですよっ、まぁめにたおというより...声の人兼製作者ですけど。」と言い此方へ近付いた。咄嗟に後ろへと下がるが、距離をどんどん詰められていく。
2021-04-07 16:37:43「というか、ホントの名前は来夢っていうんで...そう呼んでくれたら嬉しいです!」 「ら...来夢、さん」 「よくできましたっ!」
2021-04-07 16:38:44「それで、めに...来夢さん。どうして、この子は___亡くなっているの?それに、ほかの行方不明になったメンバーは何処?」 「...ああ、“それ”ですか?」
2021-04-07 16:40:51「それは煩くて要らないので捨てました!それに、心配しないでください。ほかのみんなは...前のセンパイと同じように、ちょっとしたゲームで負けちゃったんですよ」
2021-04-07 16:42:10「負けたって...死んだって、こと?」 「そうですねっ!あ、大丈夫です。きちんと証拠隠滅する手筈は整えておきますし...きずなセンパイのことは傷付けるつもり、ないですっ!」
2021-04-07 16:43:32「っそういうことじゃない、」 「じゃあ何が聞きたいんです?何かしたいことがあるならなんなりとお申し付け下さいませ、きずなせ〜んぱい♡」
2021-04-07 16:43:55込み上げてくる怒りを無理矢理抑えながらだけれど___まずは今ここにいる煌さんとニアさんを生きたまま帰らせなくちゃいけないと感じていた。
2021-04-07 16:45:44もう、見殺しになんてさせない。全員は間に合わなかったことが悔しくてたまらないけれど、今生きている彼女達だけは、絶対に...
2021-04-07 16:46:50私は皆を背にして前に立ち、両腕を広げる。 「...次彼女達へ何か傷付けるような事したら、私...許さないから。私のことは、傷付けないんだったわよね?」
2021-04-07 16:47:11