魔法つかいプリキュア 考察「魔法の裏にあるもの」
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各話の感想&考察、総括はこのTogetterにまとめた。併せてどうぞ
魔法つかいとの出会いから始まる物語、魔法つかいプリキュア。 魔法つかいと題してはいるが、作中で真に価値が置かれているのは魔法そのものではない。それよりも、魔法をきっかけにした出会いの方が主題を担うのがこの物語だ pic.twitter.com/YwayLwHn4N
2021-04-27 02:14:27もちろん魔法は日常を描く要素として、魔法界はもうひとつのホームとして、作中で重要な役割を果たしている。しかしそれに留まらず、魔法が持つ要素に注目してみよう。物語の世界を組み立てる、いくつかの柱の存在が浮かび上がってくる
2021-04-27 02:14:27柱は3つ―― 1. 魔法とはイメージである 2. 魔法とは願いである 3. 魔法とは自由である 特に3つ目は考察の余地が深く、物語の裏テーマと言ってもいいかもしれない。ここまでの感想&考察で残しておいた「主役達が優等生チームである必要性」の、Blackなりの答えでもある
2021-04-27 02:14:28ちなみに、各種書籍のインタビュー記事は読んでいない。本当は読んでから書きたいのだが、リアル事情のため今は不可能だ。年単位で先送りになるかもしれないが、入手して読んだらこの記事も加筆修正したい
2021-04-27 02:14:281つ、魔法とはイメージである。思い描いたことを実際に起こすのが魔法だ。 裏を返せば、想像できない事象は魔法でも起こせない。それは無から有を生み出す規格外の魔法があっても同じに、知らない物は作れない。この台詞は24話より pic.twitter.com/GezBEiTszs
2021-04-27 02:14:30それゆえに、広い世界でいろいろな経験をして、想像できることを広げるのが魔法つかいとして重要になるというわけだ。物語のひとつの柱に"異文化交流"を入れたのは、そのためだと思われる pic.twitter.com/jVkHDBC9ZX
2021-04-27 02:14:31杖を使った魔法以外でも、言ったことが現実に起きるのは作中で何度もある。開かずの扉、2人目のホームステイ、クリスマスに魔法つかいに会う、他にも探せば見つかるだろう。 そのような魔法のイメージを反映して、多くの願いが実現する"優しい世界"が作品全体として描き出されている pic.twitter.com/O8Kf3l1B4m
2021-04-27 02:14:33子供向け作品としてはこれでいい。代わりに求めたいのは、与えられたことに感謝すること。できる範囲でかまわないから、その感謝を言葉や行動で伝えること。みらい達は26・27話でそれを実践している pic.twitter.com/yVbsealuB7
2021-04-27 02:14:35この条件を満たす限り、たくさん愛されて育った子供達は、同じように人に幸せを与えられる大人に育つはず。それはどんな教育よりも、価値あることだろう。 そのようにして、幸せは人から人へ広まっていく。これもひとつの「手をつなぐ」と言えよう pic.twitter.com/bKHzfRXWzr
2021-04-27 02:14:363つ、魔法とは自由である。Blackが思うに、これが最も重要だ。ゆえに前2つよりもさらに深堀りして考察した。 まほプリ世界において、魔法は発想次第でいろいろなことができる。この"自由の力"を使いこなすことが、魔法つかいとして正しくあることの1つの答えと言える
2021-04-27 02:38:3911話にて「魔法を使えるということを、ナシマホウ界の人々に知られてはならない」という説明がある。これに違反したら杖を没収するという。 だが実のところ、この罰則自体には物語上の大した意味は無い。実際にそれが適用される場面が無かったのは、重要ではないからである pic.twitter.com/IMWtfoiZpQ
2021-04-27 02:38:40「上述のルールをみんなが守る限り、ナシマホウ界で魔法を使うという自由を魔法つかい達は共有できる」――真に着目するべきはこれである。ルールとは自由を制限するためにあるのではない。自由を他人と共有するためにあるのだ
2021-04-27 02:38:41ナシマホウ界で魔法を秘匿する理由は、向こうの人々に悪用されるのを防ぐためと考えてほぼ間違いない。魔法界の中でならまだしも、ナシマホウ界に魔法の存在が知れ渡ると、よからぬことを考える人が出た場合に止めるのが難しくなる
2021-04-27 02:38:41安全策を取るなら魔法の使用自体を禁止するところだが……魔法界の人々はそのような考え方をしない。ナシマホウ界の人々にバレないのなら、魔法を使うことを禁止する理由は無いのも確固たる事実。ならば、(魔法を正しく使うことも含めて)魔法つかい達を信用しようというわけだ
2021-04-27 02:38:42そのようにして社会から信用されているのを知った魔法つかい達は、自主的にこのルールを守る。規律的な細かい規則に従わせられる場合よりも、もっと自主的に。 地元のとある進学校の校訓の前2つ"自由"と"自律"である。ちなみにその高校は私服校だ。自由が最初に来るってところに注目したい
2021-04-27 02:38:42みんなが節度を守って魔法を使うからこそ、規律的に魔法を禁止する必要が無い。各自が自由の価値を理解し、自由であり続けられる社会が魔法界の人々の理想なんだろう。そして、"自由の力"である魔法を使いこなせる魔法つかいを育てるには、こうした社会を作る方が理にかなっている
2021-04-27 02:38:43ここまで説明した魔法界の人々の価値観、もっと言えば倫理観について、その是非を論じるのは無意味である。ましてそれを作品の評価につなげるのはさらに無意味である。生まれ育った環境が異なる以上、大なり小なり倫理観の違いはある。異文化交流とはそういうものだ
2021-04-27 02:38:43もうひとつ関連するのは、物語を通してリコが目標にしていた「立派な魔法つかいになる」。これは「こんな魔法が使えれば立派である」という話ではない。「Be Ladies(淑女であれ)※」のような、何をもってそうとするか自分で考える目標だ ※由来はW.S.クラーク博士の「Be Gentlemen(紳士であれ)」
2021-04-27 02:38:44何を考え、何をするか、ひとつずつ自分で考えて、答えにたどり着ける。この目標を追いかけられるのも、やはり自由あってこそだ。 「立派な魔法つかいになる」という目標は、その重要性にこそ差はあれど3人で共有できる。物語のテーマのひとつとして、リコが代表して引き受けた、と考えるといい
2021-04-27 02:38:44この自由という要素は、プリキュアとしても意味を持っている。 壊滅した異世界も、襲われている妖精も登場しない今作では、プリキュアになって戦うことをお願いする登場人物が全くいない。戦う理由すらも完全に自分で決めることができるという、プリキュアとして最高の自由を与えられているわけだ
2021-04-27 02:38:45シリーズの流れも、正義の味方としての一般論も、この"自由"の前には意味を成さない。そうした不文律や固定観念など関係なく、自分で選んだ戦う理由に従う。これもまた自由の一環だ。みらい達も"自ら意思を持ち動く者"――何が重要かを自分で決める者達なのだ pic.twitter.com/FzXwFWFpuO
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