今日の構造式シリーズ
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#今日の構造式 5 ブドウ糖(グルコース)。OH(ヒドロキシ基)がいっぱい生えていますが、こういう化合物は甘い味がします。グルコースは甘い化合物群、すなわち糖類の最も基本的なものです。糖類は、語尾に「-ose」がつくのがお約束になっています。 pic.twitter.com/d6yxDAIgeS
2020-11-15 22:58:27グルコースなどの糖の特徴として、糖同士、あるいはヒドロキシ基を持った化合物に結合しやすいことがあります。糖が2つつながったものに砂糖や麦芽糖があり、長くつながったものにアミロース(でんぷん)やセルロースがあります。このへんはいずれ紹介します。
2020-11-15 23:00:37昨日のバニリンは中央の環が平面的でしたが、このグルコースは立体図を見れば分かる通り、環が平面でなくでこぼこしています。こういう立体的な構造を表示できる構造式の描き方もありますが、そのへんはまたいずれ。
2020-11-15 23:02:453Dプリンタで作る分子のコンテスト。これが実際に合成された分子だというのが実にヤバい。 twitter.com/orthorhombic/s…
2020-11-15 23:26:59I would like to nominate our "all-benzene trefoil knot" to CCDC Annual 3D Print Contest!! dx.doi.org/10.1126/scienc… "Winner will be chosen by a combination of the judgement of the panel and the engagement obtained by the entry tweets."というわけで拡散希望です。 #CSD3DPrint pic.twitter.com/LpZly26QtK
2020-11-15 20:05:47#今日の構造式 シリーズのサポートとして、構造式の見方・描き方をブログに書いてみました。何回かに分けて、構造式の描き方とそこから読み取れる情報について書いていこうと思います。 twitter.com/KentaroSato/st…
2020-11-16 01:00:38@turkey_jp そこらへんをどこまで細かくさかのぼって書くかは、毎回悩みどころなんですが……。まあ追記しておくことにします。どうもありがとうございます。
2020-11-16 16:32:27#今日の構造式 6 今日は単純なやつ、エチレンです。炭素と炭素の二重結合を持ったシンプルな化合物。プラスチックの代表選手であるポリエチレンは、このエチレンがたくさん(=ポリ)つながったものです。その他、いろいろの化合物の原料となる、石油化学工業のキーとなる物質。 pic.twitter.com/m23yBSpG1K
2020-11-16 22:16:22エチレンは単純な構造ではありますが、植物のホルモンとしてもはたらき、果実を熟成させる作用があります。リンゴの横にバナナやキウイフルーツを置いておくと、早く熟成することが知られていますが、これはリンゴからエチレンが放出されるためです。
2020-11-16 22:20:20@miyabine いま単行本を11巻までしか手に入れられないでいるので、この人が何をやる人なのか知りたさにあふれています。
2020-11-16 23:45:35#今日の構造式 7 今回はヒスタミン。血圧降下や平滑筋収縮などの作用を持つ重要な体内物質であり、アレルギー反応にも関わります。魚などの腐敗によっても生成し、これを食べて大量のヒスタミンを取り込んでしまうと、アレルギーに似た症状が起きてしまいます(ヒスタミン中毒)。 pic.twitter.com/iOlUmUhl2C
2020-11-17 22:49:27ヒスタミンは、アミノ酸の一つであるヒスチジンから作られます。アミノ酸は、アミノ基(-NH₂)とカルボン酸(-CO₂H)を持った化合物ですが、このカルボン酸だけが取れてアミンだけが残った形なので、語尾が「-amine」になっています。このように、アミノ酸は重要な体内物質の原料にもなります。 pic.twitter.com/jEKUpU99Mz
2020-11-17 22:52:41魚が腐敗すると、タンパク質が細菌の酵素で分解されてアミノ酸になり、その中のヒスチジンが変換されてヒスタミンが生じてしまいます。ヒスタミンは熱を加えても分解されないので、いったんヒスタミンができると煮ても焼いても中毒が起こりえます。
2020-11-17 22:55:00このヒスタミンの構造をいろいろいじると、ヒスタミンの体内での働きをブロックし、アレルギー反応を抑える化合物が作れます。花粉症の薬としてよく使われる抗ヒスタミン剤というやつがそれですが、これはまたいつか紹介します。
2020-11-17 22:58:42@solid_acid_ 糖はあまり扱ったことがないので、NMRもとった記憶がないですが、楽しいものなのですね。 グルコースがつながり方次第で食べるものと着るものに化けるというのは、昔読んだ本に出てきて感動した記憶があります。いずれ取り上げたいと思います。
2020-11-18 00:41:57#今日の構造式 8 本日は、柑橘類の香りの元になる化合物リモネン。ラテン語でレモンを意味する「limon」に、二重結合を含んだ化合物の語尾「-ene」をつけた命名です。爽やかな香りなので香料としてよく使われ、かのドルチェ&ガッバーナの香水にもリモネンが含まれています。 pic.twitter.com/fTR2uUiNU3
2020-11-18 22:34:23また炭素と水素だけでできているリモネンは、同じく炭素と水素が主成分である油をよく溶かします。発泡スチロールも溶かしますし、油汚れを落とす洗剤にも使われていたりします。
2020-11-18 22:37:06リモネン分子は実は2種類あり、一方を鏡に写すともう一方にぴったり重なる関係にあります(鏡像異性体)。この一方だけがレモンの香りで、もう一方はオレンジの香りらしいです。筆者は嗅いでみたことはないですが。 pic.twitter.com/E2vhjHXkbG
2020-11-18 22:42:09@nagata_yuuya 調べるとオレンジの香りという話と森の香りという話が出てくるんですが、実際嗅ぐとどうですか?人によっても感じが違うのかもしれませんが。
2020-11-18 23:48:05@nagata_yuuya うーん、僕はどっちか忘れたけど片方のエナンチオマーを嗅いで、確かに柑橘系だなと思った記憶はあるんですよ。実際にレモンから抽出されるわけですし。嗅覚の受容体は個人差が大きいので、そのせいかもしれません。
2020-11-19 08:46:47