「秘密保全法制:早急に整備するよう提言 有識者会議」(http://t.co/UezMDK6) まあ、ぶっちゃけて言えば、民主主義(情報公開の原則)とインテリジェンス(機密の保全)は対立するというディレンマは確かにあるんですよねぇ。 当たり前と言えば当たり前ですが・・・
2011-08-09 06:32:13インテリジェンスの世界には、「(民主主義的な文脈での)情報公開の原則と機密の保全」以外にもディレンマがあります。 3つほど挙げてみます。
2011-08-09 06:43:07情報は(それが必要ない者と)共有してはなりません。しかし、(それが必要な者とは)共有しなければなりません。 セキュリティ・クリアランス(機密にアクセスする権限)というものがありまして、それをどのような根拠で誰に与えるかという問題ですね。
2011-08-09 06:54:32シグナル(何らかの事件を示す兆候)とノイズ(それ以外の雑音)という考え方があります。 情報分析とは、1枚の大きな絵を描くようなものです。インフォメーションという点をどのように繋げて、どんな絵(インテリジェンス)を描くか? という作業ですね。
2011-08-09 07:03:48言い得て妙だな、と思った話として「点を結ばなさ過ぎる(想像力が乏しすぎる)と、9・11のようになってしまい、点を結びすぎる(想像力がたくまし過ぎる)と、イラク戦争のようになってしまう」というのがありました。
2011-08-09 07:09:54政治(政策決定者)とインテリジェンス(情報サイド)の距離は近くなければなりません。しかし、近すぎてはなりません。 端的に言って、「インテリジェンスの政治化」の問題ですな。
2011-08-09 07:14:34この場合の「インテリジェンス」とはどのような概念か? と申しますと、「政策決定者が国家安全保障上の政策を決定するために必要な知識・情報」という風になります。
2011-08-09 07:23:41それ故に、インテリジェンスが持っている基本的な機能は、「政策決定者の意思決定を支援する」ということになります。 だからこそ、インテリジェンスには客観性が求められます。
2011-08-09 07:25:32そのインテリジェンスが、何らかの事情によって客観性が損なわれてしまった場合は、「インテリジェンスの政治化」が疑われることがあります。
2011-08-09 07:33:16「インテリジェンスの政治化」とはどのようなものか、少し例を挙げてみます。 政策決定者が何か特定の政策を実施するために、その政策を支持するインテリジェンスを配布するよう、インテリジェンス機関に圧力をかけた、というような場合は「インテリジェンスの政治化」ですね。
2011-08-09 07:39:13或いは、インテリジェンス機関の側が、特定の政策を実施することが国益に適うと勝手に判断して、政策決定者に配布するインテリジェンスの内容を都合よく改変したりすれば、これも「インテリジェンスの政治化」と言えます。
2011-08-09 07:47:54前者のケースでは、政策決定者がインテリジェンス機関に接近し過ぎています。 後者のケースでは、インテリジェンス機関が政策決定者に接近し過ぎています。
2011-08-09 07:50:50このように、政策決定者とインテリジェンス機関の距離が近すぎると、「インテリジェンスの政治化(=インテリジェンスの客観性が損なわれ、結果、政策決定者は判断を誤る可能性が高いと考えられる)」が起こる可能性が高まります。
2011-08-09 07:55:14反対に、政策決定者とインテリジェンス機関の距離が遠すぎると、インテリジェンス機関は政策決定者がどのようなインテリジェンスを求めている(どのような政策を実施したい)か分からなくなってしまうので、インテリジェンス機関は仕事ができなくなってしまいます。
2011-08-09 07:58:38政策決定者とインテリジェンス機関の関係・距離は、近すぎても遠すぎても問題が生じますので、その中間でバランスを取らなければならないわけですね。
2011-08-09 08:00:58