- Apple_Mystery11
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広い玄関ホールに怪しく響き渡る謎の声に、少女たちは怯えているようだった。突然閉じ込められた探偵たちも、どこからとも無く聞こえる声に不安を募らせるだろう。
2021-04-10 19:02:31「君たちにはこの館から脱出できるまでの間、その少女たちと共にここで生活してもらうよ。 おっと、そんな顔をしないでおくれ。 そんなに睨まれても、君たちを簡単に帰すつもりは毛頭無い」
2021-04-10 19:04:37高いとも低いとも取れないその声は、口々に反応を示す探偵たちや少女たちに構うことなく話し続けた。
2021-04-10 19:08:35「さて、ではきちんと説明しよう。 改めて、初めまして。 そして、ようこそ。 私はこの館の主、そしてパーティの主催者───そうだな、【エプル】とでも呼んでくれたまえ」
2021-04-10 19:09:35「君たちにはこれから、そこにいる少女たちとペアになって、この館から脱出するまでの数ヶ月間…いや、君たちほど優秀ならば数週間で済むかな? まぁとにかく、脱出するためにいくつもの謎解きに挑戦して頂こう」
2021-04-10 19:12:07「なに、不安なことは何もない。この館には一流ホテル並みの設備を揃えてるからね、退屈はしないさ」
2021-04-10 19:14:18「君たちの要求には、基本的にはお応えしよう。そこにいるデアダームにでも言えば、なんでも用意してくれる」
2021-04-10 19:14:43そう声が告げると、2つの階段の真ん中の扉からひとつの影が現れる。茶色の髪を赤いリボンで束ね、緑色のネクタイに正装をした40代ほどに見える男性だった。 男性は静かに優しげな笑みを浮かべると、何も言わずひとつお辞儀をして、扉のすぐ右隣に立った。それを見届けたかのように、声は続ける。
2021-04-10 19:15:44声が反響して止んだ頃、デアダー厶と呼ばれた男性が笑顔で正面に立ち、再び深々とお辞儀をした。
2021-04-10 19:16:51「ようこそ。林檎の館へ。私は皆様のお世話を務めさせていただきます。デアダームと申します。分からないことがございましたら、なんなりとお申し付けください。そして、こちらは館内の清掃を担当致します、チェイスです」
2021-04-10 19:17:18左手をそっと上げて探偵たちがそれに倣うように扉の方を見ると、メイド服を着た…おそらく青年であろう人物が、ゆっくりと扉から出てきた。短い黒髪で、両目は前髪によって隠されているためか表情や顔立ちは明確には見えないが、おそらく20代前後だろう。
2021-04-10 19:17:44そうして一通りの自己紹介を終えた後、デアダームは「では」と1枚の大きな画用紙を取り出した。
2021-04-10 19:20:31【🍎】第1問目 ?に当てはまる数字を答え、これが何を表しているのかお答えください。 ペアごとにひとつ回答を導き出し、公式DMに代表者が答えをお送りください。 期限は4/12 19:00までとさせて頂きます。 #アプミス_公式 pic.twitter.com/dLPYXWZ40u
2021-04-10 19:24:02用意された椅子に座ってドリンクと軽食を持ちながら、ゆっくりとした動作で画用紙を指差したのはルドヴィオ。その隣で紅茶の入ったティーカップを傾けて、時計を指さしたのはエリザベスだ。
2021-04-12 21:05:52どちらも余裕そうに、閉じ込められた直後だと言うのにやけに冷静にそう回答した。 …軽食とドリンクを楽しんでいる方は、冷静と言うよりは気だるそうにしているが。そのまま、面倒くさそうにルドヴィオは続けた。
2021-04-12 21:07:29「3+1は4、6+1は7。ここまでは合ってるけど…8+9は17。17はとある数字に置き換えることが出来る」 「24時間表記の時間…。つまり5時。同じように考えると、最後の式の答えは、16で4時でしょう?」 「そんで式が表してるのは時間、または時計。はい終わり。デアダームちゃん、ビールおかわりね」
2021-04-12 21:10:16