びっくりするのでユートピア(レミ+咲)
- hachisu716
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「……わ。わっ?」 美術品のように整った麗しい造形からは少々不釣り合いな、裏返った素っ頓狂な声をあげて、レミリアは固まった。 起き抜けで自分を見た咲夜が、ほんの一瞬だけ目を丸くしたあとは、なぜか満面の笑みを向けて、自分を抱きしめたからだ。 「さ、咲夜? あれっ、咲夜……?」
2021-06-30 18:17:37「ちょ、ちょっと。あれ。どうして? ……もしかして、すぐバレちゃった?」 咲夜は身体を離さない。どんな表情で、いや、どんな感情でいるのか、この状態では伺い知れない。 「わたし。レミリア。いやそれはもう、ひょっとして分かってるんだよね……? さ、咲夜ぁ、く、苦しいって。さくやぁ」
2021-06-30 18:20:02ぎゅっと抱きしめたまま離さないし、話さない咲夜に、レミリアは困り果てた顔をして、このまま抱きしめ返したものか、中途半端に腕をさまよわせる。 いや、そうか。 この腕なら、いつもよりもっとしっかり抱きしめ返せるんだ。
2021-06-30 18:21:40そう思ったらなんだか嬉しくてたまらなくなって、レミリアは、ほんの少しだけ先の自分から借りた長い腕で、咲夜をすっぽりと抱きしめ返した。 「……びっくりして、怒ってる? ごめんね。それともこれも意趣返しかな。こっちのほうがびっくりしたよ」 やっぱり咲夜にはかなわないね。
2021-06-30 18:24:04そんなことを囁くと、咲夜の腕がまた力強く抱きしめ返してくる。 髪に鼻先をつけると、なんだか甘い、いい香りがした。 こんな風にこの腕に閉じ込められるなら、このためだけに大人の姿になるのもいいなと思った。 あとで、全員にこれをやろう。
2021-06-30 18:26:17レミリアがそう思っていると。 咲夜が、ようやく少し身体を離した。 平然としたいつもの澄ました表情で、間近からレミリアを見る。 咲夜「……話にだけ聞く、懐かしいお姿になられたようなので、堪能しようと」 「あちゃ。知ってたか」 美鈴かな、とレミリアがくすりと笑う。
2021-06-30 18:28:56咲夜「ときどき話してくれますよ。わたしがせがむので、お嬢様に雇われる前のここの話を」 「そっか。ごめんね、意地悪で話さなかったわけじゃないよ。……思い出の中に自分がいないのは、仲間はずれみたいで淋しいかと思って」 咲「ここにくる前にわたしがいないのは当然です。だって、来る前だから」
2021-06-30 18:32:45そっか、とレミリアが笑う。 「でも、聞いてただけなら、少しはびっくりしただろ? 咲夜には、いつも驚かされるからね。愉しかったり、ときには腹立たしかったり、色んな風に振り回されるからさ。やり返してやろうと思って。……どう、びっくりした?」
2021-06-30 18:35:28答えを期待して、子どもっぽく、弾むような声で眼を輝かせながら、返事をせがむ麗しの吸血鬼に、咲夜は向かい合ってベッドに横たわったまま、微笑んだ。 微笑んで、こう言った。 咲夜「……もちろん──」 ──もちろん、「幸福」ですよ。 わたしはね。
2021-06-30 18:39:46こちらヤマタカエさんという、マジシャンでミュージシャンでレイヤーで🐴かぶったり漫画描いたり🍸作ったり動画作ったりする、なにもかもが多才でド美人かたのこちらの動画見たり、普段やってること見ながら思いつきました。 途中から妄想許可ももらいました(モラル) twitter.com/yamatakae/stat…
2021-06-30 19:59:29