びっくりするのでユートピア(レミ+咲)
- hachisu716
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咲夜さんが思いつきでやってレミリアびびらしてたらそれはそれでやりそうだから面白い。時間止めて次の瞬間馬の頭かぶって控えてるメイド。
2021-06-30 11:08:35でも最初ビビってたけどもう変なことやってレミリアをびっくりさせることにレミリアが慣れきってしまって、 突然途中から咲夜が馬の頭かぶりながらお給仕し出しても、自然に流して対応するようになってしまったレミリアもまたよいと思う。 霊夢とか魔理沙はレミリアが普通にしてるのにびっくりしちゃう
2021-06-30 11:11:07咲夜「最初は口からトランプを出しただけでびっくりしてたのに(と馬の中からこもった声で言う)」 魔理「慣れさすなよ。慣れさすまでやるのが怖いわ」 霊「微動だにしてないじゃないレミリア」 咲「馬じゃ飽きたらないなんて困った方」 レミ「紅魔館一の困ったちゃんがなんか言ってるな」
2021-06-30 11:14:44で、レミリアは考えた。 わたしはいつも咲夜にびっくりさせられてきた。 じゃあわたしが咲夜をびっくりさせてもいいじゃないかと。 魔理沙「あー。いいなそれ。あいつがびっくりするとこわたしも見たい」 卓上のクッキーをつまみながらにこにこと同意する魔理沙。
2021-06-30 11:22:01霊夢「右に同じだけど。何にびっくりするかは想像がつかないわねえ」 言いながら、ティーカップの上に手を置く霊夢。 いたずらに余念のない魔理沙が、クッキーをつまみがてらさりげなく手にしたシュガーポットから、霊夢の紅茶に角砂糖をいくつも入れようとしたので。 魔理沙はちぇっという顔をした。
2021-06-30 11:27:47レミ「いい考えでしょ。でも、何をすればびっくりするのかなあ」 魔理「まあたいていのことは動じないイメージあるよな」 霊「だいたいのことは時間止めて対応できるってのもあるのかしらね」 魔理「まあそれもありそうだけど。性格じゃね?」 「言えてる」 レミリアと霊夢が同時に頷く。
2021-06-30 11:30:58レミリアが眉をひそめる。 レミ「じゃあびっくりさせられないじゃない」 口を尖らせるレミリアのあまりにぶうたれた子ども然とした顔に、魔理沙がなはは、と笑う。 頬杖をついて、頭ひとつ低い位置にいるレミリアに顔を向けながら。 魔理「まあ、探せばあるって。なあ?」
2021-06-30 11:34:15霊「わたしに言われてもねえ……うーん」 なんとなく、ガーデンテーブルで拗ねる小さな子どもと、それを宥める父親みたいな風情が眼前にあって、思わず変な風に口許が緩んでしまう霊夢。 魔理「なに笑ってんだよ」
2021-06-30 11:38:51霊「いや別に。まあ、でも咲夜がレミリアを驚かせるためにやってることには、驚かないんじゃないの」 魔理「突然レミリアが馬のかぶりものしてたらびっくりしないか?」 霊「わたしたちはびっくりするけど」 魔理「したのち、爆笑するな。ふりふりのちびちゃんが馬になってたら」
2021-06-30 11:40:37レミ「ならないよ、莫迦もの」 ふん、と鼻から息をついてつんとすまし顔をするレミリアの小さな鼻先を、隣の魔理沙がニヤニヤとつつく。 魔理「まあ、レミリアは時間止められないし、早着替えは無理スジか」 レミ「お前たちが時間なんて感じない間に動くことはできるけどねえ」
2021-06-30 11:44:33それを馬のかぶりものを気づかないようにとってきて、自分でかぶって元の体勢に戻るということのためにするのが、我慢ならないだけだ。 魔理「びっくりはしないかもだけど。笑ってくれるかもよ」 レミ「それだと何も意味を成してないじゃないか」 魔理「楽しいだけ」 レミ「ばか。知らない」
2021-06-30 11:47:37ますます拗ねて本当の子どものようになっているレミリアと、からかうパパのような魔理沙に、霊夢は口許を隠すために紅茶をすすった。いつの間にやったのか、紅茶は死ぬほど甘くなっていて、霊夢は無言で隣の魔理沙の肩をべしんと叩く。 魔理「あいて。れーむちゃんもなんか案出してくれよ」
2021-06-30 11:49:44霊「魔理沙のカップに砂糖入れてから考えるから手をどけて」 魔理「やだ。魔理沙は大人だから砂糖なんていれないぜ」 かたくなにカップを蓋した手をどけようとしない魔理沙と、その手首をつかんだ霊夢がぐぐぐ、と震えているのを見ながら、レミリアも紅茶をすする。
2021-06-30 11:52:11そういえば紅茶にだけはイタズラしないよなあ。とレミリアは思う。 提供されたものの、途中で味を壊すということはされたことがない。 そこは自身が作った味に対する、プライドか責任かなにかなのかもしれない。 ……もともとがとんでもない材料を使っていて、ひどく不味いときはあるけれど。
2021-06-30 11:55:08魔理「じゃあもうさあ。突然キッスするとか」 レミリアが考えている間にも魔理沙と霊夢は案を出していた(そして、検討して捨てていた)らしく、魔理沙がどこか投げやりにそんなことを言う。 霊「今さらそんなんで驚かないでしょ」 魔理「クチビルに」 霊「あー……それはおどろ……いやだめでしょ」
2021-06-30 12:00:56どう反応したものか困った様子で霊夢が眉をひそめる。 レミ「まあ、やってもいいけれど」 当のレミリアはさして気にする様子もなく、さも、パンにいつものジャムではなく、オイルサーディンをのせてやってもいい、というような気楽さで相槌を打つ。 いいんだ、という顔を魔理沙も霊夢も無言でした。
2021-06-30 13:18:43レミ「驚くかなあ」 うーん、とレミリアが首を傾げる。一応シミュレートするようにどこでもない宙に視線をさまよわせているので、魔理沙と霊夢も想像してみた。 レミリアが咲夜と向かい合って、翼を羽搏かせてふわりと浮き、例えば、咲夜の口唇に、キスをしたとして。
2021-06-30 13:42:38レミリアと魔理沙と、そして霊夢も、一応そんな場面を想像してみる。 咲夜はそれで驚くだろうか。恋人同士でするようなことをされて。 ……三人の想像の中の咲夜は、なぜかレミリアの顔(かんばせ)を指で捉えて、思いきりキスを返した。仕掛けたレミリアのほうが、たじろいで嫌がるくらい。
2021-06-30 13:44:40そうして、羽毛が撫でるようなキスだけをするつもりだったレミリアは、真っ赤になって(か、どうかは三人の想像の中でまばらではあったが)咲夜から離れ、肩を上下させながらびっくりして見上げるのだ。咲夜はにっこりとしていた。……三人の想像の中で、等しく。 魔理「……ダメじゃね?」
2021-06-30 13:48:06