kawaitoshio archive 2017

川井俊夫 @toshiokawai1122

俺の悪意は育っている。冷静に考えると、一線を超えてしまったのはやはり会社員時代だろう。長く続けすぎた。大勢の若い魂を汚し、濁らせ、道に迷わせた。大昔に同棲していて後に自殺した女の名前も顔も覚えていないが、連中の顔は何百も覚えている。全員俺が殺したんだ。柵の中で。その魂を。

川井俊夫 @toshiokawai1122

俺は新興宗教の教祖で、会社内のドグマそのものだった。経営者の意思は即座に俺に吸収され、俺の言葉で何百、何千もの若者や中年、男や女、パートタイムの主婦にまで浸透した。彼らの精神を侵した。俺の声が巨大な幻想を生んだのだ。彼らはそれを共有し、会社は10年で10倍以上膨れ上がった。

川井俊夫 @toshiokawai1122

なぜ憎むのか、なぜ偏執的なのか。俺がそれをやってきたからだ。許すも許さないもない。死ね悪党。アホみたいなドグマと幻想に汚された魂は一人一人の人生に大きな陰を落とすだろう。全て俺がやった。柵ん中に囲い、羊飼いの魔法の杖で、彼ら彼女らを幻想の内に導き、その自我を歪ませ濁らせたのだ。

川井俊夫 @toshiokawai1122

そう、許すも許さないもない。群れの一員であること、幻想を共有することが必要だった人間、それに幸福と安心を感じる人間がいたかどうかも関係ない。俺は悪党で、杖の力で悪意をばら撒いた。今はそれをしていないだけだ。二度としないだろう。だが、悪党であることに何も変わりはない。

川井俊夫 @toshiokawai1122

その10年が俺自身の生み出したドグマと幻想に対する悪意を巨大なものにした。悪意は最後に鋭く顕在化した。ホテルの大会議場。年に一度の全社会議。経営戦略担当役員だった俺は壇上に上がり、皆に伝えた。悪いが、全部嘘だったんだ。俺は羊飼いじゃない。お前らは自由だ。好きに生きて死ね。

川井俊夫 @toshiokawai1122

俺にはもう妻も子供もいたが、乞食に戻ることにした。償うべき罪などない。野菜を食い肉を食うように彼らを殺したのだ。だが、俺の好きなやり方じゃなかった。だからもうしない。人間の集団の持つ悪徳を裁くつもりもない。ただ曲がりくねった巷の奥の暗がりで静かに時空の在りように身を任せるだけだ。

川井俊夫 @toshiokawai1122

さて、長い長い自分語りで迷惑をかけたな、インターネットよ。あんまりいい夜だから、元々軽い口が余計に軽くなったのさ。生と死、幻想と自己世界、時間と空間、人の意思の源泉たる自我、その魂の温度や音。俺の世界が動き始める。いい夜だ。

川井俊夫 @toshiokawai1122

勝手に仕事を納めてみたが案外世間はまだ納まっていないようでもあり、一件だけ問い合わせの電話があったが「贈答品の有田焼とかはリサイクル屋に持っていけ(たぶん見積もり50円とかだけど)」程度のもので、まあ納めて構わんだろう。とはいえ、べつに何かすることがあるわけでもない。

川井俊夫 @toshiokawai1122

休息とは、たぶん職業的なものとは関係がない。さあ、世界をぶっ殺しにいこう、そう心に決めて外に出る必要がない。そういう状態を言うのだろう。だから休息しよう。そう思ったのだが、やはり俺はキチガイなんだな。休息よりも世界を破壊したくて仕方がない。

川井俊夫 @toshiokawai1122

外は昼でも暗い。今にも雨か雪が落ちてきそうだ。車や人は案外多い。まさに今日が師走であり「納め」なのかも知れない。だが同じだ。悪意を探す必要はない。それは常にそこにあって、大気と同じようにこの身を内と外から包み、覆っている。今日、どこかで読んだな。悪意に気付けない人間の話を。

川井俊夫 @toshiokawai1122

最近の話題はセクシャルハラスメントか。俺は社会問題には興味がない。性は個人的なものだが、ハラスメントとなるとそれは群れ故に生じる問題ということだろう。だが俺が見た記事はべつに群れ故の問題というより、ただの変質者への対応だった。変質者の悪意に気付けないのは個人の問題だろう。

川井俊夫 @toshiokawai1122

変態野郎や悪党はどこにでもいる。男も女も関係ない。誰か他人が自分に近づいてきたら、ちゃんといつでも一発くれてやる準備をしておくことだな。ピストルやナイフも重要だ。とにかく誰か近づいてきたり声をかけてきたら、まずは一発ブン殴るか、一撃で殺しちまうのがお勧めだ。話を聞く必要はない。

川井俊夫 @toshiokawai1122

立ち止まって話を聞くつもりなら覚悟を決めることだ。善意という概念、幻想は変態野郎が自分の仕事をやり易くするために作ったものなんだからな。

川井俊夫 @toshiokawai1122

確かに不公平だ。俺は身長185cmで体重は90kg。金も財産もまともな仕事もなく、ただ死ねば妻と娘に保険金が入るだけの乞食に毛が生えたような男だ。俺と比べたら誰だって失うものが多すぎる。そこに付け込まれるのが「ハラスメント」ってわけだ。社会の問題か個人の問題か難しいね。

川井俊夫 @toshiokawai1122

天地の狭間、この大地に立ち、五感を使い空間を把握しようとする時、不条理というのは誰もが感覚として覚えるものだ。しかし混乱し狂気に飲まれないために脳みそが感受性を調整する。秩序がそこにあり、因果もまた見えぬがあると。これに抗うのは難しい。大抵は自覚すら不可能だ。

川井俊夫 @toshiokawai1122

不条理は今も世界を支配している。1万年前も、6億年前も変わらなかっただろう。自然科学は人々が安易に想像するほど精密ではない。医学が不完全なのと同じだ。だが人々は知っているはずなのだ。答えは一つではないと。なのに己の問題について一つの正解を求める。馬鹿らしいとは感じないのか？

川井俊夫 @toshiokawai1122

疫学的閃きとその実践がペストから人類を守る唯一の選択だったとなぜ信じられる？ 選び、発展させてきた方法が最善だったと考えるのは傲慢故だ。正しい選択の連続、その積み重ねが、全人類に共有されている空間の今か？ なんと素晴らしい選択だったのだろう。糞の山と消臭剤を同時に生み出すなんて！

川井俊夫 @toshiokawai1122

不条理を愛せとは言わない。だが脳が拒絶し捏造している可能性は常に意識すべきだ。内的世界を持ち、その内に世界を歩まなければ、それは生とは呼べない。確かに巨大な共有空間との境界線は曖昧だ。ズレたりブレたり重なったり。足を踏み外してもう死んでることに気付かなかったりな。

川井俊夫 @toshiokawai1122

夜を待とう。満月も近い。

川井俊夫 @toshiokawai1122

せっかくの夜だが気分は今ひとつだ。塩分の摂りすぎだな。身体が怠いし頭もパッとしない。眠れば悪夢を見るだろう。そういう体質だ。まあ眠りながら見る悪夢も、現実の糞の海を泳ぎ続けるのも同じくらい不快だから、あまり関係はない。今度こそ本当に仕事は終わりだ。もう3日まで何もする事がない。

川井俊夫 @toshiokawai1122

休息の定義はもういい。どうせ休んでいる間も生きているんだ。苦痛は変わらないし悲劇もなくならない。だがそれで構わない。俺は異常人格者だ。明るく愉快な気分を台無しにされてムカつくやつがいるのと同じように、暗く陰鬱で冷たい虚無を台無しにされるとムカつく。悲しくていい。臭くても汚くても。

川井俊夫 @toshiokawai1122

それにしても夜が明るい。そう感じるときは大抵体調不良かマジで脳みそがどうにかなっているときだ。眩しすぎてゲロ出そう。どんな悲劇も恐怖も絶望も台無しだ。俺の大好きな暗がりはどこへいった？ 落ち着かないんだよ。吐きそうになるんだ。クソみたいな夜だ。静謐さの欠片もない。

川井俊夫 @toshiokawai1122

分厚い皮膚が大気と俺自身の肉体と精神を隔てている感じだ。自分の世界なのに遠く鈍い。その淵まで一気に駆け出せるはずなのに、飛躍する力を感じられない。腹の底から湧き上がる獰猛な唸りや、全てを喰い千切る顎の力の在処を思い出せない。人類に共有された空間と俺の世界との境界が曖昧だ。

川井俊夫 @toshiokawai1122

そう、昨夜は最悪の夜だった。闇が眩しすぎた。苛つき、心が騒ついて、結局眠れぬまま夜明けを迎え、案の定の訃報だ。だが大脳だけ生きた植物状態でこの先何年も生きるよりはマシだったかも知れない。身内ほとんどなく、病院を見舞う人間も俺しかいなかった。さよならだ。

川井俊夫 @toshiokawai1122

あんたと一緒にやった、最後のお化け屋敷の仕事、忘れないぜ。葬送曲はシベリウス1番のフィナーレでいいだろう。今度こそ、本当にお別れだ。