オン・ジ・エッジ・オブ・ザ・ホイール・オブ・ブルータル・フェイト #3
「正々堂々!勝負せよ!」キャバリアーが得物を構え前進する!ネズミハヤイのヘッドランプ最大照射は実際漢字サーチライトに比するほどの出力だが、足留めはできて数秒だ。「チャとオカキはもう少し待ってくれよ」デッドムーンは助手席のナンシーに言い、全速でネズミハヤイをバックさせた。
2011-08-16 19:04:06「正々堂々勝負せよ!」キャバリアーが呪詛めいて繰り返す。「そうかい。だが申し訳ないな」デッドムーンは「煙」と書かれたボタンを押した。たちまちフロントグリルから黒煙が噴き出しキャバリアーの視界を遮る!「グワーッ!」光の次は闇!苦しむキャバリアーの傍をニンジャスレイヤーが駆け抜ける。
2011-08-16 20:10:52ニンジャスレイヤーはキャバリアーを通り過ぎると、道路傍にアイドリングしているアイアンオトメに飛び乗った。後輪をスピンさせ、煙幕と格闘するキャバリアーへ向き直る。「そのまま行け!デッドムーン=サン!」ニンジャスレイヤーは叫んだ。「そしてオヌシの相手はここだキャバリアー=サン!」
2011-08-16 20:16:08「お言葉にあまえるぜ……」デッドムーンはネズミハヤイを切り替えし、走り去ろうと……ダメだ!進行方向に突如として走行してきたトレーラーが道を塞いで横向きに停止!運転席に座る柿色のニンジャがデッドムーンを 睨む。トレーラーの荷台側面がハッチ状に展開する!
2011-08-16 20:54:24「キャバリアー=サン。こっちだ!貴様にはこれが要るんだろう!?」ボーツカイが運転席から叫んだ。トレーラーの中から現れたのは、古代ローマのそれを邪悪なユーモアで捻じ曲げたかのような異形のチャリオットであった!
2011-08-16 21:05:00官能的な曲線が用いられた黒光りする鋼の車体には、金色で「リー先生」「強い戦士」とミンチョ書きされている。チャリオットからは鎖が伸び、二台のチョッパーバイクと接続されている。チョッパーバイクは無人であるが既にエンジンが起動しており、センサーらしき赤い光線がぐるぐると発せられている。
2011-08-16 21:09:16「フオオオ……イクサ……イサオシ!」邪悪なチャリオットを目にしたキャバリアーは震えながら感嘆の声を漏らす。そしてニンジャスレイヤーを無視し、トレーラーめがけていきなり跳躍!立ち往生するネズミハヤイを飛び越して、ワン・ジャンプでトレーラーの荷台に着地した。「栄光……英雄……」
2011-08-16 22:17:51ゴババババ!デッドムーンは無言でネズミハヤイをドリフトで切り返して180度方向転換、急発進させた。ニンジャスレイヤーはチャリオットに乗り込むキャバリアーをアイアンオトメ上で警戒する。ネズミハヤイがそのすぐ横を通り過ぎる瞬間、二者は無感情な視線を交錯させた。
2011-08-16 22:25:25キャバリアーがチャリオットのシートに腰掛けると、「スタートザーマシーン、スタートザーマシーン」とマイコ音声が宣告、二台のチョッパーバイクは自動的に頭を巡らし、チャリオットを引いて荷台から降り立った。おお……なんたる悪夢的光景か!チョッパーバイクはまるで鍛え上げられた軍馬!
2011-08-16 22:30:53「さあ、やれ!どうにでもしてしまえ!」トレーラーの運転席でボーツカイが叫んだ。彼は実際捨て鉢であった。キャバリアーはチャリオット上でツーハンデッド・カタナブレードツルギを天高く掲げ、咆哮した。「ウオオオーンン!」ドルルルル!二台のチョッパーバイクが唸る。野獣が解き放たれる!
2011-08-16 22:34:58(第二部「キョート殺伐都市」より:「オン・ジ・エッジ・オブ・ザ・ホイール・オブ・ブルータル・フェイト」#3終わり。#4へ続く)
2011-08-16 22:37:44