@hayaokawai

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河合隼雄のことば @hayaokawai

(13) それを聞いて感激されたお医者さんたちが訳されたのです。訳した人は私が言ったようなことを本気で考えているお医者さんです。お医者さんにもそういう人たちが出てきたわけで、非常にありがたいことです。 [了]

2011-09-04 01:03:13
河合隼雄のことば @hayaokawai

(12) 皆がそれを望んでいるのに、医者は診断を与えただけで役に立っていると思うのは大間違いだ、ということをこの著者たちは主張します。私は医学のある学会へいって、この本をもともと原語で読んでいたので、Narrative-Based Medicineというのがありますと言ったら、

2011-09-04 01:01:59
河合隼雄のことば @hayaokawai

(11) 物語です。その人の物語が完成しない限り、受け入れられないじゃないですか。

2011-09-04 01:00:52
河合隼雄のことば @hayaokawai

(10) 恋人が目の前で死んで抑鬱症になった人がわれわれのところに来て、「なぜ、あの人が死んだのでしょう」と言われたときに「あれは出血多量ですよ」などと言ったって、 -略- そんなことをわかりたいのではないのです。

2011-09-04 00:58:06
河合隼雄のことば @hayaokawai

(9) そういうことまでわかって医療をしないとほんとうの医療にならないということを、この人たちは言い出したのです。僕はすごい大歓迎をしているわけです。 -略-

2011-09-04 00:56:27
河合隼雄のことば @hayaokawai

(8) お医者さんから言わせたら、「ああ、あれですか、癌です、末期です」。その通りです。でも、本人からいったら、私のせっかくの物語の始りのところでなぜ殺すのですか。別に医者が殺すわけではないけれども、そう言いたいほどの体験になります。

2011-09-04 00:55:28
河合隼雄のことば @hayaokawai

(7) そのときのことについて、この著者のお医者さんたちが書いているのです。「患者は物語をもって病院を訪ね、診断をもらって帰る」。物語がバーンと、一挙に潰れるわけです。

2011-09-04 00:53:42
河合隼雄のことば @hayaokawai

(6) 「えー!」と言ったら、「ほとんど手遅れです。手術して助かるか、助からないか。手術をしなかったら、あと2ヶ月ですね」なんてことを、お医者さんから告知されます。

2011-09-04 00:52:13
河合隼雄のことば @hayaokawai

(5) たとえば私が、「あれもしたい、これもしたい。生まれて初めてこういうことがあって、今度こそあれをやろう」などと思ったときに、 -略- 病院に行ったら、お医者さんが「肺癌です、即刻入院です」。

2011-09-04 00:50:05
河合隼雄のことば @hayaokawai

(4) そういうふうに物語が非常に大事だと思っていたら、次に、こういうおもしろい本が出てきたのです。イギリスのお医者さん、グリーンハルとハーウィッツのNarrative-Based Medicine。「物語に基礎をおいた医療」ということです。 -略-

2011-09-04 00:48:32
河合隼雄のことば @hayaokawai

(3) そのときに、その人のどういう物語の、どういう文脈のなかでそれが行われているか。物語ということがわかってくると、人と人とのつながりもできる。人と人との心は、物語によってつながっていることが多いです。

2011-09-04 00:46:56
河合隼雄のことば @hayaokawai

(2) 障害児でなかなか手で持てない子、高齢者でボケてきて何もできないと思った人がだんだん意欲が出てきて、「自分で水を飲んだんですよ」というとき。そのときは、水を飲むということが物語の中核になります。「ついにやったあ!」に対して、「飲んだ」というのはファクト、事実です。

2011-09-04 00:45:26
河合隼雄のことば @hayaokawai

(1) たとえば「コップから水を飲む」というのはあたり前の話です。「水を飲んだのですよ」と言わなくてもいい。ところが、こういうことがあります。「とうとう水を飲んだんですよ」と聞くだけで大感激というときがあります。

2011-09-04 00:43:23
河合隼雄のことば @hayaokawai

壁に向かって話すのはだめだし、自分で考えると、絶対、堂々めぐりします。ところが生きている人間が正面から聞くと、堂々めぐりが止まるんです。

2011-09-03 09:44:39
河合隼雄のことば @hayaokawai

(4) ある意味では、大変現代的な病気で、文化の病として起こってきてる、とも言えます。 -略- 昔だったらもっとわかりやすかったけど、いまはわれわれの文化が生み出している病気と言う面があるから、治すのがとても難しい。 [了]

2011-08-23 22:50:30
河合隼雄のことば @hayaokawai

(3) そして、こころとも身体とも言えないところが、やられてしまう。それが心身症なんです。心身症を、身体の症状の原因がこころにある病気だと思っている人がいますが、心身症はもっと難しくて、こころからアプローチしても身体からアプローチしても、なかなか治っていかない。

2011-08-23 22:49:42
河合隼雄のことば @hayaokawai

(2) たとえば、自分の目の前でだれかが転んだら、「ここで親切にすることはいいことだろうか」なんて考えないで、パッと身体が反応します。そういう身体反応が、感情というか、こころと切れてしまっている。そういうのが、ぼくらのところに相談に来る人でも、このごろ多いんです。

2011-08-23 22:48:52
河合隼雄のことば @hayaokawai

(1) 感情と身体は、本来関係がものすごく深いですからね。感情的反応は、だいたい身体的反応が伴うでしょう。鳥肌が立つとか、汗が出るとか、涙が出るとか、手が震えるとか、心臓が高なるとか、身体的なものと一緒に動くことが多い。

2011-08-23 22:47:10
河合隼雄のことば @hayaokawai

反抗したがっている時期の子どもを、それでも愛するとはどういうことか、って考えてみたら、愛するというのがどんなに難しいことか、よくわかると思います。

2011-08-23 07:48:04
河合隼雄のことば @hayaokawai

子どもの幸福は、子どもが自分自身で築いていくんです。子どもを「幸福な状態」に置くことによって親が安心しようとするのは、親の勝手というもので、子どもの幸せを中心にしていない。ほんとの幸福とは、その子が「自分の人生を生きられる」ということなんです。

2011-08-16 07:56:10
河合隼雄のことば @hayaokawai

人間は大変革を遂げるとき、外から見ると殻に閉じこもって何もしていないように見えながら、内側では大変な変化を体験するということが必要なのだ。 -略- 人間は大きく成長するためには、何らかの「さなぎ」の体験を必要とするのだ。

2011-07-28 07:57:33
河合隼雄のことば @hayaokawai

親や教師などの大人が、子どもが感動するのは好きだが、疑問を持つのを嫌がることが多いのは、もっともだと考えられる。子どもの感動は、大人の「思い通り」なのだ。感動はもちろん大切なことではあるが、 -略- 子どもから出される疑問を育てるようにすると、創造性が高まると思う。

2011-07-26 07:51:07
河合隼雄のことば @hayaokawai

時間というのは、本当は人によって違うんだけれど -略- 「この仕事のために2時間使った」といったら、誰にでも分かって共通になります。時間やお金は個性を抹殺するものすごいパワーがあって、それがこれだけ上手に世界中を流通するわけだから、各人が自分の個性を守るのは大変なことなんです。

2011-07-25 07:55:42
河合隼雄のことば @hayaokawai

(14) 心理臨床の営みの目的が、「悩みをとる」ことではなく、「悩みを悩む」ことであるのを、真の意味で教えて下さったのは、河合隼雄先生である。

2011-07-21 23:10:18
河合隼雄のことば @hayaokawai

(16) 先生はその人生の最後の時期に、毒を流出させる「あいまい」の世界に身を投じられたが、その決定の背後に、「あいまい=中空構造」の世界についての深い認識と愛があったことを、多くの人はいまだに語りたがらない。

2011-07-21 07:55:20