【創作】榊一郎氏による作例―「異世界」「シリアス」

作家である榊一郎氏の「異世界」「シリアス」「自分が許せない男が自分を許せるようになるまで」をテーマとした作例ツイートをまとめました。
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榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

まあ、一番、ハードルが高そうなタイプの話を作例として出すのが一番、応用がきくのかもしれないけど……そうすると「異世界」「シリアス」系になるのかなあ、今だと。

2011-08-19 23:51:22
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

じゃあまあ、例えば――そうだな。以前、ストジャがどうの、みたいな話が出てきた時に、出した喩えで肉付けしましょうか。「異世界」「シリアス」に加えて「自分が許せない男が自分を許せるようになるまで」をテーマにして、「モールド」を別のものにとっかえる。 #sousaku

2011-08-20 00:34:19
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

ざっと設定していきます。モールドを――そうだな、「飛行機」に変えましょうか。正直、飛行機はあんま詳しくないので、細かい設定ミスは眼を瞑って貰うとして  #sousaku

2011-08-20 00:35:48
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

……そうだな。「スピード」が一定を越えると、人間ではいられなくなる世界。いや、具体的には「音速」としておきましょうか。 #sousaku

2011-08-20 00:37:45
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

音速を超えると、途端に、ある種の「枷」が外れてしまう。人間でなくなり、高速で移動する事でしか生きられない「何か」になる。まるで回遊する事でしか呼吸できないサメの様に。 #sousaku

2011-08-20 00:39:29
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

一種の超能力の様なものが発現してきて、「飛ぶこと」が新陳代謝の基本となり、そういう生物になってしまう。あれですね、こう、ジェット戦闘機が空中分解して、卵の殻がむけていくように、ドラゴンが生まれてくるとか。そんな。 #sousaku

2011-08-20 00:41:24
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

こうした「昇化者」達は、その生理故に、通常飛行機との衝突事故も多く、何より、新陳代謝の過程で必要になる「有機物」を取り込む為に、人間を襲ったりもする。 #sousaku

2011-08-20 00:43:32
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

当然、こうした世界でも飛行機の需要は在る。旅客、貨物、気象観測、軍事、その他諸々。故にこれらの飛行機とは別に、「昇化者」達から、飛行機を守る為の護衛役、俗に「蒼穹騎士」と呼ばれる者達が出てくる。 #sousaku

2011-08-20 00:45:21
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

彼等は、「音速を超えた化け物」を「音速以下」で追い払い、あるいは狩らねばならない。勿論、彼等の使う戦闘機は音速を超えられるが、越えた途端に「昇化」が始まる為に、ぎりぎりの戦いを強いられる。「騎士」の称号はその過酷な戦いと、護衛という任務の性質故の事。 #sousaku

2011-08-20 00:47:08
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

さて、こんな世界に一人、投げやりで自分が許せない「蒼穹騎士」がいる。この蒼穹騎士が自分を許せる様になるまでの話――とまずざっと駆け足で世界観とキャラを設定します。キャラの設定が少し曖昧なのは後で理由を説明します。 #sousaku

2011-08-20 00:49:36
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

そもそも「どうしてその蒼穹騎士は自分を許せないのか?」 という事を設定する。この設定によって、後々出てくるエピソードの並びや、他のキャラの設定も決めた方がやりやすい。テーマに沿ったキャラ配置やエピソードに出来るから。 #sousaku

2011-08-20 00:52:22
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

どうして自分が許せない? 多分何か卑怯な事をした、あるいは勇気が出せずに悔いが残る何かをしてしまった、等々。そうだな――「以前、コンビを組んでいた親友にして騎士としての師匠である男を、見殺しにした」 #sousaku

2011-08-20 00:54:44
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

「音速を出せば怪物化する」世界なのだから、それを活かすべきでしょう。となると、「親友は音速を出したが、一緒に飛ぶべき自分は、エアブレーキをかけてしまった」→「結果、親友は怪物化、自分は人間のまま」これでいきましょうか。 #sousaku

2011-08-20 00:56:51
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

勿論、親友が音速を出したのが、「単なる欲望」であったなら、主人公のやさぐれ騎士が自分を責める筋合いではない。恐らく、何か高潔な目的の為だったんでしょう。音速を出さないと誰かが死んでしまう様な。 #sousaku

2011-08-20 00:58:06
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

よくあるネタですが、災害現場の救援物資運搬、あるいは「昇化者」襲撃現場への急行……絵面としては後者の方がいいですが、エピソードとして考えた場合、前者の方が高潔かつ、タイムリミットが明確かな。 #sousaku

2011-08-20 01:00:06
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

音速でなければどうしても間に合わない。そんな切迫した状況。間に合わなければ何十人何百人が死ぬ。急がなければ。だが音速を出せば変異が始まってやがて自分は怪物化する――そんな状況をとりあえず作る、と。 #sousaku

2011-08-20 01:02:41
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

「俺は今から音速を超える」「馬鹿、何いってんだお前!?」「物資は余分を見ている。とりあえず俺が辿り着けば急場はしのげる。お前は後から来い」「ふざけんな、やめろ!」 #sousaku

2011-08-20 01:04:34
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

「俺が〈昇化〉したら、お前が撃墜してくれな」「嫌だよ、やめろよ!」――そして、相棒は音速で飛び、ドラゴン化するまでの時間で、物資を投下。主人公はそれを見ているしかできず、一緒に飛ぶことも、そして、彼を撃墜する事も出来なかった、と。 #sousaku

2011-08-20 01:07:04
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

主人公が「いっそ俺が音速で飛べば良かった」という気持ちを補強する為に、相棒には婚約者なり、病気の妹なり、とにかく、待っている人間を設定しておくと、いいかもしれません。とりあえず定番で病気の妹にしておきますかね。相棒が自己犠牲で物資を届ける理由の補強にもなる。 #sousaku

2011-08-20 01:08:59
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

まあ、大体この辺まで世界観とキャラ設定したとして。具体的なエピソードレベルに落とし込む作業開始。 #sousaku

2011-08-20 01:12:41
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

まず主人公登場のシーン。出来るだけ早ければ早い程いい(大抵の場合に読者がそいつの肩に乗っかって物語を見て行くのだから)訳で。その一方で、主人公が「やさぐれている」「あまり騎士らしくない変わり者」である事を示す為、スタンダードな騎士像を最初に提示しておく必要あり。 #sousaku

2011-08-20 01:14:29
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

スタンダードな騎士像を、提示するには、それそのものを出す方法と、スタンダードな騎士をよく知っている人間を出す方法があります。後者はストジャでやった方法(魔法士の標準を知っている監督官の視点)。 #sousaku

2011-08-20 01:15:55
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

なので今回は前者でいきますか。(実は前者もストジャのアニメでやっとるんですがね)――騎士が一杯居てもいいわけだから、空港にしますかね。空港で正統派の騎士が一杯居て、割とちやほやされている(あるいはアイドル的な騎士がいてもいい)場面。 #sousaku

2011-08-20 01:17:50
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

そいつらと主人公が対比して描かれる事で、ヤサグレ感を強調する。「なんだあいつ?」「あれでも騎士か?」みたいな事を囁かれたりする。で――このままだと主人公、格好悪いままなんで、彼の存在を見直すキャラが必要。 #sousaku

2011-08-20 01:19:50
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

まあ典型的なパターンですが、主人公、やさぐれてるんで、普通の騎士が引き受けない仕事を引き受ける。騎士はいわゆる「高潔な仕事」と世間で見られているので、護衛とか、そういうのはやるけど、「人助け」あるいは「お金」にならない事には手を出さない。 #sousaku

2011-08-20 01:21:05