次回作準備をしている片渕須直監督が語る、清少納言の記憶・表現方法。そして紫式部による清少納言評の意味。

メモ的にまとめました。 時系列順でないところがありますので各自でご注意下さい。
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町山智浩 @TomoMachi

清少納言が見て言葉にしたものを再び映像にしようとしている片渕監督。 twitter.com/katabuchi_suna…

2021-08-31 04:14:21
片渕須直 @katabuchi_sunao

清少納言という人は、ほんとうにビジュアルで記憶している。あらためてそれがわかった。 その印象を文章に移し替えているけれど、彼女が書くものの本体は、文学的な何かではなくて、視覚像だ。 清少納言という人物に感じるのは、「同業者感」だ。 彼女は心のカメラでそれを描いている。 twitter.com/katabuchi_suna…

2021-08-31 04:08:18

関連する過去ツイート

bn2 @bn2islander

あ、この紫式部と清少納言評すごく面白いな。本質をえぐってる気がする yab.yomiuri.co.jp/adv/chuo/opini… pic.twitter.com/KuJvHaZqSa

2020-08-15 21:25:24
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bn2 @bn2islander

この下りは片渕監督の次回作を考える上でも重要な話だと思う(気がする)yab.yomiuri.co.jp/adv/chuo/opini… pic.twitter.com/MzMoRHiWlL

2020-08-15 21:28:54
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『枕草子』は読解に、思索を要求し、分析と総合の手続きを要する。そして、著者の思想の再構築を目的とする。このテキストは、今日的に見ると、ジャンルとしては、文学ではなく哲学あるいは科学に属するものである。和歌や漢詩の表現技法をとるので、文学的に見えるのだが、人間と社会に対する思索を伝えることを目的とするテキストなのである。

藤原浩史 中央大学文学部教授『「枕草子」は文学か?』2016/612

片渕須直 @katabuchi_sunao

@bn2islander 「枕草子」が読解に思索を要するのは、当時の人たちが共有していた文脈を、我々には見当つかなくなっちゃってるからなんですよね。その文脈を再構築して当時の人たちと同じ平面に立ってその世界を眺めてもらおうと、これから映画を作るわけです。

2020-08-15 23:51:19
片渕須直 @katabuchi_sunao

@bn2islander その辺は、「この世界」と同じです。我々が用意するのはタイムマシンなので、あとはそれに乗っていただきさえすれば、というところでは。

2020-08-15 23:54:40
片渕須直 @katabuchi_sunao

昨日見せてもらった「『枕草子』は読解に、思索を要求し」という文のことはまだ頭に引っかかっています。清少納言という人はきわめて視覚的な人で、同僚からも「あんたくらいよ、そんな人が来てるものが何色と何色の重ねだったのかそんなに見てるのって」といわれている。その人が、

2020-08-16 06:35:02
片渕須直 @katabuchi_sunao

→その時自分の目に入った情景を、見たままにぽんと投げ出すように提示しているのが『枕草子』の各文なのであって。足らないのは、そこで表されているはずの情景を視覚像に変えられるだけのイメージの源であったり、さらにその背後にあった、清少納言たちにとってはまったく普通のことだから語るまでも

2020-08-16 06:37:53
片渕須直 @katabuchi_sunao

→なかった「その当時」そのものを思い浮かべられるだけのこちら側の知識だったりするだけなのではないかと。 これまでに行われてきた国文学的解釈の中では、そうしたものが意外にも忘れられがちみたいに見えるので、自分で補わなくちゃなあ、と思って色々集め直しているところだったりするのです。

2020-08-16 06:42:47
片渕須直 @katabuchi_sunao

でもそれは「思索」「哲学」とは違うんだよなあ、と思ったり。

2020-08-16 07:46:56
片渕須直 @katabuchi_sunao

「枕草子」を読む上で大事かも知れないのは、意外にも例えば 大河ドラマに求めるようなストーリーへの興味なのではないかと思ったりしてしまうのです。 かなり、通俗的な物語だと思って接することが出来るものだし、そうやって見えて来るものは、かなりおもしろい。通俗的に。

2020-08-16 08:14:12
ほし @s_leol3

@katabuchi_sunao あ、ツイートの内容を履き違えてしまいました💦 「大河」なんですね、枕草子は。ただ、「源氏物語」とかは昼ドラ感覚でもいいような気もします。間違っていたらすみません。。

2020-08-16 09:28:30
片渕須直 @katabuchi_sunao

@s_leol3 ええ、「源氏物語」は個人を個人としての範囲の中で描いた創作的ストーリーなのですが、「枕草子」は歴史的な社会全体の大きなうねりの中にいる人々のお話、実録ものなので、大河っぽいと思うんですよね。

2020-08-16 09:41:30
片渕須直 @katabuchi_sunao

@s_leol3 いえ、普通に読んだら「日常生活の切り抜きかな」と思っちゃうのは無理ないんです。肝心なところが書かれてないのだから。

2020-08-16 10:00:40
片渕須直 @katabuchi_sunao

ただ、あまりにも多すぎるエピソードが述べられないまま、伏せカードのままになってしまっている。

2020-08-16 08:15:11
片渕須直 @katabuchi_sunao

登場人物だって色々工夫して通俗的におもしろくキャラ立てして描かれてるし。 あれを通俗的でおもしろい「物語」だと思って読まないのは「もったいない」。

2020-08-16 08:30:14

片渕須直 @katabuchi_sunao

@bonkurapoo 『枕草子』もよく読むと引き篭もったときの話がちゃんと書いてあります。引き篭もっているあいだに書いたのが『枕草子』だった、ということも。 でも、そのほかにもたぶん3回は引き篭もってますね。

2020-07-31 21:15:34
ぶたにくだいすき @bonkurapoo

@katabuchi_sunao 作家らしいと言えば作家らしい…😅 イメージとしての枕草子は「平安上流階級女性あるある」的なものだったのですが、清少納言のパーソナリティが相当に色濃いのでしょうね。休日を利用して原典を探してみます!

2020-07-31 21:10:52
片渕須直 @katabuchi_sunao

@bonkurapoo 一番有名な引き篭もりは、現代では「長期里居」と呼ばれています。このときの引き篭もり理由は政治的な事件のとばっちりを受けたもので、清少納言が敵方のスパイであるという噂が立ったから、というものです。そうした中で彼女は書いていた。

2020-07-31 22:07:15
片渕須直 @katabuchi_sunao

@bonkurapoo 「平安上流階級女性あるある」どころじゃないんですよ。

2020-07-31 22:13:15
片渕須直 @katabuchi_sunao

@bonkurapoo ちゃんと調べて積み重ねていけば、「謎」とされている多くは蓋然性のある推論で埋めることが出来ます。 清少納言の中宮への出仕前の前半生も、彼女の同僚たちが誰だったかも、定子没後の後半生も。

2020-08-01 09:23:27
ぶたにくだいすき @bonkurapoo

@katabuchi_sunao 蓋然性を高める意義については『このセカ』で私の抱いていた戦前〜戦後にかけての暮らしのイメージが偏ったものばかりだったと判ったことで思い知ったつもりでしたが、全然まだまだですね…。

2020-08-01 09:38:28