ヴェルヴェット・ソニック #4

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAAAAASH!ナムサン!ニンジャスレイヤーは轢殺車両横に逸らし、シャッター商店の建物に座礁させた!車両のホイールが火花を散らし、ひしゃげ、空回りした。粉塵が道路に満ちる中、ニンジャスレイヤーはコトブキの横に立った。「「キキーッ!」」ケモノパンクスが一斉に襲いかかった……! 24

2021-09-17 23:16:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アーッハッハッハッハ!そう来たかァ!」粉塵の中に雪崩れ入るケモノパンクス達を、ハッキングされたマグロツェッペリンのカメラを使って上空から見下ろすサロウは真顔だった。追い詰められた挙げ句、スモトリとケモノパンクスに抑え込まれる筈のニンジャスレイヤーは、まだ無事だった。 26

2021-09-17 23:20:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAAASH!KRAAASH!ハッキングしたビジョンにおいても、獣の位置は建物を透かして確認できた。ニンジャスレイヤーは道路沿いの民家の扉を粉砕して押し入り、建物を突き進んで、隣接する建物に押し入り、またその先の建物へと強引に進んでいるのだった。付近の地帯は低層の住宅が連なる。その中を! 27

2021-09-17 23:22:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAAASH!KRAAASH!上空からは低層建築の狭間から噴き出す粉塵が見えるばかり。「視点がよくないな。まあ、いいんだけどさ」建物を壊しながらニンジャスレイヤーは進み続ける。だがそれがサロウのもとへ辿り着く事は決してない。大いなるオモイ・ニンジャは儀式のプロトコルをハッキングした。 28

2021-09-17 23:25:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーから見えるサロウの位置はまやかし。一定距離を保ったまま堂々巡りする寸法。ニューロン・ハックの中継地点は、下準備してアンテナに変えたモータル達。それを通して周囲の市民をハックする。アンテナは、ざっと256体。配置にはムラがあるから、密度が濃い場所に誘い込みたい。 29

2021-09-17 23:29:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAAASH!KRAAASH!ニンジャスレイヤーは建物を破壊し、移動を続ける。「ホント無茶苦茶な奴だよね、ダーリン」サロウは話しかけた。「そろそろアイツらを一番イイ場所に引っ張り込むよ。削りながら、ちょっとずつ誘導してる。……ダーリン?忙しい?」『0100101』サロウの隣でアンテナが喋った。 30

2021-09-17 23:34:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サロウはもはや見通せないマグロツェッペリンのカメラ視界から離れ、いちど自分の目に帰還した。裏路地のどん詰まり。月明かりすら届かない。「ダイジョブ?」彼は隣で拘束正座したサイバーゴスの娘を気遣わしげに見た。『01001』「磁気嵐かな?」ズズ、と音が響いた。鉄の擦れる音。 31

2021-09-17 23:38:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サロウは振り返った。マンホールの蓋が横にずれ、穴が剥き出しだ。「ン……」サロウは立ち上がり、反射的にこめかみに指を当てた。「え、近……え……」「ハイヤーッ!」オイランドロイドが垂直ジャンプで飛び出した。「え……」サロウは混乱した。オイランドロイド?さっきの?一緒では?ない? 32

2021-09-17 23:40:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

垂直跳躍から降ってくる明るいオレンジ髪のオイランドロイドに焦点を合わせ、サロウはニューロン内で「何故?」を繰り返した。こいつはニンジャスレイヤーと一緒にいた筈。今も建物を壊しながら虚しく一緒に移動中では?確かに上空からしか見ていなかったし、「地下?移動?え……」「ハイヤーッ!」33

2021-09-17 23:44:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

回転踵落としが襲い来る!サロウは焦点をオイランドロイドに完全に合わせた。人間ではない相手に。まず判明したのは名前。コトブキ。自我がある。だが人間ではない。人間ではない相手。巨大な黒い球体のイメージ。それは切り離されたコトブキの、かつての自我の故郷であって……「グワーッ!」 34

2021-09-17 23:47:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サロウの右肩に、コトブキの強烈な踵落としが叩き込まれた。鎖骨が割れるのがわかった。「ナ……ンデ!」サロウは倒れ込み、転がって、起き上がった。「こいつ……ズルイぞ!」サロウは手をかざした。人間ではない。ニューロンの筋道が。勝手が違う……!コトブキは拳を固め、向かってくる! 35

2021-09-17 23:50:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドクン。ドクン。サロウの心臓が強く打ち、ニンジャアドレナリンが脳に溢れ、時間の流れがゆっくりになった。サロウは目鼻から出血しながら激しく思考した。現状:ニンジャスレイヤーは少し離れた場所を移動中。コトブキはそこにおらず、ここに来た。圧倒的事実:自分の居場所が敵に知られている。 36

2021-09-17 23:53:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

コトブキの肩の向こうでサイバーゴスの肉が痙攣し、オモイの声で呟いた。『チクショウ10011ナンシー・リ011面倒臭0100』(演繹……帰納……どっちだっけ……どうでもいい!とにかく、オモイ・ニンジャ=サンの目を擦り抜けて、コイツに居場所を伝えたハッカーが居て……)「ハイッ!」「グワーッ!」37

2021-09-17 23:56:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

困惑するサロウはコトブキの拳を防御できず、まともに顔面に食らった。第二の拳がゆっくりと襲いくる。(身を守らなきゃ。いや、コイツのニューロンをハックが先では?でも、どうやってここへ?上から見ていたせい?コイツは下水道にでも逃れて、ナビされて、ええと、最短で俺の所に?)「ハイッ!」38

2021-09-18 00:00:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サロウはコトブキの第二の拳を防御した。そしてニューロンへの侵食を試みた。黒い球体……(…それはもうイイんだ。コイツのただの故郷にすぎない。残響がデカすぎるだけだ。コイツ自身の自我を捉えて……クッソ……肉の脳と形が違うから……)「ハイッ!」「うるさいよ!」サロウは第三撃を防御! 39

2021-09-18 00:04:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハイッ!」「やめろって」サロウは第四撃を防御!「ハイッ!」「クソ……」「ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイハイハイハイハイ!」コトブキは決然と目を見開き、クランク回転じみた縦の拳を連続で叩きつけてくる。打撃が終わらない。サロウは困惑でペースを崩す。(ニンジャと戦い慣れている!?) 40

2021-09-18 00:07:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハイハイハイハイハイハイハイハイッ!」コトブキの拳が加速する。サロウは拳をいなし、逸らしながら、後ずさる。(忙しいぞ……とにかく、まず、体勢……)「ハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイッ!」(体……)「……ハイヤーッ!」コトブキの拳がサロウの顔面を、再び、捉えた! 41

2021-09-18 00:11:18