佐藤誠市氏によるナムコ80年代ゲーム作品についての証言

「ボスコニアン」の企画をはじめ数々のナムコのゲーム作品に関わった佐藤誠市氏が、多根清史「教養としてのゲーム史」をきっかけとして、主に同書内で取り上げられているゲーム作品を中心にさまざまなお話をツイートされています。 大変貴重なものであると思いますので、一部注釈など入れながらまとめていきたいと思います。 ※この後の話は新規にまとめを作成しました→ http://togetter.com/li/530826
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佐藤誠市 @SugarSeisan

『仁義なき日本沈没』にもどる。阪急グループを母体とする東京宝塚映画と東急を母体とする東横映画がそれぞれ相手の領域である東京砧と京都太秦で映画を製作するという。この部分でそれこそ「仁義なき戦い」で代理戦争を行っているやくざの世界を彷彿させて血湧き肉躍るものがある。

2012-04-20 11:25:58
佐藤誠市 @SugarSeisan

ただ東宝の戦いは戦後において東映ではなく内部で行われた。労働組合との争議である。ここも絵になる。撮影所に立てこもる組合員から放水されずぶ濡れになって強行突破を図る高峰秀子。そして賃金が不払いとなった組合側は、その技能を使って大道具は大工のアルバイト、録音技師はラジオの修理、

2012-04-20 11:32:45
佐藤誠市 @SugarSeisan

美術は看板描きなどなど。そして最後は強制執行。撮影所を2500名の武装警官が取り囲む、さらに米占領軍の偵察機が3機上空を舞い、3両の戦車に第一騎兵師団一個中隊が配備される。結果疲れ切った黒澤明が退去してくる。この見せ場だけで映画一本を作る価値はある。

2012-04-20 11:40:09

ゲームのバグ出しの本

佐藤誠市 @SugarSeisan

へーこんな本が出ているのか!『ゲームテスト&QA 』値段も値段だしゲーム業界も離れているので買うつもりがないが、さすがアメリカだ。こういった本が出版されると言うことに底力を感じる。いわばゲームのバグ出しに関する本だ。日本ではなかなか出版社の企画にも取り上げられないだろう。

2012-04-23 17:04:21
佐藤誠市 @SugarSeisan

翻訳本が出るkと自体も驚きを感じる。携帯電話用のゲームの開発部署にいたころ日本でも専門のバグ出しの会社があり、協力をしてもらっていた。ああいうところの会社が購入するしたり発注方の会社が購入するくらいだろうに。個人が買うとはとても思えない。こういうところは日本がアメリカに勝てない。

2012-04-23 17:07:57
佐藤誠市 @SugarSeisan

アマゾンのなか見!検索で著者の紹介があって面白かった。著者の一人はブラジルサンパウロ育ちで、母親の教育の一環で9才の誕生日にセガのマスターシステムをプレゼントされ、ファンタシースターなどで英語を覚え、その後アメリカに渡りアクティビジョンでPCゲームのテスターとなる。

2012-04-23 17:14:14
佐藤誠市 @SugarSeisan

人生を決める切っ掛けがセガのマスターシステムとは。wikipediaによるとマスターシステムは日米では成功しなかったが欧州とブラジルで大成功とある。まさしくその影響でこの人の人生が決まっていったのだな。こういうつながりがあるから人生は面白いのかもしれない。

2012-04-23 17:18:37

「仁義なき日本沈没」その2 邦画とテレビ、業務用ゲームと家庭用ゲーム機

佐藤誠市 @SugarSeisan

『仁義なき日本沈没』続き。映画業界と業務用ゲーム業界の類似点に、どちらも家庭用ハードの普及による斜陽化というものがある。よく言われるようにテレビの普及が映画業界の斜陽化を招いた原因の一つだ。同様に業務用ゲーム機業界も家庭用テレビゲームにより斜陽をまねいた。

2012-04-24 11:07:06
佐藤誠市 @SugarSeisan

勿論映画の斜陽化はテレビの台頭だけでなく、レジャーの多様化、量産による粗製濫造などにもあると本にはある。どこかで聞いたような話だ。アタリショックならぬ黒澤ショックという話しが出ていたがこれはちょっと違う話のようだ。テレビの台頭で映画業界は何をやったかというとテレビドラマの製作だ。

2012-04-24 11:14:04
佐藤誠市 @SugarSeisan

業務用ゲーム業界も当然テレビゲームの開発に血道をあげるようになる。テレビの製作に回された役者やスタッフは映画に関わっている人にコンプレックスを感じていたという。映画を作るものにしたらテレビの仕事なんて子供だましだという風に思っていたのかもしれない。

2012-04-24 11:17:15
佐藤誠市 @SugarSeisan

業務用ゲームを作っていた人も家庭用ゲームに対してそんなイメージを持っていた。少なくともファミコンなどハードの機能が低い時代はそう思っていただろう。それが家庭用ゲーム機の特に描画能力が業務用を超えてしまった時に意識が逆転したと思う。どちらに軸足を置くかが決まってしまったのだ。

2012-04-24 11:20:40
佐藤誠市 @SugarSeisan

その他。この本には興収(動員人数)ベストテンに東映より東宝が多いのか書いてあり腑に落ちた。確かにネットでベストテンを見ていると東宝ばかりの時が多い。これは立地条件の良い場所に多くの劇場を持つ東宝の強みからで決して制作能力が高いというわけではないのだ。

2012-04-24 11:25:49
佐藤誠市 @SugarSeisan

映画製作をしたらまず東宝に話しを持ってゆきそこで契約できなかったから東映に持ってゆくという流れになっているという。立地条件の良い場所にロケを持つタイトーに対し、デパートの屋上や立地条件の悪い場所にしか路面店を持たなかったナムコがどう立ち向かっていったかという話しにも通じる。

2012-04-24 11:30:28
佐藤誠市 @SugarSeisan

喫茶店などシングルと呼ばれるロケにパックマンなどの売れ筋で市場を開拓したり、繁華街ではなく郊外に大規模店を設けたりしたのであるがそれも時代の波に飲まれてしまった。そういえば郊外型のシネコンという話しを昔聞いたがいまどうなっているのだろう。東映・東宝とは別の話なのだろうか。

2012-04-24 11:34:48

「仁義なき日本沈没」その3 邦画斜陽化の先

佐藤誠市 @SugarSeisan

『仁義なき日本沈没』さらに続き。映画業界が斜陽化を迎えた後の東映と東宝の対処が印象的。東映が任侠映画や異常性愛映画などのエログロ路線に活路を見いだしていた頃、東宝は清く正しく美しくの路線を貫こうとしたが興行的に不振であった。評論家は当然東宝映画を評価したが商売にならなかた。

2012-04-25 10:11:42
佐藤誠市 @SugarSeisan

劇場に足を運んでくれる客層が以前とは違ってしまっていたようだ。勿論昔からの客層を呼び戻したいという気持ちもあって作り続けたのだろうが時代に取り残されたと言うことか。前に書いたがジャレコの『ぶたさん』を見て当時のナムコの企画は面白いと感じたが売れないなとも思った。時代が違うのだと。

2012-04-25 10:17:19
佐藤誠市 @SugarSeisan

ゲームセンターのお客さんというものは新しいゲームを見つけたらすぐにお金を投入し、難しいルールや操作方法でも面白さを感じたら克服するまでやり続けてくれるものだ。ひょっといたら当時の私たちはそんな風に思っていた、いや思いたかったのかもしれない。期待されるお客さん像である。

2012-04-25 10:21:30
佐藤誠市 @SugarSeisan

東宝の藤本常務もそういう理想の客層というものを心に持っていたのかもしれない。もうすでにそんな客層は少数派になってしまっていたのだが、夢よもう一度と思って努力したのだと思う。ただ時代がそうではなくなってしまったということか。スタッフの若返りにも失敗したとありゲーム業界の現状とかぶる

2012-04-25 10:27:30
佐藤誠市 @SugarSeisan

「東宝vs.東映の戦後サバイバル」という副題の割に直接の戦いが描かれていないがなかったのだろうか?劇場の争奪戦やあと著作権の問題でもめたとかなかったのだろうか。でも映画業界と業務用ゲーム業界の類似性を知ることが出来た。パックマンのコピー問題を映画の上映権で争ったのもむべなるかな。

2012-04-25 10:42:00
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