曇天 -extra round- 【フォア・ザ・ブルースカイ】(再放送)#6
「そうでもないんだよ、これがな!」巨大なハンマーを担いだ男が言う。「コリウス、熊野、不知火……殺せばその分ボーナスだ!こんなボロい獲物を逃がすわけないだろ!」「私は!?」ハンターの斧を避けながら舞風が叫ぶ。「テメエは……リストには載ってねえが、邪魔したからぶっ殺す!」23
2021-10-27 22:03:00「なんだぁ……?リストだぁ……?」「え?」ハンマーの男が振り返る。いつの間にか真後ろにいた女が、拳を振りかぶっていた。「一体何のリストだよてめーっ!」「グワーッ!?」男は一発で殴り飛ばされた。「あぁ!?」「何だテメエは!?」ハンターたちが女を取り囲む。24
2021-10-27 22:06:00長髪の日本人の女だった。紺色のジャケットを羽織り、すらりと伸びた長い足には黒いスカートと白いタイツを履いている。不敵な笑みを浮かべた唇の間からは、狼のように鋭い犬歯が覗いていた。「警視庁銃器対策部隊所属、足柄よ!この人たちに手を出すなら、全員逮捕してあげるわ!」25
2021-10-27 22:09:00「警察ぅ……?」「知るか、ぶっ殺せ!」ハンターたちは構わず女に襲いかかる。それに対して女は。「うっおーっ!くっあー!ざけんなーっ!」キレた。拳を振るい、蹴りを叩きつけ、投げ飛ばし、群がるハンターたちを圧倒する。「クソッ!」ハンターの射手が対魔法生物ライフルを構えた。26
2021-10-27 22:12:00足柄は拳を地面に叩きつけた。「パワーウェイブ!」すると、衝撃波が大地を駆け、射手を襲った。「グワーッ!?」射手は拳で直接殴られたかのように吹き飛ばされる。「男なら、拳一つで勝負せんかい!」足柄は射手に拳を突きつけた。それから、まだ残るハンターの群れに向き直る。27
2021-10-27 22:15:00「調子に乗りやがって……!」「1人かよ、イカれてんのか!?」ネオヒグマを狩る猛者たちである。この程度では怯みもしない。次々と足柄に襲いかかる。「かかれぇぇぇっ!」突然、路地から防護服を身に着けた男が飛び出してきた。防盾や刺股、警棒などを手に、ハンターたちを制圧にかかる。28
2021-10-27 22:18:00「足柄ァ!何やってんだバカ!ひとりで突っ込むなっていっつも言ってんだろうが!」リーダーらしき男が足柄に怒鳴る。「だってこの人たちが襲われてるじゃない!見殺しにしろっていうの!?」「それはそうだけどよ……!」リーダーはハンター3人を立て続けに警棒で殴り倒すと、提督に近付いてきた。29
2021-10-27 22:21:00「お待たせしました、東郷提督。銃器対策部隊所属、甲斐三利です」「た、助かりました……」提督が味方に引き入れた、警視庁のメンバーだ。「パワーチャージ!パワーチャージ!」「グワーッ!」足柄は連続体当たりでハンターを浮かせ続けている。30
2021-10-27 22:24:00「ここじゃ危ない、そこの建物に避難しましょう。おーい、誰か!負傷者を運ぶのを手伝ってくれ!」「パワーチャージ!パワーチャージ!」「グワーッ!」足柄は呼びかけを無視して連続体当たりでハンターを浮かせ続けている。「いつまで永パやってんだ足柄ァ!」31
2021-10-27 22:27:00別の刑事たちがやってきて、提督を担ぎ上げた。「あの、この人は?」指し示されたのはダルスだ。「その人は……」「現地協力者です!」振り返る。不知火だった。口をついて出た言葉が信じられない、と言った顔をしていた。「そうなんですか?」隊員の言葉に、提督は少し考えてから頷いた。32
2021-10-27 22:30:00「もしもし。……ああ、そうか。わかった」キリシマは電話を切ると地面に叩きつけ、踏み割った。作戦失敗。ドロフェイは死んだものの、柚木もダルスも警察の介入により生き残った。「使えねえな、田舎のハンターどもは……やっぱビルに毒ガスを仕込んだ方がよかったか」34
2021-10-27 22:33:00一般人の犠牲者が多すぎるという理由でコンゴウのお目付け役から却下された案である。しかし、次は必ずそうしようとキリシマは決意した。「ま、損にはならねえんだけどな」そしてキリシマは上機嫌になる。彼女の眼前にはドロフェイが隠していたネオケシ畑が広がっていた。35
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