BLは女性の人権を侵害するのか？～から始まるつぶやき

wagu @wagu108

papsjpさんの考えでは、BL中の性暴力は女性の人権を侵害している。なぜなら、BLにおいて性暴力を受けているのは、より男性性の少ない（つまり女性的な）側だからだ。というのだが、これは説得力があるのだろうか？（続）

wagu @wagu108

BLの性暴力が女性を差別しているという見解に説得力があるとしたら、現実の社会において、女性の側が「従属させられている」というその現状を背景にするからである。BLを熱心に読んでも単体ではその見解は出ないと思う。（続）

wagu @wagu108

この男性は女性的に描かれ、また女性的に描かれている側が暴力を受けているので、世に生きる女性たちの人権を侵害している。そういう読み方は、世の中の女性に対する差別の認識を下敷きにしなければ見えてこない。（続）

wagu @wagu108

女性あるいは子どもの集団的人権を侵害しているから表現を規制しよう、というのは、このように、同時代の社会において差別されている集団を、差別という相において認識していることが前提で説得力を持つ。（続）

wagu @wagu108

例えば、エロ漫画の中で女性の公務員が性暴力を受けていた場合、もし世の中が公務員に対する嫌がらせに満ちていたとしたら、それは公務員に対する差別的な表現と解され、公務員の集団的人権を保護するために規制が主張されるかもしれない。

wagu @wagu108

逆に眼鏡をかけた女の子が陵辱されるエロ漫画では、少女の集団的人権が侵害されているという主張はあっても、眼鏡をかけた人の集団的人権が侵害されると言われることはない。それは現状の認識による。眼鏡っ娘があまりに流行るとそういうことになるのかもしれないけど。

wagu @wagu108

だから、虚構の表現の暴力がこの世の人々の権利を侵害しているというのは、すでにその人々が社会の中でひどい目にあっているという認識に基づいたものだ。それは循環しているとも言える。だから、ダメだというわけではないが、その規制に意味はあるのかと問うことはできる。

wagu @wagu108

表現が、差別の構造を強化するという懸念。また、表現そのものが差別を実践しているという懸念、があるわけだけれども、規制によってその人たちの境遇は本当に改善するのか、というのは別に考える必要がある。要はBLを規制したら女性の境遇は改善するのか、という話だ。

wagu @wagu108

papsjpさんの発言からは、より普遍的な論拠も読み取れる。「ＢＬかどうかを問わず、性暴力を性的娯楽としているものは、被害者の性別が女性であれ男性であれ、問題だ」　これは、世間の実相とは独立して主張できる。（続）

wagu @wagu108

男女問わず、大人も子どもも関係なく、性暴力を性的娯楽とするのは問題であるという認識は、普遍的で、平等で、説得力があるかもしれない。現状認識の恣意性が入り込む余地もない。ありそうでいて、あまり聞かれない主張のようにも思う。しかしここに問題はないのか？（続）

wagu @wagu108

ここでの問題は、子ども、女性といった特定集団に対する権利侵害とは反対である。現状で、とりわけ差別されているわけではない普遍的集団を守るために、表現を規制する必要があるのか？ ということだ。（続）

wagu @wagu108

しかも、描かれる場合に、暴力を受ける対象が誰であっても、その表現は規制されるべきだとなると、表現に対する規制の程度としては、最大となる。普遍的な対象を保護するのだから、当然にそうなる。（続）

wagu @wagu108

女性や子どもという現状で弱いとされる立場を守るに当たっても、集団的人権の適用は慎重であるべきと思われるのに、そうとは限らない普遍的な集団の人権を守るために、最大の規制が適用されるというのは、理に適わない。

wagu @wagu108

まずは、現状で弱者とされる人々の境遇に配慮した表現規制を、慎重に、検討することになるのだと思う。