「テスラコイルと馬の骨」第一章 消えた総帥 第九話

第九話
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お富士 @fujishiro1127

「はい。わかりました。」さっきから何をいじっているのか、そのリモコンは何なのか、とても気になったけど、僕は、覚悟を決めて言った。「ありがとう。ではいくよ。」そして、マスター秋山は、スイッチを押した。To Be Continued…

2011-08-14 00:36:26
お富士 @fujishiro1127

「よし。じゃあ、君がそれをよしと言うかはまだ後でいい。これから君に、もう少し詳しいことを、いろいろ説明する。それから、君が依頼を受けるか受けないかを判断してくれればいい。それでいいかい?」そう言うと、マスターは、リモコンのスイッチのひとつに手をかけた。

2011-08-14 00:34:12
お富士 @fujishiro1127

「いえ…。」その言葉に、僕は逆に悪いような気がしてきた。「僕のほうこそ、なんだかすぐにいろいろ飲み込めない性分なもので…。」しかしそれを聞いて、マスターは、また笑顔になった。「ん。まあ要するにさ、君に、総帥を探してきてほしいんだ。ここまでオッケー?」「はい。理解しました。」

2011-08-14 00:32:13
お富士 @fujishiro1127

それを聞いて、僕もやや感情的になったと反省した。「…失礼いたしました。」「まったくだよー。でも、まあそう思うのも無理はないよね。いきなり呼びだされて、あれよあれよという間にどんどん重大発表されてさー。おまけに総帥探してきてくださいって言われたら、僕だってえーって思うよ。」

2011-08-14 00:13:54
お富士 @fujishiro1127

「ではつまり、誰でもよかった、ということですか?」僕じゃなくっても…と、少しふてくされたように言ったら、マスターは眉を寄せた。「誰でもよかったっていうのは言いすぎだよー。エンジニア部の、まじめで働き者の研究員っていう条件だったの。」心外だなー。と、こどものように口を尖らせた。

2011-08-14 00:10:43
お富士 @fujishiro1127

そして彼は、僕の直属の上司であり、今日ここへ行けと告げた人物でもある。「そ。鎮西さんに、あなたのところの、一番まじめで働き者の研究員を紹介してくれない?って頼んだら、君だって言われたの。ただそれだけ。」それを聞いて、僕は、なんだかやりきれない気分になった。

2011-08-14 00:06:56
お富士 @fujishiro1127

「…別に…?」マスター秋山は、なにやらごそごそとリモコンや、その他の機械をいじり始めた。「うん。君を選んだ理由なんて、大してないよ。ただ、鎮西さんの評判がよかったからさ。」「鎮西技師の…。」鎮西正憲技師は、エンジニア部の主任研究員で、彼もまた、総帥や幹部の厚い信頼を得ていた。

2011-08-14 00:02:10
お富士 @fujishiro1127

やっぱり、思ったとおりだった。「…なぜ、僕なんですか?」先に述べたとおり、僕は総帥のことなんて、ほかの誰もが知っていることしか知らない。実際に会って話したこともない。今ここで聞かされたことも、一つ一つ確認しなければ混乱しそうになるぐらいだ。「別に。」

2011-08-13 23:59:14
お富士 @fujishiro1127

「テスラコイルと馬の骨」第一章 消えた総帥 第九話

2011-08-13 23:54:59