ストーリー第4回目 セントラル・クエスチョンを意識してみよう
0.はーい、chimumuだよ。今日も、映画のストーリーの構築のしかたをつぶやいていくよー。
2010-05-01 23:31:201.第一幕が一番大事で、第一幕の役割は状況設定だ、ということは何度もつぶやいてきた。
2010-05-01 23:32:592.そのためには、キャラクター設定をきちんとすること、“欲しいもの”を定義することが大事だ、原則論としては。
2010-05-01 23:33:563.で、今日はセントラル・クエスチョンという角度から、第一幕目の状況設定の強さを見ていこう。
2010-05-01 23:36:194.「あなたの書いたストーリーにはセントラル・クエスチョンがありますか」と聞かれて「ある」と答えられるか、それが今日の要点だ。
2010-05-01 23:38:045.ではまず、セントラル・クエスチョンとは何かということから説明しよう。セントラル・クエスチョンとは、「主人公は、果たして○○できるだろうか?」というストーリー全体に対しての問いである。
2010-05-01 23:39:596.例えば、ストーリーが始まってすぐに主人公が無実の罪を着せられてひどい状況に陥ったとする。その時のセントラル・クエスチョンは「果たして濡れ衣をはらせることができるか?」だ。 勝敗で物語が進むようなストーリーは「果たして勝つことができるか」、ホラーの場合は「サバイブできるのか」。
2010-05-01 23:43:067.セントラル・クエスチョンはストーリーに必ずなければならないというわけじゃない。けれど、あった方が動的になり、エンターティンメントなストーリーになる。
2010-05-01 23:44:098.また、セントラル・クエスチョンがないストーリーがダメだというわけじゃない(アメリカのシナリオの教科書は、セントラル・クエスチョンはなるべく作れと書いていることが多いみたいだけれど)。
2010-05-01 23:46:299.たとえば『サイダーハウス・ルール』の第一幕の終わりで、主人公は生まれ育った孤児院を出て、新しい町へ行く。しかし、この時点で「果たして○○できるのか」という強い問いかけをすることは不可能だ。観客は「ああ、旅立ったな、彼はどうなるのかな」というぼんやりした気持ちで二幕目を迎える。
2010-05-01 23:47:0710.セントラル・クエスチョンがない作品は、アート系の作品には多く見られる。『アメリカン・ビューティ』も『ゴースト・ワールド』も、「さて、これからどうなるのかな」で観ている。それでも、キャラクター設定がきちんとしてれば、多少エンジンの掛かりは遅いが、物語はドライブするんだ。
2010-05-01 23:49:5711.けれどね、今日はここが言いたいんだけれど、若い人の自主映画を見ているとセントラル・クエスチョンがあるストーリーが本当に少ないんだよ。
2010-05-01 23:50:5112.自分のシナリオに対して「どこか弱いな」と思ったら、「俺のストーリーにはセントラル・クエスチョンがあるのかな」という視点で見直してみてもいいかも知れないよ。
2010-05-01 23:52:0313.というお話しでした。今日はここまでです。明日は群像劇における主人公の設定の仕方についてつぶやきます。たぶん……。じゃあね!
2010-05-01 23:53:02