朝日新聞の報道【原発周辺住民は「ヨウ素剤飲むべきだった」 識者が指摘】に対し事項の確認と私見
- fukubrowndog
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この朝日新聞の報道【原発周辺住民は「ヨウ素剤飲むべきだった」 識者が指摘】に対し事項の確認と私見を述べたいと思う。長い道のりになります。:http://t.co/QZY2URd
2011-08-29 13:18:00日本での安定ヨウ素剤予防服用の介入レベルは、予測線量100mSv(小児=1歳児の甲状腺等価線量として)。「安定ヨウ素剤取り扱いマニュアル」に明記。→http://t.co/prWbJ5M これは介入の指針としてシングルスタンダード。大前提。
2011-08-29 13:20:083月13日の混乱期に、スクリーニング1万cpmを超える者が出たらヨウ素剤を飲ませろ、というお触れが原子力安全委員会からERC(Emergency response center:参考HP→http://t.co/W8mtBOg)に出たらしいが、現場では確認できていない。
2011-08-29 13:21:44ヨウ素剤を飲ませる外部線量との関係などが指示にあったかどうかはっきりしていない。その後の同指示のフォローも判然としない。該当する元文書も探しきれない。
2011-08-29 13:22:31続いて3月14日の時点で、原子力安全委員会からは「安定ヨウ素剤内服について」という助言が出ており、避難地区以外の方の服用は必要なし、としている。→http://t.co/wb1sHZp
2011-08-29 13:23:113月13日のERCへの指示が、朝日新聞記事中の「1回はヨウ素剤を飲ませた方がよかった」との根拠かもしれないが、政府対策本部から福島県に安定ヨウ素剤の服用指示が出されたのは結局3月16日午前10時。その際の原子力安全委員会の助言内容は「20km圏内残留者に限って」とのことだった。
2011-08-29 13:26:11このとき、福島県は、3月16日の時点で20km圏内の避難は完了しており、ヨウ素剤投与が必要な「避難地区残留者」はいないと判断したらしい(直接は確認していないが、各種資料より類推)。
2011-08-29 13:27:26ちなみに3月15日に20km圏内から避難する入院患者に対する助言→http://t.co/tCIO06N、3月16日に20km圏内に残留する人に対する助言→http://t.co/57XYn53がそれぞれ原子力安全委員会から出されている。
2011-08-29 13:28:43なお、3月17日午前2時20分には、「ERC医療班からの助言依頼」の意見聴取に対する回答として、「Q:30km圏内の住民の方に安定ヨウ素剤を現時点で服用することの必要性について見解を伺いたい」→A:「原子力施設等の防災対策についての5章3の(2)を読め」との内容がある。
2011-08-29 13:29:54回答そのものは→http://t.co/tVGhZb0に、後半の「読め!」という内容の文書は→http://t.co/MOkkGYRにある。
2011-08-29 13:30:33スクリーニングに関しては、これまた情報が錯綜している(10万cpm引き上げの経緯)。最初は13000cpmを保て、としているが(→http://t.co/6ooBY2P)、現場では断水が続き簡易除染しか出来ない状況。その後、原子力安全委員会自らが10万cpmを容認している。
2011-08-29 13:32:2510万cpm容認の元資料は以降:3月19日付け助言→http://t.co/mEkJdzn(文書中にある「1歳児甲状腺の線量」については後述)、3月20日付け助言→http://t.co/eNwfroE
2011-08-29 13:33:14この混迷の発端として・・・そもそも「外部線量が○○mSvだからヨウ素剤服用」などという基準は存在せず。「スクリーニング10万cpmでヨウ素剤服用」のお触れも奇々怪々。これではヨウ素剤投与の基準が「予測線量100mSv」と「スクリーニング外部汚染状況」のダブルスタンダードに見える。
2011-08-29 13:35:34さてここで、スクリーニング外部汚染状況とヨウ素剤投与基準をつなげる根拠となる資料を提示する→2010年「緊急被ばく医療のスクリーニングレベル」http://t.co/2I3gaLa
2011-08-29 13:40:57この文書中で「ヨウ素131が飛散内容の100%」と仮定した際に(ここの視点が原文に欠けているが)スクリーニングで13000cpm(=40Bq/cm3)が計測された場合、甲状腺4gの幼児が摂取するI-131が0.3μCiとなるとされ、24時間後の甲状腺線量が100mSvという計算。
2011-08-29 13:44:31(うーっむ、内容は沈着速度や単位面積あたりの沈着量などから計算されるとされるが、やや意味不明=検算者求む 外部+内部かな?内部のみかな?)
2011-08-29 13:45:06この内容が現場で周知されているかどうかかなり怪しい。また、原子力安全委員会から3月19日付けの「緊急被ばく医療のスクリーニング基準について」という助言の中で、1歳児甲状腺に0.1Svの線量を与えることになる値として「40Bq/cm2」を記載している。
2011-08-29 13:45:513月19日付け「緊急被ばく医療のスクリーニング基準について」→http://t.co/mEkJdzn これも飛散内容が「100%I-131である」という前提であることに注意。どこにも書いてないが。
2011-08-29 13:46:38ここまでがヨウ素剤投与とスクリーニングレベルの混迷の巻(安定ヨウ素剤投与基準のダブルスタンダード化と、10万cpm引き上げにおける通達の混乱)
2011-08-29 13:48:28基礎。Te-132の半減期は3.2日。I-132は2.3時間。I-132が検出されたらTe-132も検出されるべき(親子核種とも短半減期のため)。I-132が甲状腺等価線量に影響を与えるには甲状腺への蓄積が必要。ヨウ素が摂取されてから甲状腺に分布するのは「24時間以内」。
2011-08-29 13:50:51