倒置法をなんとかしようと思ったら主語問題だったという話

高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

整備兵たちは、いきなり現れた二人の女性に目を奪われたが、それもまぁ当然だろう。 　どちらも格別の美人で、町を歩けば老若男女振り向かせる美貌の持ち主であるからだ。 これは、今書いてるくノ一の魔女の文章なんだけど、たったこれだけの文章にも読者の意識を小説へむけさせようという……

高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

……涙ぐましい努力の痕跡がある。 これは自分の筆力のなさを表しているのでいちいち解説するのも恥ずかしいのだけど、この文章は倒置法で作られている。 倒置法とは、ＡとはＢである。なぜならＣだからだ、と出すべき情報の順序を逆転させることによって、読者の興味を引きつける技術のことを言う……

高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

……はず。 なので、本来なら 二人とも町を歩けば老若男女問わず振り向かせる美貌で、そんな彼女たちが整備兵たちの前に現れたのだから、やもめ暮らしだろう彼らの視線を集めるのも当然だ。 ぐらいになるはずだ。 こちらのほうが、文章としての質は高い。 でも、あえて倒置法のままにしたのには……

高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

……理由がある。 このシーン、実はつまらないシーンで、それを面白く書ける技量が自分にはないから、こうして奇をてらった文章で読者の意識を小説に向けなければならない。 というわけで、わざわざ倒置法にしているのである。 本当、もっと自分にキャラクターを魅力的に書けたり、読み応えのある……

高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

……文章が書けたら、と思うわけである。 ともあれ、たったこれだけの文章にも、こういうつたないテクニックを盛り込んで書いているのがもの書き、というものである。 しかし、ほんとに才能ないよなぁ、俺。

高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

いうわけで、こんな理由があるので倒置法を使ったんですが、やはり倒置法は避けた方がいいんですかね、鳥山先生。@toriyamazine

鳥山仁 @toriyamazine

@ponzz これは倒置と言うより主語問題ですね～。 ちょっと文章を改編して説明を。 整備兵たちは、いきなり現れた二人の女性に目を奪われた。何故なら、彼女たちは絶世の美女だったからだ。 この場合、前半の文章の主語は整備兵、後半の文章の主語は彼女たち、になります。つまり、二つの文章で……

鳥山仁 @toriyamazine

@ponzz ……主語が違うため、重複が起こらず書きやすいわけです。 これを整備兵に主語を統一すると、 整備兵たちの前に、いきなり二人の絶世の美女が現れた。彼らは彼女たちに目を奪われた。 となって、「彼ら」と「彼女たち」という代名詞が二連チャンで入る汚い文章になります。

鳥山仁 @toriyamazine

@ponzz ぽんずさんがホントに避けているのは、このパターンになることです。 では、これを回避するにはどうしたら良いか？ いきなり現れた絶世の美女二人組に、整備兵たちの目は釘付けになった。 という感じで、主語を「整備兵」でも「二人の美女」でもなく「整備兵たちの目」にしてしまえば良いわけです。

鳥山仁 @toriyamazine

@ponzz ただ、このレベルまで文章力が必要かというと、全然要らないので、最初の文章のままでOKです～。

高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

@toriyamazine ああ、そういう事でしたか。 一つの文章にするのに、妙な違和感はあったんですが、そこでしたか。 ありがとうございます。 やはりまだまだ精進が足りないようです。

鳥山仁 @toriyamazine

@ponzz そうです。でも、ここまでの精度は特に要求されてないと思いますよ。

高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

@toriyamazine 二次創作の同人誌ですからね。 読者を馬鹿にするわけではないのですが。

鳥山仁 @toriyamazine

@ponzz プロの小説でも特に要らないと思います。