ポルノ小説における男性主人公の書き方から始まるハードボイルド講座
@toriyamazine 先生、ポルノ小説について質問です。 ポルノ小説の男性主人公の一人称と三人称、どちらがよろしいのでしょう。 一人称で書いてて、なにやら読者視点に立った時これじゃオカズにならんと感じて三人称にしたんですが。
2017-10-20 00:30:11@ponzz 男性向きポルノは、マゾ男性向けを除くと、基本的に男性が女性の気持ちになって読むものなので、女性の一人称か女性の三人称にしないと成立しづらいと思います。例外はエロゲーですが、あれは絵のインパクトで有耶無耶にしているだけですね。
2017-10-20 00:35:42@toriyamazine 男性主人公の寝取りモノを書こうと考えていたのですが、そうですか。 ハーメルンの読者さんたちには続きは諦めてもらうことに(笑)。
2017-10-20 00:37:44@toriyamazine え? あ、ハードボイルドなのかなぁ(笑)。 恋人を妻子持ちに寝取られて、復讐のために妻を寝取って子供も寝取って寝取られた彼女も寝取りかえすって筋立てなんですけど……
2017-10-20 00:41:40@ponzz 取り返す、という部分を除けばハードボイルドですね(笑) ただ、作家として書く内容の傾向がある程度決まっているのは良いことだと思いますよ。
2017-10-20 00:46:26@toriyamazine まじですかー…… 自分の中ではあまりそういう傾向は意識したことなくて、かけるものはなんでも書くタイプだったんですが。
2017-10-20 00:48:25@toriyamazine 大昔はハードボイルド意識していたんですけど、この10年は全く。 だから、いやいや、そんなまさかと。 平井和正の影響でしょうね。
2017-10-20 00:51:45ポルノ小説における男性主人公についての解説はここまで。
この後、自分が元々はハードボイルドを書いていたという事がバレた事への質問に移ります。
@toriyamazine すみません、どのあたりで自分の書く小説の傾向がハードボイルドだと見抜かれたのでしょうか。 ウェブでおおっぴらに後悔してる小説は、大半がハードボイルドとは縁遠い小説ばかりだと思っていたのですが。
2017-10-20 16:30:37@ponzz 書き方に特徴があるんですよ。 例えば「俺は行きつけのバーの前に立っていた」のような書き方が、ハードボイルド調になります。これが「行きつけのバーの前に俺は立っていた」となると、小説執筆の基礎技術をちゃんと理解しているな、ということになります。つまり、日本語ハードボイルドは……
2017-10-20 16:35:26@ponzz ……日本語で小説を書こうと思った時に使う「ちゃんとした書き方」をしない文藝なんです。これは携帯小説も一緒で、「あたしウニャララ」となります。ただ、この違いがどうして起きるのかを説明しようと思うと、小説を書くための文章講座をやる必要があるんですか。欲しいですか?
2017-10-20 16:38:28@toriyamazine 欲しいのは欲しいです(笑)。 ただ、主語を最初に置く癖は、誰がその文章の主格かはっきりさせないと読者は混乱する、という鳥山先生とは別の編集さん(経団連に所属していて、首相の演説原稿の赤を入れていた人)からきつく戒められたのです。
2017-10-20 16:41:33@toriyamazine 今から思えばよくあんなものを見せられたものだと、ほとほと汗顔のいたりです。 つまり、別に文章の頭に置かなくても途中で明示して入ればその文は誰のものかはっきりする、という事でいいんですよね。
2017-10-20 16:46:49@ponzz そういうことです。ただ、これを使うのには「2つの文章をくっつける」という目的があります。つまり、本当は「俺は立っていた」「場所は行きつけのバーの前だった」の二文なわけです。これを「〝俺は〟行きつけのバーの前に〝立っていた〟」にするのか「行きつけのバーの前に〝俺は立っていた〟」……
2017-10-20 16:52:49@ponzz ……するのかによって、文頭に「俺は」を持ってこさせない頻度をコントロールしないのか、あるいはするのかという技術的な差が出るんですね(意味的な差はありません)。そこが基礎的な技術と呼ばれる所以なわけです。プロでも出来ない人が多数なのので、出来なくても別に良いんですが。
2017-10-20 16:54:42@toriyamazine 使い方によっては、能動的なのか受動的なのかとか、色々文章に含みを持たせられますけど、基本的には頻度の調整をすることによって、文章に変化を出す、という技術の部分な訳ですね。
2017-10-20 16:58:55@ponzz そうです。小説文の基本は「可能な限り同じ表現を避ける」ことなので、どこかで変化を入れないと駄目……なんですが、現実には作家の技量や編集者の修正能力に左右されるので、書けなければ書けないで、まあ、そこは目をつむって……ということになります。
2017-10-20 17:01:44@toriyamazine では、ハードボイルド小説を書いてる人は、そういうテクニックを(あえて)無視して、文章の主格を頭に持ってきて、意味を持たせているということでよろしいのでしょうか。
2017-10-20 17:05:02