『リトル・ピープルの時代』宇野常寛×中森明夫対談「危機の時代の批評」(「読書人」8・26日号)

明石健五@kengoa1965さんがつぶやいた、「読書人」8・26日号=宇野常寛・中森明夫対談「危機の時代の批評」からの発言抜粋まとめです。
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明石健五 @kengoa1965

「読書人」8・26日号=宇野常寛・中森明夫対談「危機の時代の批評」。「リトル・ピープルの時代」(幻冬舎)刊行を機に。明日校了。対談者お二人の許可を得て、いくつか発言をピックアップしていきます。中森さんは「今年の最重要の一冊」と評価する。

2011-08-29 13:32:33
明石健五 @kengoa1965

「中心的なテーマをひと言で言えば、世界的に68年から始まるひとつの時代が終わり、まったく新しい時代、新しい「政治と文学」の関係が支配する時代が訪れたということですね」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの発言より)

2011-08-29 13:34:40
明石健五 @kengoa1965

「たとえば「政から性へ」といった言葉で象徴されるような時代は、僕の感覚では21世紀に入った頃、具体的にはグローバル化とネットワーク化で完全に終わったんです。そのことを説得的に、しかも文化批評の言葉で書きたかった」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 13:37:23
明石健五 @kengoa1965

「村上春樹は、あくまでも68年的な問題意識の中にあって、21世紀的な世界に想像力が追い付いていない。象徴的なのが『1Q84』に登場する現代的な「悪」のイメージがいまだに新左翼やオウム真理教に依拠していることです」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 13:39:50
明石健五 @kengoa1965

「21世紀的な現実に批判力をもちえる想像力はどこにあるのか。それは現代日本のポップカルチャーであるというのが僕の回答です」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 13:40:49
明石健五 @kengoa1965

「仮面ライダーという非政治的な表象の方が、2001年以降の世界、村上春樹の言葉で言うと、ビック・ブラザーがいなくなり、リトル・ピープルだけが残った世界においては、逆説的に政治的なものにアクセスできるのではないか」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 13:43:27
明石健五 @kengoa1965

「僕もこの作品を素晴らしいと思うんですが、あえて色々問いただしてみたいと思います」(「読書人」8月26日号、中森明夫さんの言葉)。中森さんは、『リトル・ピープル』の時代を「今年の最重要な一冊」と評価しながらも、いくつか厳しい質問も宇野さんに向けた。あえて悪役を引き受けたのだと思う

2011-08-29 13:46:22
明石健五 @kengoa1965

「「大きな物語」以降の世界像のモデルをどうするのかという問題がずっとあるわけですよね。それがグローバル化の浸透とインターネットの登場で、ようやくはっきりと見えてきたのがこの10年だった(略)。それを文化批評の言葉で捉え直してみたかった。(「読書人」8月26日号宇野常寛さんの言葉)

2011-08-29 13:52:48
明石健五 @kengoa1965

「インターネットを集合無意識の比喩で語れば、それは当人たちだけが拡張していると錯覚するナルシシズム、いわばテクノナルシシズムの中に閉じこもってしまうことにならないか」(「読書人」8月26日号、中森明夫さんの言葉より)

2011-08-29 13:56:07
明石健五 @kengoa1965

「『リトル・ピープルの時代』が面白いのは、文芸評論の中で閉じて完結していないことだと思うんです。(略)一方で、賛否両論を呼ぶ点のひとつとしては、政治的な問題とリンクしていることだと思うんです」(「読書人」8月26日号、中森明夫さんの言葉より)

2011-08-29 13:58:45
明石健五 @kengoa1965

「この本自体、エルサレム賞を受賞した時の村上春樹の言葉、「壁」と「卵」の比喩の論考から始まっている。あの二項対立の比喩に、宇野さんは違和感を感じた」(「読書人」8月26日号、中森明夫さんの言葉より)

2011-08-29 14:00:01
明石健五 @kengoa1965

「あそこで「壁」と「卵」がはっきりと分かれると言いましたよね。片方では「もうビックブラザーの「出てくる幕はない」と言っておきながら、非常に古典的な壁のイメージに引きずられている」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 14:02:04
明石健五 @kengoa1965

「社会変革のイメージが革命モデルだと、もう駄目だと春樹も分かっているのだけど、なかなか具体的なビジョンが描けないわけです」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 14:04:34
明石健五 @kengoa1965

「革命モデルでやっているうちは、68年的な問題、新左翼的な問題を解除できない。男の自意識の問題と社会の構造の問題がイコールになってしまって、結局自分探しにしかならない」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 14:07:21
明石健五 @kengoa1965

「グローバルな資本主義的システムを、逆手に取るような形での社会変革のイメージを持ってもいいんじゃないか」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 14:08:20
明石健五 @kengoa1965

「『リトル・ピープルの時代』は、ひと言で言えば、見田社会学的なものを、徹底して文学として読むということなんです。宮台真司や大澤真幸のやってきたことを、徹底して文芸評論の言葉で読み直す」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 14:10:29
明石健五 @kengoa1965

「上野千鶴子からエッセイ的な知になり、文学の代行として機能したと言ったけれど、それを批評と言っていいわけですよね」(「読書人」8月26日号、中森明夫さんの言葉より)

2011-08-29 14:12:13
明石健五 @kengoa1965

「いわば宇野さんは批評の正当な子供だと思う。僕は江藤淳のことを考えました。江藤がこの本を読んだら、間違いなく、あとがきの一行に注目したでしょう」(「読書人」8月26日号、中森明夫さんの言葉より)

2011-08-29 14:13:42
明石健五 @kengoa1965

「(宇野さんは)小林秀雄直伝の啖呵を切っている」(「読書人」8月26日号中森明夫さんの言葉より)

2011-08-29 14:14:39
明石健五 @kengoa1965

「宇野さんの本は危ういし、間違っているかもしれない。だけど圧倒的な強度がある。このなりふり構わぬ批評の力」(「読書人」8月26日号、中森明夫さんの言葉より)

2011-08-29 14:16:03
明石健五 @kengoa1965

「今福島で起こっていることと、僕が書こうとしていることが、何か近い気がしたんです。それを言葉にしたかった」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 14:17:00
明石健五 @kengoa1965

「今福島で起こっていることと、僕が書こうとしていることが、何か近い気がしたんです。それを言葉にしたかった」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 14:17:00
明石健五 @kengoa1965

「福島の原発事故、放射能を、我々がうまくイメージできないことが、今の日本の文化空間を混乱させているような気がして、それを解決するヒントみたいなものが、この本で書こうとしていたことだった」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 14:18:45
明石健五 @kengoa1965

「僕らは、新左翼的なメンタリティを持っている上の世代からは修正主義的で、現状肯定的で、ネオリベ的だと言われている。でも今は、僕らこそが現状批判としての実行力を持っている」(「読書人」8月26日号、宇野常寛さんの言葉より)

2011-08-29 14:20:56
明石健五 @kengoa1965

「(宇野さんは)よき変化への認識を信じているから、批評をしているところがある。それが語り口に現われている」(「読書人」8月26日号、中森明夫さんの言葉より)

2011-08-29 14:22:11