デラルド・ウィン・スー『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』読書メモ集

デラルド・ウィン・スー『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション――人種、ジェンダー性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別』(マイクロアグレッション研究会訳、明石書店、2020)の読書メモをまとめました。
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荒木優太 @arishima_takeo

メタレベルでの解釈可能性まで取り締まっていくと、もはや権力者の発話はだいたいはMA的だといえると思うが(そして、人々はその道徳律に同意するのか問題)。 a.co/3rfdIvl pic.twitter.com/AWfTFLzuZ9

2021-12-18 20:30:16
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荒木優太 @arishima_takeo

日本の場合だとどうかね。どちらかというと逆な印象があるが。 a.co/1OWv3aI pic.twitter.com/F9aWIRIPNx

2021-12-18 20:38:51
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荒木優太 @arishima_takeo

文化祭や体育祭などの催しもの、生徒会や委員会活動などの学校の公的な仕事に関しては、おそらくは女子の方が積極度が高いという実感が多くの日本人にあるのでは。あれは日本固有の現象なんだろうか。或いは、男子のやる気のなさこそが特有なのか? 要注意。

2021-12-18 20:43:05
荒木優太 @arishima_takeo

超どうでもいいんですけど、Hidden messageって「秘伝メッセージ」みたいでいいですよね。

2021-12-18 21:08:30
荒木優太 @arishima_takeo

能力主義信仰という自己啓発は斥けるけど、セルフモニタリングという自己啓発は採用するというのが興味深いね。 pic.twitter.com/TdzSawiVaK

2021-12-19 10:14:28
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荒木優太 @arishima_takeo

うん、ここの「なければならない」の根拠をどこから調達しているのかってのが大きな論点ですよね。 a.co/3MaHJPl pic.twitter.com/63ny5cFEW4

2021-12-19 11:00:55
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荒木優太 @arishima_takeo

みんな犠牲者なんだからお互いに寛容であることが大事だよねベースの人にとっては、この「なければならない」は干渉的に感じるだろう。我慢するなって話なんだろうが、でもこの世界には我慢したい人、我慢が一つの徳だと認識している人もいる。彼らを説得できるかどうか。

2021-12-19 11:04:19
荒木優太 @arishima_takeo

でもそれをmaだって言われるんなら、インターセクシナリティとか成立しない気がするのだが。 a.co/ijuy1y2 pic.twitter.com/e0IxTlUMul

2021-12-24 13:08:20
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荒木優太 @arishima_takeo

「○○には人種だけじゃなくてジェンダーの問題があるよね」と発話したとき、人種提題者にとっては別のテーマで人種テーマを薄められたように感じるが、ジェンダー提題者にとっては総合的な見地で物事を考えようと提案しているにすぎない。そういうすれ違いももはやしょうがないことだと思うがどうか。

2021-12-24 13:18:21
荒木優太 @arishima_takeo

D・W・スー『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』読了。21世紀の精神分析というか、ある意味で非常に興味深かった。ところどころ説得力に欠く類例が混ざっていると感じたが、このような評言も、マイクロアグレッションに相当するのでかなり最強を誇れる。

2021-12-25 12:42:35
荒木優太 @arishima_takeo

これは精神分析の否認に相当する。つまり、分析の結果、「君は〇〇の奥さんに性的願望があるね」が出たとして、YESといえばもちろんあることになるし、NOといってもそれは欲望を隠すための否定でむしろYESと言ってるのに等しい…つまり、答えはもう分析的枠組みのなかで既に決まっているのだ。

2021-12-25 12:45:59
荒木優太 @arishima_takeo

著者は、なぜマジョリティは人種的・性差的コミュニケーションをはじめないのかと問うが(その答えはマジョリティの自覚が足りないから…となる)、正しいコミュニケーションが予め定められているのならば、それに参加してもしょうがないとマジョリティ主体からは感じられるということだろう。

2021-12-25 12:49:37
荒木優太 @arishima_takeo

これは中盤までの冗長さとも関連してて、人種に対してであれ、ジェンダーに対してであれ、maの構造や原因や解決法はかなり重複しているので、わざわざ読む必要あるか?という疑問を起こさせる。

2021-12-25 12:52:14
荒木優太 @arishima_takeo

私は、精神分析にしてもフェミニズムにしてもマルクス主義にしても、反論を寄せ付けない最強を誇れるタイプの理論には、ぬぐいがたい懐疑心があるのだが、とまれインテリ社会ではこれがベーシックな規範になっていくだろうから、とても参考になった。

2021-12-25 12:55:06
荒木優太 @arishima_takeo

そういうこととは別に、マジョリティであれマイノリティであれ、自分のなかにある社会的に未登録の不満感や不全感(いわゆるモヤモヤ)を言語化すること自体はもっと積極的にやられていいと思った。

2021-12-25 12:59:06
荒木優太 @arishima_takeo

そのなかには、「たしかに差別的感性や社会構造と地続きでよくない」といったものから、「他者が他者である限り、そりゃコミュニケーションのミスは不可避なのでは」といったものまで様々だろうが、その判定も言語化しないと分からないからね。

2021-12-25 12:59:22
荒木優太 @arishima_takeo

ただ、その上でいえば、そういう、差別かどうか微妙なモヤモヤってかつては文学が受け止めていた感情だろうな、という感慨も。文学の衰退は、機微ある感情の後始末を政治の過剰労働にアウトソースしてしまった。そのひずみはどこかで破裂しとうな気もするが。

2021-12-25 13:04:49