掛け算順序についてのメモ 1

後で文献やリンク先を読むための個人的メモ
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黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#超算数 「量の理論」は危険物扱いが妥当で、安易に肯定的に評価して世に広めたりしてはいけない。

2022-01-08 08:29:00
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 n-form dx_1⋀…⋀dx_nと測度 |dx_1⋀…⋀dx_n| の区別については以下のリンク先スレッドを参照。 その区別は本質的にGL_n(ℝ)の1次元表現としての違いの話になっています。 ℝ上の1-form dx とLebesgue測度 |dx| の区別の場合が最も易しい場合です。 twitter.com/genkuroki/stat…

2022-01-08 08:37:05
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 続き |dx∧dy| = |x_u y_v - x_v y_u| |du∧dv| も知っていると、微分形式の dx∧dy と測度の |dx∧dy| の区別も明瞭になります。座標変換のされ方が違う。 大学1年で習う多重積分の積分変数の変換の話の直接的な続きになるべき話題。

2021-01-28 12:39:45
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 f(x) dx 全体の次元(「単位」の意味での次元)がUで、dxが長さの次元Lを持つとき、f(x)の次元はU/Lになります。 同様に、g(x)|dx| 全体の次元がUのとき、g(x)の次元はU/Lになる。 しかし、1-form f(x) dxと測度 g(x) |dx| は異なります。 その辺の区別は単なる次元解析では不可能。

2022-01-08 08:45:44
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 H. Weyl 『空間・時間・物質』は現代的には多様体論の言葉で次元解析では不可能な区別も可能な定式化の方法について説明している有名な本だとみなせます。 だから、次元解析の発展形について語っている人が、H. Weyl 『空間・時間・物質』を引用していない場合は色々要注意だと思います。

2022-01-08 08:49:52
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 多様体は座標系を貼り合わせたものとみなせ、多様体上の場は異なる座標系上での値の貼り合わせ方によって定義されます。 場の貼り合わせのルールが座標変換のJacobi行列の線形表現で書けている場合には、本質的にGl_n(ℝ)の表現によって貼り合わせのルールが決められていることになります。続く

2022-01-08 09:00:14
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 例えば2次元の多様体の場合に、座標系(x,y)における2-form dx⋀dy と座標系(u,v)における2-form du⋀dv はJacobi行列 J = [ ∂x/∂u ∂x/∂v ] [ ∂y/∂u ∂xy/∂v ] の行列式倍で貼り合わさっている: dx⋀dy = det(J) du⋀dv. det : GL_2(ℝ) → GL_1(ℝ)はGL_2(ℝ)の1次元表現。

2022-01-08 09:06:05
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 座標系(x,y)におけるLebesgue測度|dx⋀dy|と座標系(u,v)におけるLebesgue測度|du⋀dv|は、Jacobi行列の行列式の絶対値倍で貼り合わさっている: |dx⋀dy| = abs(det(J)) |du⋀dv|. abs⚪︎det : GL_2(ℝ) → GL_1(ℝ) は det とは異なるGL_2(ℝ)の1次元表現になっています。

2022-01-08 09:10:06
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 もっと一般のややこしい場合も同様に GL_n(ℝ) の表現の違いとして区別が可能になります。 実際には、貼り合わせは線形とは限らないことへの注意も必要です。例えば、接続(connection)。接続はゲージ理論の主対象でもあります。

2022-01-08 09:15:35
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 しかし、Weylさんの本の異なる座標系上の値の貼り合わせで全部理解できます。(もちろん最初から座標不変な定式化も可能。) この辺はずっと前から数学的によく整備されているところです。 単純な次元解析だけで区別できないものを区別したければ、昔からある数学を勉強してくださいと言いたい。

2022-01-08 09:15:37
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#超算数 「量の理論」のような危険物に触れなくても、遠山啓さんが権威付けのために持ち出したWeylさんの有名な本がとても良い本で、Weylさんの本やその後の多様体及びその上の各種の場の定式化の整理に従えば、単純な次元解析を超えることが既存の数学で普通にできるという仕組みになっています。

2022-01-08 09:18:55
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 自明な訂正 ❌J =  [ ∂x/∂u ∂x/∂v ]  [ ∂y/∂u ∂xy/∂v ] ⭕️J =  [ ∂x/∂u ∂x/∂v ]  [ ∂y/∂u ∂y/∂v ] この手の誤植はどうしてもなくならない。 twitter.com/genkuroki/stat…

2022-01-08 09:36:40
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#超算数 引用 【量の計算を見直す このスキャン・ファイルは谷村省吾教授(~)から送って頂いた。心から感謝する。】 私は、遠山啓さんよりずっと前からあるWeylさんの本やその後整備された多様体上の場の定式化を参照しておかないと、おかしなことになると思う。 math.oshirase.com/%E9%87%8F%E3%8… pic.twitter.com/IvyEraCY5y

2022-01-08 09:41:56
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黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#超算数 谷村省吾さんがスキャンファイルを送ってくれて心から感謝している小島順さんがかけ算順序固定強制指導問題にどのようにコメントしているかについては、以下のリンク先スレッドを参照。 本当に頭痛がして来そうな話題だと思います。 twitter.com/ookubotact/sta…

2022-01-08 09:51:20
OokuboTact 中二病中年・大久保 @OokuboTact

(続き) 小島順氏の「掛け順」についての論考は、メタメタさん(高橋誠氏)の本を意識して書いたそうだ。 しかし小学校関係者向けの文章とは思えない。 主張も鵺のような印象 > バランスのとれた思考が要求される。 > 世の中では、勇ましく粗暴な議論が溢れているが。 #超算数 pic.twitter.com/mTU777N4Ws

2020-06-18 17:25:24
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@santohei #超算数 【超算数での掛け算順序論は、1950年台の遠山啓氏の提唱した教育モデルから派生】というのは誤解です。私が数え切れないくらい繰り返し紹介しているように、かけ算順序固定強制指導には100年以上の伝統があります。遠山啓氏の「量の理論」用語を使ったバージョンはその流れの一部分。 twitter.com/genkuroki/stat…

2022-01-08 10:01:17
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#超算数 1911年の文献 dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid… からの引用(添付画像)を見れば分かるように、100年以上前からかけ算順序固定強制指導は「算数が苦手な子のための教育的便宜」ではなく、「子供のよくやる誤り(本当は正しい)をただす教え方」です。 twitter.com/genkuroki/stat… pic.twitter.com/PeSdaRrU2A

2022-01-03 06:31:06
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#超算数 子供の親にとって、算数教育の伝統が支えている有害な教え方はものすごくリアルな問題です。 遠山啓氏の「量の理論」の数学関係者や物理関係者への普及は、その問題の解決に数学者や物理学者の力を利用しようとするときの主要な障碍になっているのです。 本当に頭の痛い問題だと思います。

2022-01-08 10:07:25
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#超算数 誤解しないように注意:かけ算順序固定強制指導には、遠山啓さんの「量の理論」用語を使ったバージョンよりもずっと前からあります。100年以上の歴史がある。 twitter.com/genkuroki/stat…

2022-01-08 10:17:42
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@haku124i @StormAlpha_ef24 #超算数 学習指導要領と異なる文書(内容的に酷い悪名高い文科省の単なる著作物(拘束力はない)に過ぎない文書)を引用して、告示である学習指導要領を引用しているふりをすることは、デマを広める悪質な行為なのでやめた方がよいです。 twitter.com/haku124i/statu…

2022-01-08 11:42:04
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 n=2の場合の座標変換のJacobi行列式を J = [ ∂x/∂u ∂x/∂v ] [ ∂y/∂u ∂y/∂v ] 書くときの2-formの変換則 dx⋀dy = det(J) du⋀dv と測度の変換則 |dx⋀dy| = abs(det(J))|du⋀dv| の違いの話は既出のWeylさんの本に書いてあるとみなせます。添付画像のページには後者の説明がある。 pic.twitter.com/xoxzFurqPv

2022-01-08 13:52:29
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黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 2-form f(x,y)dx⋀dyを積分するときに「向き」が必要になりますが、測度 g(x,y)|dx⋀dy|であれば「向き」無しで積分できます。 Weylさんの本では密度場の定義として後者の測度の方を採用しているわけです。 しつこいですが、Weylさんの本の1922年の英語版に書いてある。

2022-01-08 13:56:48
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 Weylさんの本の英語版は1922年の本なので、その後の抽象的一般論をきれいに展開する技術は取り入れられていないのですが、その部分は現代の数学科では多様体論として普通に教えられている内容なので、答えを知っていれば大した話ではないです。

2022-01-08 13:58:48
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 dx⋀dy と |dx⋀dy| の違いは det(J) と abs(det(J)) の違い abs(det(J))/det(J) = sign(det(J)) = ±1 で、 |dx⋀dy|/(dx⋀dy) = sign(det(J)) |du⋀dv|/(du⋀dv) によって、|dx⋀dy|/(dx⋀dy)の変換則も自然に定まります。 こういうことも「特別な何か」抜きに易しく理解できます。

2022-01-08 14:10:12
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 以上のようなWeylさんの本(英語版は1922年)の密度場(測度)の定式化は言うまでもなく、遠山啓さんの「量の理論」やその影響を受けた小島順さんよりも数十年間先行しているわけです。 ところが、以上のクリアな話が小島順さんの1977年の説明を見ると、微妙にクリアでなくなってしまうのです。

2022-01-08 14:14:16
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 添付画像は math.oshirase.com/%E9%87%8F%E3%8…math.oshirase.com/wp-content/upl… 5. 量の分類 小島順「数学セミナー」誌連載 1977年12月号 より。 そこでは、2つの向きからなる2点集合 Or X⃗ を経由して、同値関係で割るという汚い処理をしてある。続く pic.twitter.com/KOs8mk5WGQ

2022-01-08 14:18:50
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黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 以上で紹介したWeylさんの定式化の書き直しの場合では、Or X⃗を使っている部分は |dx⋀dy|/(dx⋀dy) を使った部分に対応しています。 そして、その変換則がsign(det(J))=±1倍になることが、Or X⃗が2点集合になることに対応していると思える。

2022-01-08 14:22:32
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#数楽 2-form dx⋀dy に |dx⋀dy|/(dx⋀dy) をかけると、測度 |dx⋀dy| になるという話は、小島順さんのやり方だと、2点集合 Or X⃗ との直積を同値関係で割る話になってしまっています。 Weylさん的説明と小島順さんの説明のどちらが分かりやすいと思いますか? Weylさんの方が分かりやすくないか?

2022-01-08 14:26:41