【この世の幸福】福間健二 #k2fact318

福間健二 @acasaazul

聴いておきたい音楽、そこそこに、いつか歩きたいと思ってきた道路に出ると一昨日の雪が残っている。一センチの予想。結果はちがった。国立でも国分寺でもないということは、お金があると言われる府中だ。いまも、だれか死んでないか。用事のありそうな顔をして歩いた。（この世の幸福１）#k2fact318

福間健二 @acasaazul

用事はないけど、会いたかったから。必要かどうかわからないが、欲しくなったから。分裂して。高い塔を遠くに見ながら、ルーマニアのドイナがまだ鳴っている。よろこび、かなしみ、エレベーター。知らないことが多すぎる。書きたいと思ってきた物語、たぶん書けない。（この世の幸福２）#k2fact318

福間健二 @acasaazul

感染の危険はどこにでもあるが、頭のなかで追う物語と旋律のじゃまはしない。ソードラミーとはじまるセレナード、このへんでも作った人がいる。古典的な、失敗覚悟の大きな手で、上からの監視の目をふさぎながら。府中にある塔、エレベーターの実験塔だけではない。（この世の幸福３）#k2fact318

福間健二 @acasaazul

黒いコートやジャンパーの人たち、マスクも黒だったりして、おなじ黒でも折れた枝の言い分とはすれちがう。争いをひとつ逃れた階段で思い出す用事、ちがうルートならどうだったか。理想を言おう。一月、明るい色がもっと必要だ。音楽のあとは愛しい存在の静かな息。（この世の幸福４）#k2fact318

福間健二 @acasaazul

これからごちそうを食べに行くという人たち。笑顔でも、目に元気がない人がいる。景色や風より数に条件をつけられ、通るトラックが運ぶものは気にしないが、まだ待つべきなのか。いまだかつて起こらない出来事。武蔵台二丁目、何人かは掲示板のアフガニスタンを意識する。（この世の幸福５）#k2fact318

福間健二 @acasaazul

多摩川の方のアスファルト製造工場で二人の作業員がミキサーに巻き込まれて亡くなった。刑務所の長い塀沿いの道で会った人に聞いた。会いそびれていた人。生きていた。府中街道に出て北府中駅まで一緒に。久しぶりの電車だと彼は言った。ポルトガルのお菓子、ありがとう。（この世の幸福６）#k2fact318

福間健二 @acasaazul

何をしたいのか。毎日思うし、ノートにも書くけど、思って書くだけ。七十歳の彼は笑った。楽しみはある。大きな谷と小さな島。見るだけです。でも、生きていて、電車に乗って、だれかに会いに行く。京都で知ったポルトガルのお菓子、自分で工夫して作ってぼくにもくれた。（この世の幸福７）#k2fact318

福間健二 @acasaazul

一般論で、これでいい、のではなく、自分として、これでいい、になるまでの、雲の変化。見るだけです。あるいは動物の物語。呼べば出てくる、呼ばなくても待ち伏せしている牛たち、正直だ。妙に過去を思い出す自分が、過敏な器官が、怖い。新年、笑顔の虎を何枚も描いた。（この世の幸福８）#k2fact318

福間健二 @acasaazul

書き方、いつもわからなくなるが、引っかいたようなキズが動いて閃くだけの闇の始末が先だ。短絡でも、寒い平面は破れる。マルジナリア書店のある分倍河原から南武線で立川に行き、『クライ・マッチョ』見て三日月書店のある国立の酒場でホッピーと三点盛りという幸福に。（この世の幸福９）#k2fact318

福間健二 @acasaazul

ホッピーと三点盛り。 １月15日午後9時すぎ、国立の酒場FUKUSUKEで。 pic.twitter.com/hGONdqKPqm

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その日、やっとのことで開いた箱。入れる音楽、用意していたのにためらった。その日も散歩は府中の武蔵台公園。示された順路でのぼりおりして、自分の体、自分の息を感じた。生きている。参加している。メールが届く。体調は戻りました。そこから始まるメール。よかった。（この世の幸福10）#k2fact318