ヤマダノススメ

読者の鉄人・お玉さんが、最愛の作家である山田正紀作品をなるべく書籍刊行順にゆるゆる読んでいく──そんな読書企画のまとめです。
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お玉と毒でんぱ @ottama709

本日の夜くらいにかな。読書感想を投下出来そうよ。ナオ クオリティ ハ ヒクイ

2022-10-02 12:56:26
お玉と毒でんぱ @ottama709

さて、世界を獲ったドラゴンロケット「ヤマダノススメ」でございます。 今回は第16回『竜の眠る浜辺』ですね。この作品、何気に色々な出版社から出てるんですよ。収録回数、もしかして最多??(写真は冒険小説アンソロジー・冒険の森への第8巻です。この巻、他作品の内容もメッチャ良いのですよね♫) pic.twitter.com/KxlXoZSKTn

2022-10-03 01:41:39
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お玉と毒でんぱ @ottama709

前々作『50億ドルの遺産』では冒険小説という形式で青春小説を描いた。 前作『チョウたちの時間』ではハードSFという形式でやっぱり青春小説を描いた。 でもって、『竜の眠る浜辺』 町が丸ごと白亜紀へタイムスリップというクライシス小説なはずなのに、完全なまでに完全な青春小説が展開されてるわ

2022-10-03 01:42:13
お玉と毒でんぱ @ottama709

自分語りなのだが、この『竜の眠る浜辺』、私の山田正紀読書歴の中では、かなり最初期に読んでいるんよね。筒井康隆のエッセイ(多分、全集の『大いなる助走』の巻に併録されていたはず)で今作品への言及があって、そこで褒められていたのがきっかけね。

2022-10-03 01:43:30
お玉と毒でんぱ @ottama709

今となっては筒井康隆への熱はかなり低くなっており、日本SF第一世代の中では再読優先度が一番低かったりするわけだが、やっぱり学生さんの頃とかは大いにハマったものなんよね。私、大学の卒論は大江健三郎でやったんだけど、大江を読むキッカケってのも筒井康隆の紹介エッセイからだったもんなぁ。

2022-10-03 01:43:30
お玉と毒でんぱ @ottama709

まぁ、かなり最初期に『竜の眠る浜辺』、爽やかすぎる白山田作品に触れちゃったため、その後に他の著作群を読み進めていくと、黒青春というモノに対して後悔や鬱屈など抱いきまくった連中ばっかり登場する黒山田作品がバンバン出てくるわけで、、、というかほぼ全てが黒山田で、大いに戸惑ったものです

2022-10-03 01:44:05
お玉と毒でんぱ @ottama709

で、久方ぶりに読み返した『竜の眠る浜辺』であるが、コレかなりページ数短めの長編作品なんだけど、そのページ数を一気に疾走するドライブ感がハンパなく、アッという間に読み終えてしまったのよね。 冒険クライシス的なドキハラや、タイムスリップの秘密の秘密とか、そういうのが全く無いんだもの

2022-10-03 01:44:20
お玉と毒でんぱ @ottama709

つまるところ、 ティラノザウルスやプテラノドンがうろつく恐竜時代へタイムスリップ! この概要から浮かぶであろうストーリー展開が、本当に全く採用されてないのが『竜の眠る浜辺』という物語なのね。 クライシスな状況下において、登場人物たちが前向きに目覚めていく、そういうお話なのよ。

2022-10-03 01:44:21
お玉と毒でんぱ @ottama709

プロローグの町の説明にかなりの辛味とまどろっこしさがあり、ここが一番のハードルだったりするのだが……。まあ、このつまづき部分さえ乗り越えてしまえば、後は思いっきり近距離で登場人物にフォーカスが当たるので、もう一気読みだ。コミカルな体裁だが、深刻な悩みと葛藤が手際良く捌かれていく

2022-10-03 01:44:47
お玉と毒でんぱ @ottama709

白亜紀にタイムスリップしたことにより様々なドタバタ劇が巻き起こり、状況の変化が登場人物たちの内面に化学変化を起こす。登場人物たちはそれぞれに新しい価値観を見い出し、おのおのが人生に対しポジティブで前向きな姿勢で歩み始めることとなるの

2022-10-03 01:44:47
お玉と毒でんぱ @ottama709

『竜の眠る浜辺』は青春小説と述べた。そして、今作品での青春は、決して若者だけの特権として取り扱われていない。 心が若さを忘れなければ、いつだって青春を取り戻せる。 そんな考えようによっては小っ恥ずかしい内容を、爽やかに、けど生真面目に、コミカルに、けど茶化すことなく、肯定的に描く

2022-10-03 01:45:14
お玉と毒でんぱ @ottama709

昔は、女をゲットする現代ではうだつが上がらなかったあの青年にシンパシーを感じたモノだったが、今回の再読ではもうクソジジイにドキドキ♡ 読者のヘイトを集めそうな悪いクソジジイ(といっても小悪党なのだが)、タイムスリップによってショボくれるわけだが、また決意するシーンが胸熱なのよ

2022-10-03 01:45:14
お玉と毒でんぱ @ottama709

(全然目立ってなかった登場人物の起用法がめちゃくちゃ上手いんだよねクソジジイエピソード。 あと、悪い事への決意に対しても前向きに扱ってたり、クソジジイのクソな言動や行動でも爽やかな青春小説が構成出来てるってのが、『竜の眠る浜辺』の深味になってるんじゃないかなあ)

2022-10-03 01:45:15
お玉と毒でんぱ @ottama709

恐竜とのデスバトル! オレたちは生き延びられるか? 現状の不安が疑心暗鬼を起こし、人々の間に不和を生む! そんな要素は全くありません。 自分の人生を生きる前向きな選択がキチッと出来れば、恐竜時代なんて脅威じゃない。そんなお話ですわ『竜の眠る浜辺』(というか、恐竜ほとんど出てこない)

2022-10-03 01:45:30
お玉と毒でんぱ @ottama709

やっぱり白山田なんだよなぁ『竜の眠る浜辺』 けど、いつもの山田正紀から極端には逸れてない。青春に対して思うところや拗らせてるところを存分に抱いてる作家さんだからこそ、理想の青春というものが描き出せてるのかしら? 黒山田な部分が発生してしまう前にパシッと終わらせる潔さが、イイよね

2022-10-03 01:46:45
お玉と毒でんぱ @ottama709

というわけで、『竜の眠る浜辺』でした。 あっ、今回用いたアンソロジー冒険の森へ、解説が大森望と清水義範なんですよね。アンソロジー解説なので短く端的にまとめてるんですが、割と近い事を語っているのに、語り口の違いが印象の違いになってるんですよね。清水義範の口語感想には、憧れるなぁ〜

2022-10-03 01:47:31
お玉と毒でんぱ @ottama709

次回の『宝石泥棒』……、はちょっと先になっちゃうかもだなぁ。来年? とりあえず、先に言うとかなアカンのはね「ハルキ文庫版の『宝石泥棒』は、何故かやおろず生体図がハブられてるので、、、買うな!」 左・ハルキ文庫(新装版) 右・角川文庫 pic.twitter.com/wui19UV6Ql

2022-10-03 01:49:10
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