さて、山田正紀作品をなるべく書籍刊行順にゆるゆる読んでいく読書企画「ヤマダノススメ」でございます。 今回は記念すべきその第一回。皆様が大好きな『神狩り』でありますよ。 『神狩り』! 1975年刊行の書籍デビュー作品! 伝説は此処から始まった! (写真はハヤカワ文庫版) pic.twitter.com/yPiDzRSkfk
2022-01-20 00:56:30「ヤマダノススメ」を開始するに当たって、刊行のリストを作成したわけで、2022年1月現在での山田正紀の書籍刊行タイトルっておそらく181タイトルみたいなのね。(ソフトカバー版『僧正の積木唄』巻末リストを大いに参照。上下巻で同じ発売日で刊行されてる場合は1タイトル扱いという法則での作成ね) pic.twitter.com/3MgwJGbHBp
2022-01-20 00:59:23で、30年来の山田正紀ファンなので、このうちの8割5分くらいは読んではいるわけなんだけど、、、初読の一回きりで一度も再読していない作品も7割強あるというのも現状なのよね。恥ずかしい、、、。 内容が記憶の彼方の作品も、、、結構あるのよん、、、。 pic.twitter.com/tTkndjwLT7
2022-01-20 00:59:25そして、みんなが大好きであろう『神狩り』 みんなが何度も読み返しているであろう『神狩り』 ……お恥ずかしいが、初回一度きりしか読んでなかった作品のひとつだったのね。昨年末の再読したけど、実に29年ぶりだ(『神狩り2 リッパー』刊行前にも手を取ることがなかったのは、今考えると謎なんよ)
2022-01-20 01:01:27なので、十三重に入り組む関係代名詞な古代文字と連想コンピューター、『神狩り』に関しては、まあ、それくらいの記憶しか残ってなかったのね。 言ってしまえば、ほぼほぼ初見。 一番好きな作家は山田正紀! とこれまで何度も呟いてきた人間なのに、令和に『神狩り』を新鮮に読み、堪能したのだわ
2022-01-20 01:02:09山田正紀経験値が結構高いからこそ抱く感想。「山田正紀って、デビュー作から山田正紀濃度が高かったんだ Σ(゚д゚lll)」 青春(人生)に満たされないものをかかえた主人公。 主人公の前に立ちはだかるあまりにも大きく強い存在。 クセが強すぎる脇役。 脅威の伏線芸。 特異で独特なガジェット。
2022-01-20 01:02:52ハードボイルドミステリが好きな読者が好きそうなヒロイン像。 本格ミステリが好きな読者が好きなアイディアの転がし方。 敵対心の裏側にある対象への愛着。 覚悟と選択! 一見ぶった斬りっぽいのに、時間を置いて考えると完全ベストなものとしか捉えようのない、しっくり来るラスト。
2022-01-20 01:02:52インスパイア元が何なのか? それが容易に想像可能で、しっかりと作品内からリスペクトを拾うことが出来るのに、先行作品が持っている影響力を軽々と振り切り、独自のベクトル(オリジナリティ)で突き進んでくストーリーライン。それも『神狩り』の時点からすでに機能しているのは、素直に凄いよなぁ
2022-01-20 01:02:53トンデモない言語能力から神の強大さを推察出来るのに、人間を困らせ楽しむ描写から、精神に幼さを残しているかのような印象を受ける。 ならばこそ、神と戦うという行為に絶望以外の感情を見出せる。 連想コンピューターという人間の生み出した技術が、神へとアプローチする手段もあるのだ
2022-01-20 01:03:17『神狩り』は神に振り回され、それ以上に、人に振り回されるお話なんだと自分は思ったよ。 連想コンピューターを巡るマウントの取り合い、神という存在に対しての人や組織のイニシアチブの奪い合い。自分が一番印象的だったのは、コンピューターを使用するために主人公がとったあの手段だ。
2022-01-20 01:03:29『神狩り』に君臨する神は、確かに存在しているのに、その性質は何とでも想像可能な凄く曖昧な描かれ方をしている。 対して、神に相対する人間は個性的でキャラがたっている。神に翻弄され、だからこそ神に対して抱く覚悟や決意から不自然さが消えていく。
2022-01-20 01:04:37冷静に考えると「神と戦う必要性なんて全く無いんよね」今作。神狩りなんかせずに、みかん狩りとかしたほうが20世紀を生きる大勢の人間としては圧倒的に正しいの。 けど、今作を読み終わった後に抱いた自分の感想は「神は狩らなきゃいけねえ!」 登場人物の感情が狂おしい程、伝わってくるんだ
2022-01-20 01:04:38お話がとんとん拍子で進行していくので、その後の山田正紀作品を読み漁った、まさに「山狩り」をした人間には、ボリューム面で多少物足りないものがあったりするんだけど、、、もし山田作品未経験の人にオススメするとしたら、やっぱりいの一番の候補に挙げるべき一作だったりするんよね『神狩り』
2022-01-20 01:05:03というわけで、とてもユニークな読書企画「ヤマダノススメ」第一回『神狩り』でございました。 次回の『弥勒戦争』は二、三日中に投下しようと思ってますが181タイトル。全くラストの見えないマラソンですね。不定期でゆるゆる呟いていく予定です。「アキカツ」「ゆる金△」と並んでよろしくですです
2022-01-20 01:05:27さて、山田正紀の小説を刊行順にゆるゆる読んでいく「ヤマダノススメ」、その第二回となりますよ。本日の課題作は『弥勒戦争』 『弥勒戦争』! 刊行1975年。『神狩り』で感じた才能の片鱗はまさにホンマモンだった!(写真はハルキ文庫の新装版ですね。で、この女子、誰?) pic.twitter.com/68Zvf9AOyz
2022-01-23 01:24:38先日「実は『神狩り』、一回しか読んだことなかったんだ」と恥の告白をした。 そうなると出て来るのは、逆に一番読み返してる山田正紀作品は? という設問だ。 常日頃から一番好きな山田正紀は『謀殺のチェス・ゲーム』と公言してるわけだが、再読回数となると別となる。 そう。 『弥勒戦争』なのだ。
2022-01-23 01:25:12日々を過ごす中、山田正紀成分が足りなくなることはしばしばある。そんな間隙に陥ったときお世話になるのが『ジャグラー』であり『七面鳥危機一発』であり『風水火那子の冒険』であり、『弥勒戦争』だった。 内容は強烈に密ながら、ドライブ感は軽快。そんな作品群である。
2022-01-23 01:26:03そう。『弥勒戦争』のテンポの良さは驚愕だ。 少しネタバレだが、 敵のアジトを襲撃しての中ボスとの対決! からの、別箇所での別の中ボスとの決戦! が約30ページで処理されている。 ラスボスとの戦いなど4ページで終わる! だのに、内容はハチャメチャに濃く、深い。
2022-01-23 01:26:27『弥勒戦争』のラスト40ページ、此処は幾度読み返したか分からないくらい巡回してるわけだが、今回もまた過呼吸状態になった。 正義と正義の対立がある。 正義を遂行するための悪行がある。 超弩級のホワイダニットがある。 歴史の謎とのリンクがある。 この40ページの圧倒的な密度には毎回完敗する
2022-01-23 01:26:57