【ある冒険者の会話】

サザンクロス @Mizuho_K

【ある冒険者の会話22】 「出番だ、任せたよ！」 「良かろう……刮目せよ！ 我が白銀は世界に蝕む闇を払い、我が白刃は未来への軌跡を照らす！ 今こそ輝け銀の剣！ レイディアントシルバーソード！」 「おー明るい」 「それ本当に光るだけなんですか？」 「らしいよ。松明いらずでありがたいね」

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【ある冒険者の会話23】 「直々に魔物退治の依頼とはね……相手は？」 「狼系の魔獣一体――を引き連れた魔人が一体」 「ここの支払いよろしく」 「そう言わずにさあ！ 頼むよ！」 「思いっきり厄介事じゃねえか他当たってくれ！」 「ところでここに海鮮料理食べ放題券が」 「まあ俺に任せておけ」

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【ある冒険者の会話24】 「解析結果が出ました。知的生命体の存在を確認」 「オウルアイの捉えた映像を回します。外見は我々と大差ない模様」 「独自の文明が確立されているようです。シップマスター、どうしますか？」 「条約に抵触する可能性は高い。衛星を２機、軌道に残して離脱する」 「了解」

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【ある冒険者の会話25】 「最近、視線を感じるんだよな」 「おうおう、また美形自慢でも始める気か？」 「いやそれは事実だから置いといて、なんか空から見られてるというか」 「あんたそりゃ神様だよ。子供の頃から言われてただろ？ いつも神様が見てるから悪いことは駄目だって」 「神様か……」

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【ある冒険者の会話26】 「宿に着いたら、防具を手入れに出そうぜ」 「俺はいい、自分でやる。命に関わるものだから、他人に触らせられない」 「そんなもんか？ だからこそ専門家に任せているな、僕は」 「個人の自由にすればいい」 「しかも綺麗に洗ってくれるからな」 「……それは勝てないな」

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【ある冒険者の会話27】 「新しい油の匂い。最近仕掛けられた罠です」 「わざわざ罠を？ どうして？」 「さて……同業者を蹴落とすためかもしれません」 「性格悪いなあ、まったく」 「もっとも、現代の技術で作られたなら私は解除できます。実に稚拙ですよ」 「昔の罠は理屈なんてないもんね」

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【ある冒険者の会話28】 「馬はいいよ。人が乗ってもいい、荷運びに使ってもいい、いざとなれば食料にもなる」 「とは言うけれど、実際に食べた話はあまり聞かないよ」 「やっぱり、長く一緒に居ると愛着が湧いてしまうからだろうねえ」 「老馬の肉は不味いからじゃないの」 「身も蓋もない」

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【ある冒険者の会話29】 「この時期は脂肪が多いな。しっかりと切り分けておけ、揚げ物に使うからな」 「ええー、一緒に焼いて食べようよ美味しいよ？」 「ほう、川魚を使ったパイの包み揚げを作ろうと思っていたのだが」 「やるねえ……僕の好物を盾にするとはね……」 「理解したなら手を動かせ」

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【ある冒険者の会話30】 「そんなにナイフを並べて、刃物屋でも開く気か？」 「手入れだよ。いざというときに使えなかったら笑えないからね」 「大体そんな沢山の数が必要かね」 「対人、不死生物、魔法生物、スライム、鉱物、植物……まあ、君が料理用に刃物を揃えてるのと一緒だよ」 「納得した」

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【ある冒険者の会話31】 「お察しのとおり、ここじゃ雨なんて一度も降ったことがないよ」 「どうしてそんなところを支所にしたんだ？」 「空気が乾燥していたほうが、書物や設備には都合がいいんでね」 「足を運ぶには面倒だがな」 「まあね。でも案外、住んでみると良いところだよ」

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【ある冒険者の会話32】 「今回の獲物は水晶竜なんでしょ？ やっつけたら、肉食べてみたいな！ どんな味がするんだろうなあ」 「……ははあ、もしかしてお前、スケルトンの肉とかリビングアーマーの肉とか、食べたいと思ったことあるだろ」 「当たり！ 今まで一度も見たことないんだよねえ」

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【ある冒険者の会話33】 「この辺りは行方不明者が多く出ているからな、気を付けろよ」 「行方不明……死人、じゃないんだ」 「死体が確認できなきゃ行方不明扱いなんだよ。どれだけ時間が経ってもな」 「生きてるってことにしたいのかな」 「そうかもな」 「生きてるといいね」 「そうだな」

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【ある冒険者の会話34】 「本当に見たんだよ！」 「本物のニンジャだったら、お前なんかに見つかるわけないだろ？」 「あ、ほらあれ！」 「うわああ！ 死ぬ！ 殺される！」 「人形ひとつでこの騒ぎか……」 「間の抜けた奴らだ。ニンジャなんて居るわけないのにな」 「全くだ。ん、何か物音が」

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【ある冒険者の会話35】 「どうも屋根の下は落ち着かなくてね……俺は外で寝るわ」 「ああ、君もか。だが心配しなくていいよ」 ―― 「宿に仕立て上げられた洞窟だ」 「こんなものがあるのか」 「個室はあるけど家具も寝具もない。火や食料の用意は自分で。水も地下水脈から汲むんだ」 「完璧だな！」

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【ある冒険者の会話36】 「準備が整いました」 「うむ。皆、自らの意思によるものであろうな」 「間違いありません」 「では頂くとしようか。娘たちの血を……」 ―― 「概ね健康状態に問題なし。２番と７番は過労、１４番は少々栄養不足の疑いがある」 「いつもご協力いただき感謝します、伯爵」

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【ある冒険者の会話37】 「いやぁごめんごめん、ちょっと困ってる人を助けてたら遅れてさ。寝坊したわけじゃないぞ？」 「お前の嘘は判りやすいんだよ」 ―― 『いやぁごめんごめん、この対邪精特別攻撃型魔導歩兵は一人乗りなんだ。君は乗せられないね』 「お前の嘘は判りやすいんだよ……！」

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【ある冒険者の会話38】 「うええ気持ち悪い」 「こんな瘴気が濃いのに、あんたは余裕そうだな……」 「学者さんが言うには、故郷の川に薄い毒が混ざっていたらしくて、体に抵抗力ができた……らしいんですよね。あはは」 「ほほぉ……」 ―― 「ぐええ気持ち悪い」 「腐ったもん食っても慣れねえよ！」

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【ある冒険者の会話39】 「休息のために入った洞窟や廃墟の建物が、実は巨大な生物や石人形の体内だった……という話は少なからずあるものでね」 「それを今言うかなあ。ここは大丈夫だよね？」 「確認はしてあるさ。これでも探知できない高度な擬態だったら、誰であろうとお手上げだとも」

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【ある冒険者の会話40】 「世の中には知らなくてもいいことがあるんだよ」 「なんで？ 知らないよりは知っていたほうが、いざというとき有利じゃない？」 「君の好きなその飲み物、刺激を加えるために生のスライムを混ぜてる」 「え！ 嘘でしょ！」 「……なんて具合にね。例えだけど」 「本当に!?」

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【ある冒険者の会話41】 「これは有毒、これは薬になる、これは毒にも薬にもならないが味がいい」 「どれも同じに見えますが……」 「そうだ。これはすべて同じ植物で、成長段階により性質が変わる」 「どうやって見分ければいいんですか！」 「専門家でなければ無理だ。手を出さないほうがいいな」

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【ある冒険者の会話42】 「この書物に載ってる『星降る魔杖』、綺麗だと思わない？」 「なになに、一振りすれば辺りに星が降り注ぐ……へぇ、面白そう」 「きっと夜中に使えばキラキラした凄い光景が見られると思うよ！」 「光る雪みたいな感じかな？」 「次に狙うお宝はこの杖にしよう！」 「いいね」

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【ある冒険者の会話43】 「俺は炎使い！ 邪魔者は焼き尽くす！」 「私は氷使い。永遠の沈黙を与えましょう」 「ぼ、僕は雷使い……です」 「雷くんさぁ……君だけ釣り合ってなくない？」 「自然に干渉し天候操作、明らかに我々より格上ですよね」 「え、えっと」 「「つまり君が隊長！」」 「えー！」

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【ある冒険者の会話44】 「ここから東に行くと……『殺人が合法』な国、か」 「どうする？ 『国に入りては法に従え』でしょ？」 「襲うのも興味ないし、襲われるのも面倒だからな。遠慮しておこう」 「国として成り立ってるくらいだし、案外平和だったりして」 「移住は犯罪者になったら考えてみるよ」