もう語り尽くされてると思うけど、進撃の巨人の物語の根幹を民族問題にしたのすごいな

慢性鼻炎 @sunfloweratnite

もう語り尽くされてると思うけど、進撃の巨人の物語の根幹を民族問題にしたのすごいな

慢性鼻炎 @sunfloweratnite

巨人という生命体が壁外で蠢いているとか、タイムリープで同じことが繰り返されているとか、そういう漫画の文脈に収めることは出来たし、多くの読者は多分そう予想してた。そこに民族問題っていう現実にある人間の残酷さを突きつける。漫画で、人類の負の歴史を凝縮した物語を選ぶことがすごい

慢性鼻炎 @sunfloweratnite

べつに人類の敵が人類でしたみたいな展開はある。でもそこで終わる作品が多い。だからこそ、ではなぜ人類が同じ人類の敵になってしまったのか？ということを掘り下げたことに真価があるというか……ファンタジーではなく、そこに歴史改変SFみがあるというか……

慢性鼻炎 @sunfloweratnite

民族とは何か？自由とは何か？責任とは何か？ということが繰り返し問われている作品だと思います。エレンは終始積極的自由の立場を取っていました。ただ当の本人が未来の自分に操られていることがなんとも皮肉だなと思いました #querie_me querie.me/answer/u31JUvm…

慢性鼻炎 @sunfloweratnite

ある哲学的な主題をどこまで深く掘り下げるか？は作品性を決定づける重要な部分です。似たテーマを扱っているのにある作品を浅いと感じ、ある作品を深いと感じる理由はここにあります。進撃の巨人は民族問題を取り巻く諸感情を深く掘り下げ、自由とは何か？という普遍的な問いを突き詰めたんです

慢性鼻炎 @sunfloweratnite

実存的自由についてですが、まさしくその通りだと思います。サルトルは人間は自由の刑に処されてると言いました。進撃のキャラは度々この自由の刑に苦しんでいます。エルヴィンに超大型巨人を食わせるか、アルミンに食わせるか。どちらを選ぶかは自由です。自由だから葛藤する。自由だから苦悩する

慢性鼻炎 @sunfloweratnite

実存的自由とは自分の生きる意味を他でもない自分自身で切り開く自由のことです。壁内人類は壁外人類によって諸悪の根源だという烙印を押され、実存的自由を奪われます。エレンはこの実存的自由を取り返すために前代未聞の大虐殺を試みる。そしてエレンは言う「これは俺の自由意志が選択したことだ」と

慢性鼻炎 @sunfloweratnite

自分の好きなようにやったことだと自分勝手な印象を受けますが、まったく逆です。なぜなら自由意志とは個人が責任を引き受けるためにあとから捏造される錯覚だからです。個人は自由だから、行為の責任を負うのではない。行為の責任を負うために、個人を自由だと思い込ませる必要がある

慢性鼻炎 @sunfloweratnite

つまり、「俺の自由意志で選択したことだ」とは今後起る大惨劇の全責任をエレン一人がすべて背負うという宣言に他ならない。そして、責任を取ることで自分は自由であると思うことが出来る。因果律からの解放を意味する自由ではなく、自分は自由であると感じるこの感覚こそがエレンにとっては重要だった