ストーリー第6回目　ダイヤモンドの各塁はどのような役割を果たしているのか　ターニングポイントについて

榎本憲男★『サイケデリック・マウンテン』絶賛発売中！！！ @chimumu

1.はーい、chimumuだよ。いやー、今日は久しぶりに自転車でちょいと走ったら疲れて、夕飯食べた後ウトウトしちゃった。ごめーん。では、今日も映画のストリーについてつぶやいていくよー。

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2.復習だ。映画のストーリーは、野球のダイヤモンドでイメージし、“行って帰る”という感覚を自分にしみこませよう。ストーリーとは旅であり、この＜日常→非日常→日常＞の旅の中で主人公は変化する、という感覚をまず養おう。

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3.この感覚をしみこませて、映画を観ていくと、物語のデータベースが自分の中にどんどん蓄積されていく。対応能力が上がり、なにか“お題”をもらった時に、瞬時に物語が形成できるようになる。本当だ。物語に対する運動神経が発達してくるんだ。

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4.その場でタロットカードのようなものを引いてもらい、その配列をもとに即興で物語を生徒に書いてもらうというトレーニングを授業でやったことがある。僕もその場で書いて発表する。そうすると僕が書いたものの方が生徒のそれよりも、だんぜん物語らしく聞こえる。

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5.これは、物語の運動神経が僕はある程度鍛えられているからだ。頭の出来の問題じゃない。慣れの要素が大きい。つまり、僕のつぶやきを読むだけじゃなくて、大量に映画を観て、物語の形式をインプットした方がストーリーライティングの能力は上がる、ということをまず話しておくぞ。

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6.では次に行こう。ストーリーを野球のダイヤモンドでイメージしろというが、一塁ベース、二塁ベース、三塁ベースってどんな意味があるのか？　これはシナリオ理論ではプロットポイントとかターニングポイントとかアクションポイントとかいわれる、ストーリーの中で特に大事な出来事をいうんだ。

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7.ここではターニングポイントという言葉を使うぞ。一塁ベースがターニングポイント１、三塁（二塁じゃなくて！）がターニングポイント２、じゃあ二塁ベースはこれはミッドポイントと言んだ。

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8.じゃあいよいよ、ターニングポイントとは何だってのを説明するぞ。シナリオの教科書では大抵次のように説明してある。「ストーリーを次の局面に押し出す役割を果たす出来事」。ん、わからない？　だよな。

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9.矛盾しているが、ストーリーというものがわかるようになってくると、この説明は説得力がある。けれど、慣れていないうちはこの説明だと、ピンとこないんだよな。もっとわかりやすい説明の仕方はないかと僕はずっと思ってきた。で、いまは、もの凄く乱暴に次のように説明することにしている。

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10.映画を観ていると、たいてい始まって25分から35分あたりで「おや」とか「あら」とか「えっ」いう出来事が起こる。それが、ターニングポイント１だ！

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11.ターニングポイント２はクライマックスに向かって大きく舵を切って行くような出来事で、映画が始まって75分から90分の時点で起こる。このあたりで「お、いよいよだな」というような出来事が起こったら、そいつはターニングポイント２だ！

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12.じゃあ、二塁ベースって何者？　大体なんでターニングポイント２じゃねーの？　実は、これはあったりなかったりするので、番号がふられてない。で、あるシナリオ研究家がこれをミッドポイントと呼んだ。以後、皆が使い出して定着したんだ。

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13.さっきのように擬音で表現するなら、映画が始まって50分から1時間のあたりで「ギョエー」というような出来事が起こったら、そいつがミッドポイントだ！

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14.「ふむふむ、ふむふむ、でそれで？」と観てきた観客が「ギョエー、、こんなことが起こって大丈夫なの、この先ちゃんとオチがつくの」と不安に思わせるような出来事だ。ミッドポイントをぶちかますと、ストーリーにメリハリがでる。但し、必ずしも必要じゃない。

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15.さて、ここで大事なことを言おう。シナリオの教科書の中には、「ここがミッドポイントだ、いやあそこだ」「ターニングポイントはここだ、いやちがう」というようにポイント当てクイズをやっていることがある。しかし、はっきりいってそんなことはどうでもいい、と俺は思う。

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16.そんなことはシナリオの研究家に任せておけばいいんだ。30分あたりの「あら」が１、「いよいよ」が２、「ギョエー」がミッドポイントと考えていれば充分。何故ならみんなは映画のストーリーを書く人間であって、シナリオの研究者じゃないからだよ。

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17.しかし、このターニングポイントは意識した方がいい。図解するとこうなる。　http://twitpic.com/1kiqa9

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18.映画を観ている最中に腕時計に目をやることがあるよね。これは、「つまんねー」と思っていることがひとつ。もう一つは、ターニングポイントが不明確で、2時間の物語のどの地点に自分がいるのか観客がわからなくなっているんだ、と思う。

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19.はーい、今日はここまでだよ。次はちょっと息抜きして、シナリオの教科書についてつぶやいてみようかな、それともストーリーを離れて、映画評論の移り変わりについてつぶやいてもいいな、いずれにしても明日決めるよ。ひょっとしたらお休みするかも。じゃあね。