入居者の家具を勝手に撤去するような行為はまず正当化されることはなく、物的損害はもちろん慰謝料も発生します

賃貸管理でたまに話題となる自力救済。
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弁護士 関口 郷思(せきぐち さとし) @sekiguchisatosh

賃貸管理でたまに話題となる自力救済。入居者の家具を勝手に撤去するような行為はまず正当化されることはなく、物的損害はもちろん慰謝料も発生します。 例えば東京地判H24.9.7。入居者は初月の賃料から延滞し始め半年後には一切支払わなくなり、さらにその後半年間、保証会社による65回の電話連絡→

2022-02-14 17:35:19
弁護士 関口 郷思(せきぐち さとし) @sekiguchisatosh

7回の訪問(書面差入)、2回の郵便催告を「全て黙殺」、居室内には大量のゴミや虫の湧いた冷蔵庫のほか犬が放置(ペット禁止)されていたなどの事情から、保証会社が「緊急避難」として荷物撤去・鍵交換を行った事例で、 裁判所は「まれに見る悪質な賃借人であると非難されてもやむを得ない」としつつも→

2022-02-14 17:35:20
弁護士 関口 郷思(せきぐち さとし) @sekiguchisatosh

不法行為が成立するとして慰謝料20万円(請求100万円)を認めました(ほかに物的損害として30万円(請求270万円))。 賃貸人ではなく保証会社が撤去等をしたという事案ですので確かに緊急避難はもともと難しいですが、事案を細かく見ても、仮に賃貸人であっても正当化されなかったと思われます。→

2022-02-14 17:35:21
弁護士 関口 郷思(せきぐち さとし) @sekiguchisatosh

この例のように、特に住処をなくすことに直結するような行為(荷物の搬出、鍵交換、ドア撤去など)は厳しく判断されています。 自力救済が正当化されることはほぼないと思っておいた方がよいでしょう。

2022-02-14 17:35:21
suga @suga_public

@sekiguchisatosh 貴重な知見有り難うございます。もしご迷惑でなければお聞かせください。おそらく貸し主の方からは未払い賃料の請求と通常の損耗の範疇を超える汚損に関する原状回復費用の請求(場合によっては損害賠償請求)をされている事と思いますが、実務上これらと相殺はしないのでしょうか?

2022-02-14 18:55:55
AI @AI001689

@suga_public 傍から失礼します それがですね、法律上出来ないんですよ(旧民509 不法行為により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止) もし出来るとするならば、債権者は債務者をボコり放題(暴行傷害により生じた医療費債務と相殺できる)になっちゃうからですね

2022-02-14 19:21:00
suga @suga_public

@AI001689 なるほど納得です。有り難うございます。自力救済できないならせめて強制執行を簡便かつ迅速に進めてもらえるようにしないと、司法への信頼はどんどん地に堕ちていきますね。法の悪用が野放しにされすぎていると感じます。

2022-02-14 19:38:20
Oh @toushi_osaka358

@s61822 @sekiguchisatosh @mikumo_hk 教科書に書いてる自力救済禁止の理由はさておきこの程度の自力救済も禁止してるのは法曹界の仕事量確保の意味もあるのでは?  家主にとっては建明けの債務名義とるまでのタイムロスが大きいから契約時に公証人にお金を渡して条件そろえば執行できるようになればいいのにな田舎の公証人も喜ぶだろうに

2022-02-14 20:20:49