SHs大戦第6話「埼玉鉄道99」シンプル版 2022/3/13完結

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その言葉にライズは前のめりになり懐かしむように話す。 「そうなのよ～昔から私、皆のお姉さんポジだったのよ～わかるー？わかっちゃうか～。小学生にも大人の色気、伝わっちゃうか～」 「ライズちゃんおじさん臭い」

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「酷くない！？昔は背伸びしたがりの可愛い委員長さんガールだったのに……今では容赦ないパンクファッションガールになっちゃって……その恰好、ナジーちゃんのマネ？いいな～ってチラチラ見てたものね～」 「あの娘は関係ない！ないったらない！！これはアタシのセンスなの！」

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自らの発言を発端に飛び出た衝撃的な情報にメアは理解不能の感情を覚え、呟く。それは 「アークが……委員長……？これが？」 「マジアリエネーダロ」 「マジどういう意味だあ～ん！？」 「「イダダダダダダダダダダ」」 「アッハハハハハハハハハハ！」

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アークはメアとミニアークの頭を纏めて拳でぐりぐりと圧搾していく、それを尻目にライズは腹を抱え大笑いしている。やがて彼女は少し溢れた笑涙を拭い。 「あー笑った笑った。ちょっと安心した。色々あったみたいだけど面白い娘たちに囲まれてるみたいねアークちゃんわ」

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「んー……まあね！ライズちゃんは、その、この二年どうしてた……の？」 たどたどしく訊ねるアークに対し整理するように視線を上に泳がせ腕を組むやがて腕組を解き、指を立てる。

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「そうねーお姉さんの方も色々とあったわ。まず私たちがバラバラになった後、私もSH手術を受けさせられてね。SHになったわ。SHボノボそれがいまの私。知ってる？ボノボ」 「ボノボ！」 「サルダナ」 「そーそーそれそれ。無事手術が成功したのはいいんだけどそれからが大変でね～」

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そこまで言うとライズは視線を皆から外し少し気恥ずかしそうに頬を赤らめ小声となり 「なんというか、ボノボになった影響か人肌恋しさが凄くなってね…しばらくはそういうのを満たせる職についてたんだけど。出禁喰らっちゃってね。もてあます衝動をどうするかって時にさっきの車両に辿り着いたのよ」

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「さっきの異常痴漢車両……ねえ、あれってなんなの？」 「順を追って話すわ。その前に……ミニアークちゃん、メアちゃんの耳を塞いでおいて頂戴。子供にはまだ早いわ。それと、この話はエッチだけど……アークちゃんそういうの今は平気なわけ？」

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「バッチリ」 アークの力強い返答におぉ……と感慨深そうな反応を見せるライズ。のけ者にされて頬を膨らませるメアを置いて詳細が語られ始める。

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「女の子と合法的に触れ合える職をクビになったあと就活……就職活動を続けていた私はツクモの九両目で扉に寄かかり窓の外を眺める一人の女性を見かけたの。その女性はどこかアンニュイな表情をしていたことを覚えているわ。あの瞬間私は感じ取ったのよ。あ、この人欲求不満なんだなって」 「うん？」

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「私はその人に近づき、そっと手を握ったわ。最初は驚いたようだけど私の指圧マッサージがよっぽど気持ち良かったのか、すぐに身をゆだねて来たわ。それから何度かそういった行為をしていたら気付いたの、この電車、他にも欲求不満の人がいるわってね。だから私はその不満を一つずつ解消していったの。

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そうするとね。徐々に車両の中の乗客に普通の生活じゃ満足できない人たちが増えていったの。それはちょっとずつ普通の人との割合を逆転させていったわ。結果できたのが今のツクモの九両目」

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あっけに取られる二人と何も理解していない一人を差し置いてライズは深く息を吸い。一息に話す。 「絶対淫行車両よ。今やあの空間は全国各地から普通のプレイや乗車じゃ満足できないありえん。人たちの集合地点になってるの。

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ああ、誤解しないで欲しいのはたまに関係ない人が入って来ることはあるけど、そういう人は皆見分けがつくから手を出さないのよ。あくまで同類だけで成り立ってる関係ね」 「何てもん作ってんのライズちゃん……てゆーかそれ鉄道の人達の許可とってるの」

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あきれ果てた様子のアークの疑問にライズはあっけらかんと答える。 　 　「とってるわけないじゃーん。それにこの列車、そういう車両が多かったりするんだよ？」 　「エッチな車両が！？」

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「やー、違う違う。エッチなのはあそこだけ。そうね、お姉さんが教えちゃおう。ミニアークちゃん、もう大丈夫よ、耳話してあげて」 ミニアークから解放されたメアはアークの腰をべしべしと叩き。 「ムー！さっきから何の話だったのだ～！教えるのだ～」

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「いで、いで、教えたらオメーのかーちゃんズに怒られっからぜって～教えね～コラ、ミニアークオメーもなんで一緒に叩いてんだ」 　 　賑やかなやり取りを横目に見つつライズは軽く手を叩き。

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「はいはーいお姉さんの解説始めるわよ～。環状汽車ツクモは客車十五両編成で前の七両は普通の乗客が乗ってて、後ろの七両はありえん。人たちが主に乗車する特殊な車両になってるのそしてその丁度中央に位置するこの車両が緩衝点になってるってわけ。

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どう？ここより後ろの車両、ちょっと興味でてきたんじゃない？良かったら案内するけど」 「興味あるのだ！連れてって欲しいのだ！連れてってくれなくても探検するのだ！」 「ダッテヨマスター」

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「ハイハイ。じゃあ、ライズちゃんお願い」 こうして四人のありえん。列車探検が始まったのであった。 SHs大戦　6-3　終

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♦ ありえん。探検隊は十両目へと辿り着いていた。彼女らを出迎えたのは音。それも列車という環境ではあり得ない莫大な音の奔流だった。 「こりゃあ……」 見れば通路の広い空間で悪魔的メイクを施した男たちがパンクファッションに身を包み、楽器をかき鳴らしていた。

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デスボイスを交えた彼らの周囲を猛烈な勢いで首を縦に振る者たちが取り囲んでいる。アークたちはそんな彼らに同化する。 「ちょっと……何コレ？」

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「凄いでしょ～車内ライブとか見れるのそうそうないと思うよ。色んな駅ごとにありえん。アーティストさんが乗り込んできてライブするの。ほら、音に合わせて首振って」 「ふおおお楽しいのだ！でも首が外れそうなのだ～」 「ミニアークは……振る首がねーな」 「ヨケイナオセワダクソマスター！」