ひょっとしたら、徴兵者の従軍が発覚し、そこから反戦運動、厭戦ムードが広がっていく方がプーチン政権にとっては懸念材料では

関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

ロシア軍の兵士の士気の低さと「弱さ」が西側分析で指摘されているが、捕虜とされる動画を見ると、契約兵が多かった印象。 ロシアは元々、大規模に徴兵を行っていたが、ソ連時代から続く悪名高き「дедовщина（デドフシーナ、いじめ問題」が深刻化、兵器だけでなく、兵士の近代化に迫られた。（続く）

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まずは兵役期間が2年から1年に短縮され、さらにはプーチン氏は2002年、2008年移行に徴兵制を廃止し、契約兵制に完全移行する計画だった。つまり軍の「プロ化」だ。 だがいまだに達成できていない。2011年当時、この問題を取材したが、ネックは契約兵の給料の安さだった。（続く）

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メドベージェフ政権になって給料を引き上げるなどの改革方針が示され、実際に上がりはしたが、金額的には期待はずれだったのだろう。一方、徴兵者は「兵役逃れ」が横行しており、徴兵者も集まらない、契約兵も集まらないという事態に陥っていた。（続く）

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その後、この問題について追跡しているわけではないが、話を元に戻すと、ロシア軍が想定より「弱い」とするのならば、このあたりの長年の課題は解決されていなかったのだろうと推測する。

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そしてウクライナ侵攻の部隊に徴兵者がいることが発覚。プーチン大統領が「従軍していないし、将来もさせない」と言った翌日に明らかになった。 国防省はすぐさま関係者を処分する方針を発表したが、珍しくプーチン政権が自らの非を認め、迅速に「火消し」に走ったのは、徴兵問題がロシアでは（続く）

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社会全体のトラウマになっているからだろうとみる。アフガン侵攻もそうだが、直近ではチェチェン紛争が大きいと思う。 特に第1次チェチェン紛争では新兵が多く派遣されたと聞く。多くの犠牲が生じ、兵士らの母親たちの団体が反戦デモ、政府批判を繰り返した。（続く）

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ウクライナ侵攻によってプーチン大統領の支持率は70％程度に上昇したようだ。ロシアで取材経験がある実感としては、数字が操作されたということではなく、本当にプーチン氏を支持する人たちがいるとみている。そういう世論なのだ。 まったくもって釈然としないし、残念ではあるが、（続く）

関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

プーチン氏の価値観はロシア人にも広く共有されているとみた方がいいと個人的には思う。 従って、戦争継続においてウクライナの反撃や経済制裁よりも、ひょっとしたら、徴兵者の従軍が発覚し、そこから反戦運動、厭戦ムードが広がっていく方がプーチン政権にとっては懸念材料では、と考える。（続く）

関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

実際、第1次チェチェン紛争のときも休戦協定が結ばれたが、もちろんチェチェン側の激しい抵抗があったからこそだろうが、母の会をはじめとする反戦、厭戦ムード醸成というのもまた大きな要因だったとみる。 それだけに、兵士をめぐる問題はプーチン政権にとっての「アキレス腱」になる可能性（続く）

関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

を見極めたいと思う。ちなみにウクライナのゼレンスキー大統領も最近のテレグラム投稿で、ロシアの母親たちに「息子を戦地に送らないように」と呼びかけている。彼もまたここがロシアの一つの「弱点」とみているのかもしれない。

leonardo @masumind

@usausa_sekine ロシアのマーマやバーブシュカの声は大きいですね。厭戦気分が蔓延すると戦争続行は困難になるでしょう。しかし、ソ連崩壊後の混乱がそうであったように、プーチン後の権力の空白が世界に何をもたらすのかを考えるとそれも恐ろしいです。

関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

@masumind どっちに転んでも大混乱、でしょうね。