四の舟×おろし丸による 『スケッチブック リレー小説~ケイト×部長 部長さんの誕生日編~』

スケッチブックの知識必須。加えてカップリング妄想が好きな人向け。部長さんの誕生日記念二次創作。
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四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 誕生日。この日は俺にとって祝日でも何でもない日なわけだが、毎年毎年祝ってくれる人がいる。それが家族だったり、友達だったりするわけだが、今年の誕生日は、異国から来た後輩から祝われることになった。

2011-09-09 23:17:34
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「部長サーン!お誕生日、オメデトゴザイマース!!」拙いながらも元気のいい言葉と同時に、俺の前に異様に大きいプレゼントの箱がデン、と出てきた。「あ、ありがとう……にしても凄いなこりゃ」

2011-09-09 23:20:53
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko あまりのプレゼントの大きさに驚く俺と、満面の笑みを浮かべるケイトのいるここは、学校そばの公園だ。時刻は四時過ぎ。さっきまで、公園には遊んでいる子供がちらほらといたのだが、気がつけばオレとケイトの二人だけになっていた。

2011-09-09 23:28:52
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「……しかし、よくこんなに大きいの持ってこれたな」「苦労シマシタ」盛夏はすぎたものの、時折思い出させるかのように暑くなる日がやってくるこの季節、幸い本日は割と涼しい。天気も気を使ったのかな、とか思ってしまった。

2011-09-09 23:31:54
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「開けていいのか・・・?」「ハーイッ!もちろんデースッ!」「ちなみにケイト」「ナンデスカー?」「このプレゼントの中身、何なんだ?」「ノンノン! ソレを言ったら開けた時ノ喜びガ減ってしまいマースッ!」

2011-09-09 23:35:07
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE まあ確かにそれもそうだな、とリボンをしゅるりと外す。はらりと落ちたリボンはそっと横に置いて包装紙も同じように丁寧に外してわきに置いた。こうして箱だけにしてみると何だかシュールだ。まるで空閑の作品のようだ。

2011-09-09 23:38:07
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko いよいよ、プレゼントの箱の蓋を開ける。ケイトが俺のことを見ている。その瞳からは、かすかな不安がにじみ出ているのがわかる。オレが気にいるかどうか、気になっているのだろうか。そして蓋を開ける。箱の中を覗くと、中には――大きなネコのぬいぐるみが一つ入っていた。

2011-09-09 23:42:08
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 可愛い。安直な表現であるが、可愛い。いや可愛いと言う言葉では言い表せないほどの可愛らしさを、そのぬいぐるみは出していた。元来猫は大好きであるが、そんな俺でも心を奪われてしまうほどに可愛らしいぬいぐるみだ。

2011-09-09 23:43:54
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「ケイト、これ、どうしたんだ?」 ぬいぐるみをもらった嬉しさで、俺は声が震えた。そんな俺を見たケイトは、安心したように穏やかに微笑んだ。「そのネコのぬいぐるみハー、ワタシの行きつけのぬいぐるみ屋さんで見つけたモノデースッ! オキニメシマシタカー?」

2011-09-09 23:47:15
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「そうか……でもこんなにでかいんじゃ、高かったんじゃないか?」「オット、ソレハ聞かヌガ花デスよー」「…それもそうか」とは言えこんなにいいもの、相当高かったのだろう。何だか申し訳ない気分にすらなる。

2011-09-09 23:49:45
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「それにしても、ケイト」「ナンデスカ?」「このぬいぐるみ、とてつもなくかわいいな」「ソウデスカー!」「いやぁ、ほんとかわいいなぁ・・・・! 頬ずりしたくなる」 そう言った瞬間、ケイトの表情がさっき以上に柔らかく緩んだ。「ヨカッタデース!」「ん?なにが?」

2011-09-09 23:53:01
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「私モ、そう思ったんデスヨー!」そう言ってケイトはさっき以上ににぱーっと明るい笑顔を見せた。「選ブノハ、トッテモ骨が折れマシタ…何せ一杯可愛い子がヨリドリミドリ深緑デシタカラ…」

2011-09-09 23:56:09
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「デモー、部長サンが笑ってクレタノデ、ワタシは選んだ甲斐があったというモノデースッ!」 「ケイト・・・」 「フフフ! 部長サン」 「どうした?」 「改メテー、お誕生日、オメデトーゴザイマースッ!!」 ケイトは満面の笑みでそう言った。

2011-09-09 23:59:09
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE その笑顔は、プレゼントのぬいぐるみにも負けないくらいの可愛らしさだった。いや、それと比べるべきではない「生きた」可愛らしさとでもいえばいいのだろうか。太陽が全てを照らすかのように明るく、彼女は笑っていた。

2011-09-10 00:01:12
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「ケイト…」 俺は自然と、手がケイトの頭をなでていた。「ありがとうな」「エヘヘ~。部長サンからお褒めに預れて光栄デスッ!」 「今度、お礼をしなくちゃな」「ホントデスカ?」「ああ、どっか遊びに行くか」「ジャア…」「ん?」「今度、ぬいぐるみ屋サンへ一緒に…」

2011-09-10 00:05:14
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「そうか、良いなそれも」「エヘヘ…」 と、その時俺は気付いてしまった。現時点での今の俺とケイトの状況に。 今この公園には誰もいなく、人も通らない。それでいて俺はケイトの頭を撫でている。まるで恋人同士じゃないか。そしてそれを悪くないと思っている自分もいる

2011-09-10 00:08:42
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「そうだな。じゃあ、今度の日曜日に行くか。ぬいぐるみ屋」 「Oh! ソレハ素敵ナお誘いデスネー!」 「ほかにも、いろんなとこへ行きたいな。映画館や公園、水族館とか動物園とか…」 「…部長サン」 「ん?」 「キット、イキマショーネ!! 約束デスヨ?」

2011-09-10 00:15:06
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE そう笑顔で言う彼女は、とても愛らしかった。まるで兄か父親を見るかのような、信頼しきったその表情(無論、彼女自身の性格もあるのだろうが)は、こちらの心臓を高鳴らせる。一瞬、小さな風が起きた。

2011-09-10 00:17:41
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「ああ、約束だぞ」 「じゃあ、指きりシマショー!」 「えっ?指きり?」 「ソーデスヨー! 日本人ハ約束を破らぬように、指きりするモノダト教わりマシタヨー?」 はい、と、ケイトは右手の小指を立て、こちらに向けている。俺も、ケイトの小指に俺の小指を絡ませる。

2011-09-10 00:21:40
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 指きりなんてするのはいつ以来だろう。なんだかこうしてケイトと一緒にいるとそう言う懐かしい事も再発見できたりする。それがなぜか、無性に嬉しい。「ハイ、ユービキーリゲーンマーン…」

2011-09-10 00:23:34
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「嘘ついたら」 「針千本ノーマスッ!」 「「指きった!」」 同時に指を切った。「部長サン、約束、破っちゃヤデスヨ?」 ケイトが笑顔で言ってくる。「バカを言うな。俺は約束は守るぞ」 「Oh! ソレナラ安心デスッ」 「特にケイトとの約束なら、絶対に破らない」

2011-09-10 00:28:19
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「エ、ソレッテ……」「何だ?」さっきまで笑顔だったケイトの顔が、笑顔のまま赤くなっていく。「どうしたんだ?」「oh...ah...」「イントネーションが英語なんだが」「ブ、部長サンガ変な事言ウカラ…」

2011-09-10 00:30:24
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「なんか、変なこと言ったか? ケイトとの約」 「Waaaa!! 言わナイデクダサーイッ!!」 ケイトが顔を真っ赤にし、両手をバタバタさせる。なんだろう。困っているようだが、非常におもしろい。「……イエ、ワタシも負けてラレマセンネー!」

2011-09-10 00:33:05
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「ん?」何をするのだろうか、と思うより早く、ケイトは俺の膝の上に乗ってきた。「…エヘヘ、失礼シマース」「…!?」何をするんだ彼女は一体。重くはないがさっきよりも顔が近いのはなんともいえない。

2011-09-10 00:35:44
四の舟@初日南3 ミ-18b @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「部長サン」 ケイトが俺の膝の上に座ってこちらを見る。ケイトの顔と俺の顔は鼻先三センチほどの距離しかない 「なんだ、ケイト」 チュッ ケイトの唇が、俺の唇に重なった。俺が固まっているとケイトは顔を離した。「I love you.」 そう、ケイトは言った。

2011-09-10 00:40:49