- rouillewrite
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そうこうしているうちに時刻は9時半になろうとしていた。 もう寝る時間ですよ、とメノンが優しく声をかけると、少女たちはそれぞれコットに横になり始めた。 部屋にあるベッドより些か硬いが、昼寝用の小型ベッドなので寝るには十分だ。
2022-04-14 21:23:17互いを見て微笑み合う2人になにやら明るいどよめきが走る。 しかし厨房の電気を消されると、少女たちは大人しく眠りにつくのであった。
2022-04-14 21:25:09メノンとアシュリーに先に仮眠を取ってもらっている間、リオは1人静かに見張りをしていた。 少女全員が見える位置に椅子を置き、腰掛ける。 背後にある振り子時計の音を聞き、そちらを見遣ると時刻は23時前。
2022-04-14 21:27:13すっかり館の中は静まり返っている。 あのグリムも眠りについているのだろうか。それとも、何かまた次のことを画策しているのだろうか。
2022-04-14 21:27:51(……いつまで、こんなことが続くのだろうか) pic.twitter.com/9Vwjk3Duis
2022-04-14 21:29:10両肘を膝につけ、前かがみになってリオは少女たちを見つめる。 メノンたちが推理したところ、彼女の目的は復讐だ、という。 エリーゼの記憶を戻すために見立て殺人を行い、なおかつそれが自分の父親を陥れた「探偵と少女」に対する復讐になるのであれば────。
2022-04-14 21:31:21目を伏せて、眉を寄せる。 最初の頃にイーライがグリムに殴りかかったことがあったが、無意味だったことを思い出して無力感に苛まれる。 自分たちにできることといえば、真実を突き止めて、エリーゼの記憶を戻すことくらいか。
2022-04-14 21:33:22情報収集すらままならないこの館の中で、他に彼女を止める手立てなどあるものか。 …話が通じる相手とは思えないが、彼女も今リオの目の前で寝ている少女達と同じ、あどけない少女なのに。
2022-04-14 21:34:41(…それに、ユースティアを攫った理由も分からない。わざわざ攫うくらいなのに、すぐに返してくるだろうか)
2022-04-14 21:35:30僕の目的は果たせたからね、とグリムはそう言っていた。 助け出したであろうメノンに聞けば、黙って首を横に振るだけで、何も教えてくれなかった。 ユースティアに聞いても、その時のことは全く覚えていない、と言うし。
2022-04-14 21:36:47整理しようと考え込んだはずが、余計にこんがらがってしまった。 後頭部を片手で掻き、落ち着くために深呼吸をしていると、後ろからそっと肩を叩かれる。
2022-04-14 21:38:15「交代しますよ」という声に気づいて上を見ると、アシュリーが少し眠たそうな顔でこちらを見つめてきていた。
2022-04-14 21:40:05振り子時計を見ると、23時を少し回っていた。 そうか、と小声で相槌を打ち、椅子から立ち上がる。 そのままアシュリーと入れ替わるようにベッドと向かうと、リオは目を閉じた。
2022-04-14 21:41:52早朝午前4時。 少し明るさの見えてきた食堂の中で、なにかの音を聞きユースティアは目を覚ました。
2022-04-14 21:45:46正面に眠っているナタリアがブランケットを放り出していたので、やんわりため息を吐きながら彼女にそれをかけ直す。
2022-04-14 21:46:58見張りをしていたはずのリオも、疲れていたのか、病み上がりだからなのか椅子に座ったまま眠っていた。
2022-04-14 21:49:08