『惡の華』読書会メモ 高校生編 +【おまけ】久保校長の超絶読み

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めんたね(あぶない) @dmentane

ぼくは今のところ、常磐さんの微妙な表情について「春日君がとっさの気持ちとして言葉にはならなくても つい呼び止めてしまったその行動がうれしかった」という解釈を、一応、第一候補に置いている。

2022-04-18 09:39:53
めんたね(あぶない) @dmentane

頭でものを考えていつも独り相撲で言い訳がましいことばかり言ってる春日君が、今回は自分と近づきたいという本心を態度で見せたことに喜びがあるんじゃないか?と。でもその解釈があってるかどうかはわからない。 こういう風に解釈の余地、色々と思いを巡らせる余白が『惡の華』にはある。

2022-04-18 09:41:26
めんたね(あぶない) @dmentane

『惡の華』ではこのように世の中にありふれて存在している「相手のことがよくわからない」ということが、きちんとよくわからないものとして描かれる。そこが本当に素晴らしい。わからないものをわからないままに描くって結構難しいと思う。

2022-04-18 09:43:58
めんたね(あぶない) @dmentane

さっきのシーンに話を戻す。もしも常磐さんが最後に春日君に呼び止められたことで、つながりを強く感じて満足して帰ったのだとすると、その一方の春日君の落ち込んで考え込んでしまった表情とは対照的である。本当は春日君はそんなに心配して落ち込まなくてもいいのに、勝手に落ち込んでいる。 pic.twitter.com/Vw5N8ukRLu

2022-04-18 09:51:29
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めんたね(あぶない) @dmentane

こういった小さなすれ違いの連続は、現実でも本当によく見る。

2022-04-18 09:52:31
めんたね(あぶない) @dmentane

また『惡の華』に話を戻す。春日君が記憶の中の仲村さんの姿を投影しているのを絵で描写しているコマがあって、わりとスルッと見落としていた。 他の誰かが指摘してくれて気づいた。面白かったので挙げておく。中学時代の仲村さんは眼鏡をかけていたのだが、その眼鏡が光の反射のように描かれている。 pic.twitter.com/2SL30gE31O

2022-04-18 12:37:13
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めんたね(あぶない) @dmentane

中学生時代の仲村さんと言えば、確かに春日君だけじゃなくて読者であるぼくも眼鏡っ子という印象は強くて、そのイメージで確かに考えているわけだが、高校生になってから仲村さんと再会するシーンで押見先生はそこを見事にひっくり返す。仲村さんが眼鏡をかけていない! pic.twitter.com/Chq1PE77K0

2022-04-18 12:40:06
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めんたね(あぶない) @dmentane

中学生時代には、常磐さん同様の白抜きで描かれていたはずの髪も黒くべた塗りされている。 ここで春日君も読者の我々も思い知らされる。我々がずっと考え続けていた仲村さんは過去の仲村さんであって、我々の頭の中だけにいる存在であった、と。 今の仲村さんは自分の時間を生きて変化している。

2022-04-18 12:42:34
めんたね(あぶない) @dmentane

この後、春日君は大きく変化して落ち着いたように見える仲村さんの中に、なんとしてでも昔の仲村さんの狂気(?)を見つけ出そうと、砂浜ファイトに持ち込んだのだろうと思う。理不尽な暴力的発散こそが中学時代の仲村・春日間の共通言語であったから。 pic.twitter.com/3muUqHEyXy

2022-04-18 12:47:05
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めんたね(あぶない) @dmentane

最後の砂浜ファイトは非常にロジックだけではとらえにくいけれども、何だかよくわかる謎の説得力があって、その辺も読書会ではあれこれと語れたので非常に満足である。素晴らしいクライマックスシーンだと思う。

2022-04-18 12:48:07
めんたね(あぶない) @dmentane

他にも語りたいことは色々とあるが、きりがないのでこの辺にしよう。そして、こんなに熱く語っているのにぼくは今まで「仲村」を「中村」とずっと書き続けていたよ。まあいいやw

2022-04-18 12:50:05
めんたね(あぶない) @dmentane

次回の漫画読書会はBEASTERTSの後半部分、ヒグマのリズとの戦いの後からの部分についてだそうです。4/30(土)21時から。多分、天さんのスペイシャルチャットでやると思う。ぼくも参加予定。

2022-04-18 12:55:31
フレア(元晴) @flairhal

@natalytaly95 @dmentane まぁ、押見修造さんの作品はどれも心理描写に重きを置いている感じがするので、読者=受け手としては、刺さる部分も異なるとは思うんですよね。 ただ、あの久保校長の超訳惡の華は、流石の一言で、わたしにはとてもじゃないけど、その発想に至れないです。

2022-04-18 13:11:24
あおい@仲良くなる相談室 @aoiao00

惡の華読書会のツリー、楽しいです。 人に関わるときのままならさ。惹かれ合うのに噛み合わないこと。 恋しているが付き合っていないとき、人は自分の閉じた世界で妄想に浸っていて、お互いを知りもしないのにくそでか感情を育てていて、勝手に愛が重くなったりするけどあれは自分の偶像を崇拝してる→ twitter.com/dmentane/statu…

2022-04-18 15:11:04
めんたね(あぶない) @dmentane

昨日の惡の華読書会で語ったことやそこからさらに連想したことをメモっておく。 高校生になっても春日君はやはり内向的で、興味関心が自分の内側に閉じていた。 目の前に生身の恋人(常磐文)がいても中学生の時に出会った中村さんをそこに投影し、あの時の中村さんと自分の関係を反芻する。

2022-04-18 08:06:42
あおい@仲良くなる相談室 @aoiao00

→だけで、相手と信頼関係がないまま表面に執着してると他人と噛み合わないまま、どんどん気持ち悪くなる。長年片思いをしがちな人に刺さるツリーだと思う、私とか 臆病で自分に自信がなくて、でも理解してほしいこの人は分かってくれるかも!は相手に押し付けるより自分の解釈を見治した方がいいかも

2022-04-18 15:19:23
あおい@仲良くなる相談室 @aoiao00

「わからないところをわかった気になる」婚活で人と仲良くなれない、相手に興味を持てない時の理由だと思う。 一人の人間の語りを複数人で聞いていって、細かく問いを出したり会話を見直したりするワークをすると、 わからないことに気付けて関係を深められるようになる気がしている。テスト会したい。 twitter.com/dmentane/statu…

2022-04-18 15:29:15
めんたね(あぶない) @dmentane

普段はなんとなくわからないところは読み飛ばして適当にわかった気になるんだけど、意図的に読む速度を落として、ここに描かれているものはなんなのか?ここで表現しようとしているものはなんなのか?と問いかけてみると、色々と謎が現れる。 twitter.com/natalytaly95/s…

2022-04-18 07:45:54
サクラコガネ_誤字多い_実はスカラベ @sakura_kogane_3

ムシは、ここは祭りの日の仲村さんの依頼「このバットで・・・それで契約は終わり」の春日なりの実施と思います。 なので「さっさと来いよ、空っぽ人間」 「にどとくるなよ、ふつうにんげん」 「私は消えてくれないから」 「僕はうれしい、仲村さんが消えないでいてくれて」 と会話が対応してます twitter.com/dmentane/statu…

2022-04-18 16:41:17
サクラコガネ_誤字多い_実はスカラベ @sakura_kogane_3

まためんたねさんが気づかれた水滴の描写は、祭りの日に春日の上で仲村さんが流した涙の描写と一緒で、あの日からのつながり、上記の対応を象徴しているのではないでしょうか。

2022-04-18 16:47:57

おまけ:久保校長の超絶読みと解説

めんたね(あぶない) @dmentane

【おまけ】久保校長の超絶読み1 中村さん、佐伯さん、自分の両親、多くの人を巻き込んで事件を起こし不幸にしたという自覚を持っているため、自分だけが常磐さんと幸せになることに罪悪感を覚えたと一般に解釈されるシーンで、「幸福過ぎて喜びのあまり泣いている」と解釈して「いやー!いいですね!」 pic.twitter.com/1WlU9OfqqV

2022-04-18 10:02:22
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めんたね(あぶない) @dmentane

久保校長の超絶読み2 春日父が酔っぱらいつつ、春日君に学校生活など自分の見ていないところでちゃんと問題なくやっているかを尋ねているであろうシーンについて、「これって息子にオナニーしてるかどうかを聞いてると思うんですけど、一般の家庭って親子でこんな会話するんですか?」と久保校長。 pic.twitter.com/0sTrzivz9f

2022-04-18 10:07:10
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めんたね(あぶない) @dmentane

久保校長はこの「何をってさ…わかるだろ?」「んん?」のセリフと酔って顔が赤くなっているこの表情から、エロいことを聞いている、オナニーについて聞いていると判断したらしい。

2022-04-18 10:10:48
めんたね(あぶない) @dmentane

それまでにも作品内に父は何度も登場してきて、きわめて常識的な人であることは描写されている。 久保校長は、そういう過去から続く連続的なコンテクスト(文脈)というものを重視せずに、瞬間瞬間を点で捉えて物事を解釈・理解する傾向が強いのだと思う。

2022-04-18 10:11:42
めんたね(あぶない) @dmentane

父の質問に対して春日君は無表情に「……何を?」と返している。 これについても、久保校長は、本当に何を問われているのかわからないからそう聞き返しただけだと思っていたようだ。 ぼくは、「自分はこのやり取りを続けたくない」という間接的な拒絶表現だろうと解釈している。策動の一種だよね。

2022-04-18 10:16:53