【月曜日のたわわ】女子高生への性的虐待だと非難されている作品、実際の内容は……。

2022年4月8日と4月15日、ハフポストから『月曜日のたわわ』に関するインタビュー記事が公開された。その記事には「作品で起きているのは、女子高生への性的な虐待。男性による未成年の少女への性暴力や性加害そのもの」という内容が。加えて「女子高生には『性的な魅力で男性を応援する』という人格しか与えられていません」とも。この広告を論じるに当たっては「① 広告だけを対象とする」「② 作品内容まで考慮する」という2つのスタンスがあるが、まず前者だとするならば、広告自体から『性的な魅力で男性を応援する』という人格など読み取ることはできない。そして、作品内容を考慮するならば、作品で描かれている「自分の体は何も悪くない、自信を持とう」というメッセージも、作品内での「女子高生を絶対に性愛の対象にしたらいけない」という成人男性の規範も見事に無視されているのだ。
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講談社『月曜日のたわわ』の最新4巻発売の広告が日本経済新聞に掲載されたのですが、その広告が炎上しました。

この炎上騒動に関して、SNSでは約2週間に渡って様々な議論が為されました。詳細は下記まとめをご参照ください。

まとめ 【炎上】日本経済新聞の広告がジェンダークレーマー被害に遭ってしまう 2022年4月4日、ニュースサイトの『コミックナタリー』が日本経済新聞に掲載されることを記事にして投稿した。当該広告は、講談社ヤングマガジンで連載中の漫画『月曜日のたわわ』の広告であった。日本経済新聞の『月曜日のたわわ』の広告が、ジェンダークレーマーのバッシング被害に遭ってしまう。しかも、バッシング被害に遭ったのは、広告を掲載した日本経済新聞のアカウントでも、広告を出稿した講談社やヤングマガジンのアカウントでも、ましてや作品のアカウントでもない。なぜか、広告掲載を記事にして伝えただけの「ニュースサイト」であるコミックナタリーに非難が寄せられたのだ。そのバッシングの内容は、見事なまでに「キモい」「きしょい」「気持ち悪い」という生理的嫌悪のオンパレードであった。 139745 pv 3754 922 users 175
まとめ 「性的搾取、性的消費、性的客体化、性的モノ化、性的対象化」という言葉の『誤用』について 表現を批判するために使用されている言葉は、本来の定義を無視して誤用されているものばかりだ。2022年4月4日、国内のマンガ・アニメに関する最新ニュースを伝えるニュースサイト『コミックナタリー』が、日本経済新聞に掲載されることを記事にして投稿した。当該広告は、講談社ヤングマガジンで連載中の漫画『月曜日のたわわ』の広告であった。その広告への非難は「キモい」「きしょい」「気持ち悪い」と露骨な生理的嫌悪感で他人を傷つける、罵詈雑言のオンパレードであった。また、この炎上に関して「性的搾取」「性的消費」という言葉を使って意見を述べる投稿があった。しかし、性的搾取は本来の定義とは全く異なる恣意的な解釈で述べられており、性的消費は学術用語でも何でもないインターネットスラングに過ぎない。合わせて、表現へのレッテルとして使われ.. 76838 pv 5798 353 users 82
まとめ 【月曜日のたわわ】性的消費って結局、なに? 日本経済新聞に掲載された『月曜日のたわわ』という漫画の広告が炎上した。それに関して意見が述べられるが、当該広告は「性的搾取」の定義にも「性的客体化・性的モノ化・性的対象化」の定義にも当てはまらないのにも関わらず、曖昧な「性的消費」という言葉で批判された。だが、この言葉はフェミニズムに関連する各種辞典には項目が存在しない言葉だ。結局のところ「性的要素がある表現」と「性的消費に該当する表現」の違いは何なのだろうか。 14193 pv 321 12 users
まとめ 「表現の自由」と「公共の福祉」に関する議論 「公共の場」と「私的な場」におけるルールの違いをツイートしたところ、そこから『表現の自由』と『公共の福祉』に関する議論に発展したので、記録として残しておく。また、まとめの最後に関連資料や最高裁判例のリンクを掲載する。 4115464 pv 422 40 users 2
まとめ 【被害者支援】『月曜日のたわわ』に関する寄付のツイートまとめ 2022年4月12日、全国被害者支援ネットワークへの寄付の呼びかけを行った。日本経済新聞に掲載された『月曜日のたわわ』の広告が炎上したことに際して、その広告を表現の自由 11170 pv 418 4 users

そして、2022年4月8日。

東京工業大学の治部れんげ氏へのインタビュー記事がハフポスト日本版から公開されました。記者は金春喜(きんちゅに)氏です。

金春喜(きん ちゅに) @chu_ni_kim

◾️単著📚 『「発達障害」とされる外国人の子どもたち』 ◾️共著📚 『〈わたし〉から始まる社会学』

https://t.co/68ojkmgdKW

治部れんげ/ Renge Jibu @rengejibu

内閣府男女共同計画実行監視専門調査会委員/東京都男女平等参画審議会委員/豊島区男女共同参画推進会議会長/Fulbrighter(2006-07)/お仕事は(info.renge.jibu@gmail.com)へ

rengejibu.hatenablog.com

治部れんげ/ Renge Jibu @rengejibu

解説しました。 私自身、日経新聞がリードする広告を通じてジェンダー平等を進める取り組みに関わっているため、今回の件は取り分け残念に思いました。 twitter.com/HuffPostJapan/…

2022-04-08 21:36:19
ハフポスト日本版 / 会話を生み出す国際メディア @HuffPostJapan

日経新聞が「月曜日のたわわ」の全面広告を掲載、批判の声が相次いでいます。 治部れんげ准教授(@rengejibu)は3つの問題点を指摘。 「これまで大手メディアとしてジェンダーのステレオタイプを克服するために取り組んできたことは、全て偽善だったのでしょうか」 huffingtonpost.jp/entry/story_jp…

2022-04-08 18:57:08
ハフポスト日本版 / 会話を生み出す国際メディア @HuffPostJapan

日経新聞が「月曜日のたわわ」の全面広告を掲載、批判の声が相次いでいます。 治部れんげ准教授(@rengejibu)は3つの問題点を指摘。 「これまで大手メディアとしてジェンダーのステレオタイプを克服するために取り組んできたことは、全て偽善だったのでしょうか」 huffingtonpost.jp/entry/story_jp…

2022-04-08 18:57:08
リンク ハフポスト 「月曜日のたわわ」全面広告を日経新聞が掲載。専門家が指摘する3つの問題点とは? メディアが抱えるジェンダー問題に詳しい専門家は「性的な表現に触れたくない人の権利を守れていない上、成人男性による未成年の少女への性暴力を大手メディアが肯定する構図になっている」と指摘している 427 users 726

「広告は女子高生のイラストをあえて用いることで、作品が発信しているメッセージを確信犯的に、大々的に伝えています。作品で起きているのは、女子高生への性的な虐待。男性による未成年の少女への性暴力や性加害そのものを日経新聞が肯定する構図です」

治部准教授は「この基準に照らすと、今回の全面広告は、『未成年の女性の肉体に欲望を抱く男性の視点』のみに偏っており、見られ、触られる側に立つ女子高生の『人格や主体性』は考慮されていません」と指摘する。

なお、理由は不明ですが……。

この記事の「インタビュー部分」は、後から修正が為されています。変更前の表記は、以下の通りです。

【アーカイブ版】「月曜日のたわわ」全面広告を日経新聞が掲載。専門家が指摘する3つの問題点とは? | ハフポスト NEWS

「広告は女子高生のイラストをあえて用いることで、作品が発信しているメッセージを確信犯的に、大々的に伝えています。作品で描かれているのは数々の痴漢行為。男性による未成年の少女への性暴力や性加害そのものを日経新聞が肯定する構図です」

ハフポスト日本版 / 会話を生み出す国際メディア @HuffPostJapan

ニューヨークの国連女性機関本部が、「月曜日のたわわ」の全面広告を掲載した日経新聞に「容認できない」として抗議していたことがわかりました。 4月11日に同社に宛てた書面では、対外的な公式の説明や、広告の掲載の可否を決めるプロセスの見直しなど求めました。 huffingtonpost.jp/entry/story_jp…

2022-04-15 11:39:09

2022年4月15日、ハフポストから『月曜日のたわわ』に関する別の記事が公開された。

2022年4月15日、日本女性機関(UN Women)日本事務所の石川雅恵氏へのインタビュー記事がハフポスト日本版から公開されました。

こちらも、記者は金春喜(きんちゅに)氏です。

金春喜(きん ちゅに) @chu_ni_kim

◾️単著📚 『「発達障害」とされる外国人の子どもたち』 ◾️共著📚 『〈わたし〉から始まる社会学』

https://t.co/68ojkmgdKW

UN Women 日本事務所 @unwomenjapan

UN Women日本事務所公式アカウント(@UNWomenJapan)です。@UN_Women#ジェンダー平等#女性のエンパワーメント のために活動する国連機関です。 instagram: instagram.com/unwomenjapan/

japan.unwomen.org

UN Women 日本事務所 @unwomenjapan

本日、日経新聞の『月曜日のたわわ』全面広告に関するハフポスト日本版(@HuffPostJapan)のインタビュー記事が公開されました。取材に対し石川雅恵UN Women(国連女性機関)日本事務所長は、日経新聞が広告からステレオタイプを取り除く取り組みである「#アンステレオタイプアライアンス 」に加盟(続く➡️)

2022-04-15 13:30:22
UN Women 日本事務所 @unwomenjapan

➡しており、今回の指摘はこうした加盟規約違反への異議申し立てであり、国連機関が一般の全ての民間企業の言動を監視し、制限する立場にないことを明らかにした上で、 間違いに気づき軌道修正することこそが大切であり、アンステレオタイプアライアンスのガイドラインや「外の世界」の視点を(続く➡)

2022-04-15 13:32:12
UN Women 日本事務所 @unwomenjapan

➡取り入れるなど、有害なステレオタイプのないより良い広告、より良い社会を作っていくため、メディアの社会的責任を考えるきっかけにしてほしいとコメントしています。 🔶記事の全文はこちら:huffingtonpost.jp/entry/story_jp…

2022-04-15 13:33:29
リンク ハフポスト 国連女性機関が『月曜日のたわわ』全面広告に抗議。「外の世界からの目を意識して」と日本事務所長 ニューヨークのUN Women(国連女性機関)本部が、今回の全面広告を「容認できない」と抗議する書面を日経新聞に送付していたことが分かった 480 users 619

「今回の広告は、男性にとっての『女子高生にこうしてほしい』という見方しか反映しておらず、女子高生には『性的な魅力で男性を応援する』という人格しか与えられていません。私たちが重視してきた『3つのP』の原則は守られていないのです」

出典:国連女性機関が『月曜日のたわわ』全面広告に抗議。「外の世界からの目を意識して」と日本事務所長 | ハフポスト NEWS

しかし、この記事はをきっかけに、いくつか気になる疑問点が浮上してきました。

  • 閣議決定された男女共同参画基本計画に載っているアンステレオタイプアライアンスの規約内容が内閣府に共有されていない
  • アライアンス規約違反の抗議および国連関連機関から日本民間企業への抗議は、外務省の把握している範囲では前代未聞
  • それにも関わらず、なぜか4名のアドバイザー全員に意見聴取が為されていない
  • 国連女性機関日本支部の正規職員は石川雅恵氏が1名のみ