信じて送り出した女冒険者がエロトラップダンジョンを毎回ノーダメクリアしてくる。なぜか全裸で。

帽子男 @alkali_acid

信じて送り出した女冒険者がエロトラップダンジョンを毎回ノーダメクリアしてくる。 なぜか全裸で。 触手とかスライムの首をはねまくって。

帽子男 @alkali_acid

「いくつかそちに聞きたいことがあるが」 「何なりと依頼主殿」 「その前に服を着て」 「断る」 「…まあ、よいが…」

帽子男 @alkali_acid

「えー…まず…触手とか液妖の首はどうやって見分けておるのだ」 「何となく」 「説明になっておらぬ…」 「苦無（くない）が自然と敵の首を探り当てるというか」 「もうよい…」

帽子男 @alkali_acid

「ほかに何か？」 「近い近い…距離をとれ冒険者…」 「何を怖がっている依頼主殿」 「これ。さわるなさわるな。体の中に触手とか潜り込んでいるかもしれぬであろうが」 「そう見えるか？」 「見えぬわたわけ。というか服を着て」 「断る」 「…」

帽子男 @alkali_acid

「なぜそう着衣にかたくななのだ」 「依頼主殿は拙者に死ねと？」 「死ぬの？！！」 「探索の難度によっては下帯一枚が生死を分けることもある…」 「そこまで？！？」

帽子男 @alkali_acid

「優しげな顔をして…冷酷な方だ…依頼主殿は…そこがまたよいが」 「予はそんなひどいこと言った？？魔除けのついた全身甲冑の方がよくない？」 「即死をお望みか」 「そんなに！！？？？」

帽子男 @alkali_acid

「かくのごとく死を望まれるのまた…甘美なものよ…」 「じゃあもう着衣の話はよいいから…ええい近い近い…距離をとれ距離を…せめて今後は全身甲冑をまとった戦士や、宝漁りに長けた盗賊、呪文の使える魔導士などそれぞれの専門に長けた同輩と組んで堅実な探索を」 「断る」 「えぇ…」

帽子男 @alkali_acid

「攻撃はあたらなければどうということはない。鍵開け、罠外しなどは一人でできる。何なら呪文も使える」 「うっそぉ…おかしいではないか？そんな一人でなんでもできるのおかしいではないか。よくわからぬが、何かこう…つり合いがとれておらぬぞ」 「左様」 「…まあよいが」

帽子男 @alkali_acid

「依頼主殿とて隊を組んだ冒険者より拙者一人を雇う方が費えも少なくて済む」 「ぐ…」 「いつも冒険組合を通さず直に会うのも、仲介の費えを減らすためであろう」 「ぐぐ…」 「こうして依頼主殿と逢瀬を重ねるのも好ましいものだが」 「近い近い…距離をとれ距離を冒険者」

帽子男 @alkali_acid

「身持ちの固いこと。護符ばかりつけて。誘惑除けに催眠除け、隠身破りにこれは？」 「時止め封じだ。ええい返せ。胡乱の輩と会うのに当然の用心だ。手癖の悪いやつまじで盗賊と魔導士両方の技が使えるのかずるではないか」 「いずれにせよ心配性の依頼主殿の気遣いはありがたいが、拙者には無用」

帽子男 @alkali_acid

「気遣いなどしておらぬ。意味深にしてくるでない。だいたい気遣うならうら若い乙女を淫罠の仕掛けられた迷宮に送り出したりせぬから」 「照れる」 「（ｲﾗｯ）」 「だが性別が女の方が使える呪文が多いのだぞ」 「えぇ…なん…盛りすぎではないか…何か異常なこだわりを感じるぞ…」 「左様」

帽子男 @alkali_acid

「まあよい…そちの働きで、領内の淫罠つき洞窟はだいたい虱潰しにできた…奥底に巣食う触手や液妖の首もあらかたはねたし…首をはねる…やはり納得が…」 「こう…苦無が自然に探り当てるというが」 「というかその武器、形状からして投擲用の気がするのだが…」 「首をはねるのに役立つ」 「…」

帽子男 @alkali_acid

「では最後の報酬だ」 「金貨をけちらぬのが依頼主殿のよいところだ」 「それで質のよい防具をそろえろ。全身甲冑とか」 「断る。ほかに頼みはないのか？」 「…いや…淫罠さえ片付けはもうそちのようなおなごを危うきにさらす必要もない」 「さみしいことを」 「近い近い距離をとれ冒険者」

帽子男 @alkali_acid

「…」 「…」 「ふ…ひまになるなら、またこのあたりの王の城にでも忍んでみるか」 「よしよし楽しいことは何もないからやめような」 「どうかな。今度はあの隠身破りや誘惑除けの護符で満ちたやけに固い守りもくぐり抜けられるやもしれぬ」

帽子男 @alkali_acid

「この国は貧しく城の庫は空と聞くなあ！！」 「金貨はたくさんもらったことだし…かわりにこちらから土産を置いていってもよい。はねた触手の首とか。まだ動くようだぞあれは」 「ややややめぬか」 「青い顔もそそるな依頼主殿」 「ぐぐ…実は次の仕事がある」 「そうこなくてはな」

帽子男 @alkali_acid

「し、忍び込むなら…よその城がよい…そうだ。なるたけ遠方の…庫にも宝が満ちた大国の…美貌と勇武で名高い氷の貴公子とかの身辺を探って参れ…なんならそのまま良い仲になるのも勧めるぞ」 「ふむ…では首尾はまたこの旅籠で…二人きりでな依頼主殿」 「近い近い距離をとれ冒険者…それと…」

帽子男 @alkali_acid

「何か？」 「さすがにこたびは着衣をせぬか」 「断る」