こういう系の夢の常なのだが今回も逃亡ルートは天井裏だ。小さい小部屋が立体的に繋がった造りで、時に時空や重力が歪んでいる(やっと夢らしくなってきた)。
2016-04-21 02:47:07天井裏で過ごす数日間のうちに、城の状勢が大きく変化したのがわかった。高い戦闘力を持つ人間の小集団が新人類に最後の反抗を仕掛けたのだ。すぐ鎮圧されると思いきやそうとう念入りに計画したらしく、戦いは町や森にも広がって大きな戦争と化した。
2016-04-21 02:52:34混乱の中、私も天井裏の迷路で男の子とはぐれた。ここは基本的に安全なはずだがどこに行ったんだろう。必死に探すうち全面に金箔を貼ったゴージャスなふすまにたどり着いた。
2016-04-21 02:55:50そのふすまを開けると、また同じふすまがあり、それを開けるとまた同じふすまがあり、計三枚の金色のふすまを開けると、すごい広くてゴージャスな部屋だった。数十畳の畳の真ん中に豪華絢爛な着物を着た女の人がキセルをふかして座っていた。
2016-04-21 03:00:15「わしが八代将軍吉宗じゃ」と女性。言ってることはアホだが彼女がこの城の支配者、新人類のトップに違いなかった。「自力でここまでたどり着いた人間は初めてじゃ…嬉しいのう」ふふふと笑う
2016-04-21 03:02:41「・・あなたの城が、人間の反抗勢力に攻められています」「そのようじゃの」「手を打たないんですか?」それだけ彼女の身のこなしはのんびりとしていた。「必要はなかろう、我が兵等は優秀じゃ。時間はかかっても鎮圧するじゃろう。」
2016-04-21 03:07:26「それより問題は、わしの一族はいずれ滅びるということじゃ」吉宗の言わんとするところがわかった。「人間がこんなに損得感情が苦手とは思わなんだ。お互い損をするとわかっていて戦いを挑むとはの。今は静かな外国もそのうちやってくるじゃろ・・」
2016-04-21 03:10:59「そんなしけた話はよい。そちの願いを申せ、何でも叶えるぞ」そうだった。吉宗はこの城の支配者。それはそのままこの夢の支配者であることも示す。できないことはないのだ。「・・では、私を家に帰らせてください。」もう私は疲れていた。
2016-04-21 03:14:16この長い夢の中で何度も死んで、省略した部分も含めていつも生きるか死ぬかの緊張感の連続で、いい加減疲れたのだ。夢を中断して深い眠りに移行してもいいが、それだと夢の内容を忘れてしまう。いい出会いもあったので忘れてしまうのはもったいない。
2016-04-21 03:19:26今すぐ現実の世界に帰りたいという意味で家に帰りたいと言った。夢の支配者に直接会えることはなかなかない。スッキリと目覚めさせてくれるはずだ。吉宗は「ふふふ、いいだろう」キセルをくるりと回し、そこで途切れた。
2016-04-21 03:22:30