作家・樋口毅宏が振り返る、cakesの問題の本質
樋口毅宏(ハードボイルド育児作家)、19冊目の著書。8月31日(木)発売。KADOKAWAより。
やっぱりcakesについて書いておきます。cakesの上層部サイドは一時期、ほぼ連日炎上を起こしておきながら、どうして世間が怒っているのかまったくわかっていませんでした。 なぜそんなふうに断言できるかというと、僕はcakesで育児日記を長期連載していましたが、毎回担当編集者が修正、
2022-05-26 12:08:21あるいはエピソードごと削除を求めてきました。それらの大半が「いくら何でもビクビクしすぎじゃないですか。そんなところで怒る読者はいないのでは」と、見当違いな箇所ばかりでしたから。 この、平たく言うと表現規制に、連載をやめる方々もいました。
2022-05-26 12:10:53「〝クリエイターが生み出したコンテンツをちゃんと読者に届けることが、編集者の大事な仕事なんです。〟? いったいどこが!」 cakes経営者のインタビューを読んでいた弁護士の妻は僕より怒っていました。 小説を寄稿したところ炎上を恐れて、著者の僕に断りもなく掲載から削除したこともあります。
2022-05-26 12:15:05「なんでそんなところで長らく書き続けていたのだ」と思う方もいるでしょう。僕は作家になる以前はエロ本会社で働いていましたから、版元の事情というものに多少なりとも耳を傾けることができるのだと思います。それに古い人間なので、電子だから少しは妥協できたのだと。紙だったらこうはいかない。
2022-05-26 12:28:43そういうわけで、あきれること多々ありましたが、そうした環境の中でもベストを尽くそうと考えました。 cakesが炎上騒動を起こすたび、担当と打ち合わせがありました。ツイッターを覗くと、面白おかしく騒ぎ立てている人も少なくありません。打開策を求められたので、僕は担当に直接、
2022-05-26 13:08:52その後もメールで妻と考えた提案をしました。 「文藝春秋社と提携を結んだのなら、文春の編集者にも原稿に目を通してもらうといいですよ。文春は長年の知識からマニュアルを持っていますから」 しかし聞き入れてもらえなかったようです。
2022-05-26 13:11:30私見ですが、cakesというフォーマットを発明したものの、移り変わる世の中の考え方といったものを経営者サイドがまったく理解できていなかった。 僕の担当は有能な方で、その後編集長になりました。おそらくは書き手と上層部の板挟みになり、体力的にも精神的にも疲れ果ててしまったことでしょう。
2022-05-26 13:20:52お疲れ様でした。 記事の数も才能ある書き手も揃っていたのに、ここ1、2年は迷走の挙げ句、サイト閉鎖。それらがすべて消えるのは「もったいない」の一語に尽きます。育児日記以外にも多くの原稿を預けている僕に、cakesから事前の連絡はありませんでした。
2022-05-26 13:23:51多くの読者に紹介してもらい、お世話になってきたという気持ちはあります。しかし、cakesは最後の最後まで責任というものが欠如したメディアでした。終
2022-05-26 13:25:27ここらへんも読めなくなるので今のうちに。 『小説・イチローになりたかった男』 炎上を恐れて、断りもなく削除されたことがありました。 cakes.mu/posts/25003
2022-05-26 14:33:33@byezoushigaya こういうタイミングなので書きますと幡野さんの人生相談の連載が僕は好きでした。 ただ、上辺だけの対応になりつつあるメディアのあり方はどうなのだろうとこの騒動で考えさせられますね
2022-05-26 20:03:01原稿データは返せる事になったそうです
原稿データ返すって。突然のサイト閉鎖宣言に、他の書き手も驚いたし、怒りの声が相次いだのでしょうね。しかしいつも通りの後手後手……。これがcakesクオリティ。 twitter.com/cakes_PR/statu…
2022-05-26 17:20:31【20:45追記】 サービス終了にあたり、クリエイターの方への原稿データお渡しなどの対応を追記いたしました。 cakes.mu/posts/35370
2022-05-25 20:51:41連絡してこねぇ奴の原稿は知ったこっちゃねぇって随分だわね、昔の漫画編集部かよ cakesサービス終了のお知らせ cakes.mu/posts/35370 pic.twitter.com/5OQhLyFRGc
2022-05-26 08:22:07