茂木健一郎氏 @kenichiromogi 英語圏の文化と同化することではない【グローバライゼーションなんてふざけるなと思う瞬間がある】についての連続ツイート

2011年9月24日 茂木健一郎氏による連続ツイート 【グローバライゼーションなんてふざけるなと思う瞬間がある】について ……グローバライゼーションなんて、ふざけるな、と思う瞬間がある。インサイダーにしかわからないこと。だからこそ英語で超新星爆発のように日本のことを表現すべきだと思う。それが「交通」というものであり、国際化時代における貿易というものであろう……
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茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 今日は、寝坊して移動中なので、途切れたりするかもしれません。ご容赦。

2011-09-24 09:50:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぐふ(1)ぼくの好きな芸人さんに、女楽という人がいた。頭がてかてかで、色艶がよく、曲芸をした。口調が洒脱で、いかにも道楽をした人、たくさんの女の人に好かれた人という気がする。「最後に、コマをしまうところをお見せします」と言うのが、オチだった。

2011-09-24 09:51:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぐふ(2)女楽さんの高座をぼくが見始めたときには、女楽さんはすでに高齢で、若いときにはさぞや美男子だったに違いない、と思うけれども、その面影は色っぽくくっきり残っていた。そのお話をうかがったら、面白かったに違いないとは思うが、もはや果たすことはできない。

2011-09-24 09:52:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぐふ(3)なぜ、そんなことを言うかといえば、最近、向島の「かど」を知っている人がいて、その「かど」のおじいちゃんが、女楽師匠に雰囲気が来ていることを思いだしたからだ。「かど」は、知る人ぞ知るジュース専門店。「活性生ジュース」が名物である。

2011-09-24 09:53:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぐふ(4)今は、先代の息子さんが「かど」を継いでいるのではないかと思う。確か、大学を出たあとに、他の仕事をやるんだかやろうとしていた時に、「かど」を継ぐ決心をしたのではないかと思う。その先代ははとにかく色艶がよく、向島の色気をたくさん吸って生きてきた、という感じの人だった。

2011-09-24 09:55:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぐふ(5)女楽師匠にしても、「かど」の先代にしても、あの色艶は日本の風土でないと決してできない。日本語を使い、日本語にひたり、日本語で色恋を交わして初めてできる光。泥団子がぴかぴか照り輝くように。

2011-09-24 09:56:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぐふ(6)女楽師匠や、「かど」の先代のような男の老境のようなものは、たとえばやれヘッジファンドだ、ダボス会議だ、IMFだなどと飛び回っている人には絶対に生まれない。つまりは、徹底してローカル、日本だけのことである。それでも、そこに興行きと深みがあることを、ぼくは知っている。

2011-09-24 10:07:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぐふ(7)結局、ぼくが主張していることは、決して英語圏の文化と同化することではない。英語は単なるツールである。それで、何を伝えるかと言えば、どちらかと言えば女楽師匠のあの色艶や、「かど」の先代の人生の機微を知り尽くした面持ちだ。それらの宝石を、贈り物として差し出したい。

2011-09-24 10:09:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぐふ(8)グローバライゼーションなんて、ふざけるな、と思う瞬間がある。インサイダーにしかわからないこと。だからこそ英語で超新星爆発のように日本のことを表現すべきだと思う。それが「交通」というものであり、国際化時代における貿易というものであろう。

2011-09-24 10:10:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぐふ(9)その人となりや、その場の気配や、「今、ここ」のきらめきのようなものは、言葉では伝えきれないし、しかしだからこそ伝えようとする価値がある。ゲイシャやフジヤマ、今じゃオタクのふざけたガイジンの日本理解をぶっとばす責任は、もちろんオレたち日本人にある。猛然と英語やれよ。

2011-09-24 10:12:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「グローバライゼーションなんてふざけるなと思う瞬間がある」ことについての連続ツイートでした。

2011-09-24 10:12:44