死刑廃止と死刑存置の考察(刑罰論的なアレ)

刑罰論からの簡単な死刑廃止論と死刑存置論。そんなたいへんなものではありません(汗
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🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

「刑罰」というのは人権を制限する制度と言い換えることができると思います。生存権という尤も根本的な権利を制限するのが「死刑」ということになると思います(・ω・) それに対して「社会契約上そこまでの制限を受容するはずがない」というのがベッカリーアの死刑廃止論の概要ですね

2022-07-27 10:36:27
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

それに対して「犯した罪の重さに応じて刑罰の軽重をつける」というのが応報刑の考え方で、「人を殺したものは必ず殺されなければならない」としたのがカントになります。 ただこれはタリオ(同害報復)から離れきれていない、ちょっと古びた考え方かなーと(・ω・)

2022-07-27 10:40:55
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

ただ応報刑の「犯した罪の重さに応じて刑罰の軽重をつける」という考え方は、社会契約上圧倒的多数の支持を受けると思うのですよね(・ω・) ここまでが前置きです。

2022-07-27 10:42:54
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

応報刑は「犯罪の軽重に比例して刑罰をかけるシステム」ですから、この面でいうと拘禁刑(懲役刑・禁固刑)また罰金刑というのは概ね使いやすい刑罰となります(・ω・) まぁこれも年齢や資産に応じて不平等を生むわけですが、まぁそれはさておき。

2022-07-27 10:45:25
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

ともかく拘禁刑(懲役刑・禁固刑)・罰金刑は犯罪の軽重に合わせて処分ができるというのがメリットとなります(・ω・) しかし死刑(無期刑もそうですが)というのは明らかにこの条件を外してしまうという特徴があります。

2022-07-27 10:48:09
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

例えば3人殺と19人殺の事件を比較した場合、後者をより重く罰しなければならないはずですが、それができない。応報刑としては例外的なものになります。 以前から「応報刑論からしか死刑廃止は演繹できないのではないか」というのはこの特徴から主張しております(死刑廃止賛成という意味ではなく)

2022-07-27 10:50:57
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

「応報刑」というのはおそらくほぼ社会的正義(≒共通する価値観)と言っていいと思いますので、前近代的な刑罰論にもこれは反映されていたのでしょう。 すなわち、「家族も処罰する」「処刑方法に軽重をつける(=酷刑)」などがそれに当たるのではないかと。今でもこういう人はそれなりにいますね

2022-07-27 12:28:33
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

多くの死刑廃止論者が応報刑を否定し、「刑罰には目的がなくてはいけない」という目的刑論に立つのはよくよく考えないといけないと思っています。 例えば「犯罪抑止のために刑罰がある」とすると刑罰が重ければ重いほどその目的を達成してしまうわけです。

2022-07-27 12:35:56
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

また目的刑の派生で「更生するための刑でなければ……」という教育刑論も、「10人殺したあとめちゃくちゃ反省している犯罪者」と「インク一瓶盗んだあと再犯する気満々な犯罪者」では後者を重く処罰しなくちゃいけなくなります(極論ですよ、極論)

2022-07-27 12:40:01
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

結果としてやはり現代の刑罰理論である「相対的応報刑」に立つのがやはりよろしいかとおもうわけです。

2022-07-27 12:41:07
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

刑罰のベースが応報であるとすると、「死刑と無期刑は応報という要素を持っていない特殊な刑罰である」という主張に説得力を持たせなくてはいけません。 個人的には「国家による国民保護義務の放棄」というのが近い説明になるかと思います。

2022-07-27 12:45:45
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

憲法による「個人主義(=累坐刑の禁止)」また「残虐刑の禁止」の拘束を解かない限り、死刑には軽重がつけられない。どうしてもこれは説明が必要なことであるとするとひねり出せるのが「国家による国民保護義務の放棄」かなと。 この場合「国家と個人による戦争状態」に入るわけです

2022-07-27 12:49:31
🇺🇦小動物を愛するしんさん🇺🇦 @aphros67

社会契約が失われた以上戦争状態になり、犯罪者は国家の成約に服する必要はありませんし、国家は犯罪者を殺すことができる、これが死刑存置理由になるとは思います。 勿論異論はあるでしょうが、いまのところ死刑存置の理由としてはこれかなと考えています(・ω・)

2022-07-27 12:51:32