国際法は「法ではない」からこその「国際法学者」の役割とは何か

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酒井啓亘(Hironobu Sakai) @UtBeneVivas

和田春樹「法律的な解釈で今回の問題に対処しようとするのは幻想です。」←国際法学者の存在意義とは? ロシアによるウクライナ侵攻 どうやって終わらせるべきか? | NHK国際ニュースナビ www3.nhk.or.jp/news/special/i…

2022-07-30 11:15:09
酒井啓亘(Hironobu Sakai) @UtBeneVivas

ハードケースだからこそ、どこまで現行法が適用可能かを検討するのが(国際)法学者の役割。安易に「正義」を持ち出したり、さらにその前提概念を措定する前に、自分たちが社会で活動するために合意したルールを思い返すべき。

2022-07-30 11:19:19
酒井啓亘(Hironobu Sakai) @UtBeneVivas

現前する武力紛争にさえ、必ず法的側面はあるのだから、国際裁判に紛争を付託する対処は幻想ではない。武力行使の合法性問題はICJに係属中の事件で主張を行えば適切に判断される。ドンバスの人権侵害問題は、欧州評議会に復帰して欧州人権条約の国家間申立でウクライナを訴えればよい。

2022-07-30 12:19:59
酒井啓亘(Hironobu Sakai) @UtBeneVivas

いずれの側からも都合よく主張できる「正義」に依拠するのではなく、まずは自らもその内容に同意している国際法規則に基づくべき。往々にして「正義」のために行われる戦争も人類はその英知を集めて法的に禁止した。自国の安全保障という「正義」のために戦争は正当化され得ない。

2022-07-30 12:20:48
酒井啓亘(Hironobu Sakai) @UtBeneVivas

国際法は侵略戦争を禁止しているが、罰する枠組みがないので「努力目標」にすぎないという主張は、国際法には強制性がないから「法」ではないという言説と同じ。国際社会での「共通言語」である国際法を軽視するのは、自ら「停戦」のための対話の機会を放棄する矛盾を示すもの。

2022-07-30 12:21:23
酒井啓亘(Hironobu Sakai) @UtBeneVivas

国連総会決議はその時点での国際社会の多数意思を表す。意見の違いは尊重されるとしても、多数の意思を否定することは、それが領土保全や武力不行使など国際法の根本的な原則に係る場合、国際社会の根幹を揺るがせることは確か。国連の組織維持は国際法原則に先行しない。

2022-07-30 12:23:52
酒井啓亘(Hironobu Sakai) @UtBeneVivas

国際法は確かに国家の行動に影響を与える要因の1つにすぎない。しかし、対立する活動を制御するには、客観的なルールを出発点とせざるを得ないこともまた事実。この問題で有識者と呼ばれて発言する人はもっと国際法を勉強すべき。

2022-07-30 12:36:43