東大のチー牛立て看板に圧力をかけて撤去させたという事件に対してアンチフェミ勢力が出動する

2022年7月29日、それ以前から東大の敷地内にあったとある看板に対し、何らかの経緯で撤去が行われたと、東大関係者を名乗る謎のアカウントがツイートをした。その看板の内容がいわゆる弱者男性論に言及するものであったため、ツイッター上で定番となっているフェミVSアンチフェミの小競り合いが発生した。
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弱者男性という概念を是認するとフェミニズムの正当性が成立しなくなる。男が弱者であるとしながら、かつ女が弱者であり、女が男に対して強者であるとするのは、正義の共感主義においてどちらがより優先される正義であるのかが不分明になってしまう。そこでフェミニズム陣営は、言葉を弄して男性が弱者であること、男性が共感されるべき立場であることを否定しようとする。あるいは弱者男性論自体を無視する。ここで両陣営の間で「弱者認定バトル」がくりひろげられることになる。

今回の立て看板の事件は、最低限上の内容を頭に入れた上で見なければならない。この事件は「生殖の権利を訴える看板があると、劣った男は権利を剥奪されている弱者であるという言説が広められてしまい権力勾配がおびやかされ、また女が劣った男の生殖のために利用されるということに対する負の性欲が発動するので、看板を女性差別に当たるものとして排除することにした。しかし正直にその旨を述べると露骨すぎるので、『男は権利を剥奪された弱者ではなく、女の権利を侵害する存在である』とし、弱者男性論を否認し、女を弱者であるとする対抗的言説をかかげた。それに対し、アンチフェミニズム陣営は弱者認定バトルをふっかけられたとして攻撃をしかけた」という解釈になる。

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