ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル #5

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

片方はヘッジホッグ、もう片方は新手のザイバツニンジャか。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン、グラディエイターです」隻眼の手練ニンジャはバックラーとグラディウスを構えてオジギする。フジキドもタタミを焦がしながら急ブレーキをかけた。足の裏についたクローンヤクザの血が煙となって消える。

2011-09-26 21:50:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ、グラディエイター=サン、ニンジャスレイヤーです」そしてジュー・ジツの構えを取り、間合いをはかる「……オヌシ、ザイバツの古参か。その名を知っているぞ。マルノウチ抗争の夜、ネオサイタマへと遠征したな?」「……ならばどうした?」グラディエーターはタタミに唾を吐きながら答える。

2011-09-26 21:55:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「オヌシはすぐには殺さぬ……聞きたい事があるのだ」ニンジャスレイヤーはその目を殺意に燃え上がらせ、「忍」「殺」のスリットから蒸気めいた息を吐いた。何故ニンジャスレイヤーは、初対面であるはずのグラディエイターの名を知っているのであろうか?……その秘密は、ソウカイヤの電脳室にあった。

2011-09-26 22:03:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ソウカイヤの根城であるトコロザワ・ピラーを襲撃したあの夜、ナンシー・リーは電脳室からパンチドテープを密かに持ち出し、これを解読していた。そこには、フジキドの妻子を殺し、彼自身にもまた瀕死の重傷を負わせたあの「マルノウチ抗争」に関して、ソウカイヤ側の機密データが収められていたのだ。

2011-09-26 22:08:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

((マルノウチ抗争の引き金を引いたのは……))看護ベッドに横たわりながら呟くナンシーの声が、フジキドのニューロン内で再生される((ザイバツ・シャドーギルドよ。ネオサイタマを支配下に置くべく、あの夜、彼らはスゴイタカイ・ビルとそこで商談中のラオモトを襲い……全面戦争が始まったの))

2011-09-26 22:14:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

このパンチドテープには、ニンジャソウル憑依者データベースであるソウカイ・ネットに登録されていた、十数名のザイバツ・ニンジャの情報も含まれていた。その多くは、マルノウチ抗争の尖兵となって、スゴイタカイ・ビル爆破計画を進めたニンジャである。グラディエイターはまさにその一人であった。

2011-09-26 22:18:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「マルノウチ抗争がどうした?え?」ヘッジホッグにバックアップを任せ、バックラーを前方に突き出しながら、じりじりと間合いを詰めるグラディエイター。「……あの抗争で、どれだけの民間人が巻き込まれたか知っているか?」とフジキド。「知らん。俺に説教を垂れるつもりか、ネオサイタマの死神が」

2011-09-26 22:24:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

両者の間合いは、タタミ5枚。互いの力量を推し量りながら、眉間に汗を滲ませる。「イヤーッ!」機先を制するように、ニンジャスレイヤーが立膝からスリケンを投擲!「イヤーッ!」ライオンが描かれたバックラーで巧みにこれを弾き返すグラディエイター!ワザマエ!乾いた金属音が鳴り、緊張感が走る!

2011-09-26 22:29:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

さらに摺り足で間合いを詰める両者。ニンジャスレイヤーのカラテとグラディエイターのグラディウス・ドー。いずれも至近距離が必殺の間合いである。「私怨か?」高まる緊張感に昂揚し、グラディエイターは剣闘士の笑いを笑った「まさか、そんな他愛も無い理由で、崇高なるザイバツに戦いを挑むのか?」

2011-09-26 22:39:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「見せてやろう」拳に力が篭る「その他愛も無い者に何ができるか、見せてやろう!」。その直後、両者は激突した!繰り出されるグラディウス!必殺のカラテ!ヘッジホッグの遠隔操作マシンガン6挺が火を吹く!光学迷彩フロシキを脱いで姿を現したフォビアが吹き矢を吹く!危うし、ニンジャスレイヤー!

2011-09-26 22:56:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ブッダシット!何の騒ぎだ!」尋常ならざる騒音を聞きつけた鉄道警備員チーフが、マケグミ車両側のドアを開けて飛び込んできた。チーフの証として頭には紅い兜を被り、威圧的なサイバーサングラスで目元を隠している。その両手にはこれまで何百人をも撲殺してきた伝説的な警棒が握られていた。

2011-09-26 22:59:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

相手がただの乗客であれば、それは一瞬にしてイカに変わっただろう。だが実際は闇の中から投げ縄が飛び来たり、彼の首を捕らえたのだ!「アバッ!?」直後、彼の逞しい体は勢いよく天井へと引き上げられる!ナムサン!首の骨が一瞬で粉砕され、絶命!彼の体はマグロめいた首吊り死体へと変わったのだ!

2011-09-26 23:09:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「呆気ねえ。肩慣らしにもならねえな」ヌーズマンは自らの武器であるバイオ強化投げ縄を回収しながら吐き捨てた。「ニンジャスレイヤーがいるとは想定外だ」ホースバックは自らのケブラー・グローインガードに突き刺さったスリケンを引き抜きながら相棒に言う「急いでこの車輌を切り離し、ずらかるぞ」

2011-09-26 23:15:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナムアミダブツ!何たる恐ろしい計画か!彼らは貨物車輌以降を切り離し、列車強盗団の餌食とするつもりなのだ!そうなれば、マケグミ車両の乗客が辿る運命は……おお、ナムサン!「だが待て相棒」ヌーズマンは両耳に手を当て、微かな物音を聞き取ろうとした「そこの鋼鉄棺桶から何か聞こえないか?」

2011-09-26 23:24:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「鋼鉄棺桶だと?」ホースバックは相棒が指差す先を見た「何も聞こえんぞ。ジェットエンジンの音だろう。それより切り離しを急ぐぞ」。「いや、確かに聞こえた。中に何か入っているかも知れん」ヌーズマンは部屋の隅に立てかけられた鋼鉄棺桶へと近づく「重要な何かが」

2011-09-26 23:34:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「見るだけさ」ヌーズマンは鋼鉄棺桶の前に立ち、覗き窓を開いた。インガオホー!火花を散らし、棺桶の中から鎖付き高速回転バズソーがハト時計のハトめいて飛び出す!ヌーズマンの両眼と平行にバズソーが食い込み、なおも回転!「アバババーッ!!」ニューロンを破壊され、体は無自覚なダンスを踊る!

2011-09-26 23:38:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

何たるジェノサイド!頭をスライスされたヌーズマンの死体はもんどりうって倒れ、爆発四散を遂げる!「ワッツ!?」ホースバックは眼を剥き、左腰の牛革ホルスターに吊った拳銃を反射的に抜いた!一体何が!?火花を散らしたバズソーは棺桶の中に戻り……その直後、内側で激しいバズソー回転音が鳴る!

2011-09-26 23:42:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

チュイイイイイイイイン!2つのバズソーの刃が鋼鉄棺桶の蓋を四角く切り裂いてゆく!「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」恐怖に呑まれたホースバックは、左腰近くで握った拳銃のトリガを右掌で押さえ、連射の構えを取ったまま身動きできぬ!一瞬の静寂の後、切断された蓋が内側から蹴り壊された!

2011-09-26 23:47:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!!ホースバックはニンジャ反射神経と超人的な手首スナップの速度によって、マシンガンめいた速さでピストルの全弾を射出した!カラン、カランと薬莢が転がる。「……殺ったか?」

2011-09-26 23:52:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバーッ……」鋼鉄棺桶の中から、それは忌々しい死者の呻き声とともに歩み出た。唇の無い口から、アルコール臭い瘴気が吐き出される。コートに6個の穴が穿たれているが、腐り行く死体に銃弾を撃ちこんでも意味は無い。ホースバックは硝煙の向こうにその化け物を見た。鎖付バズソーが回転を始めた。

2011-09-26 23:57:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……ふざけやがって」怪物はだらりと垂らした両袖の下でバズソーを回転させながら歩み出る。その脊髄と棺桶内のシリンジ群を繋いでいたチューブがブチブチと切断される。彼を弱体化させていたアンタイゾンビウイルス定期注入装置は、ニンジャスレイヤーのキックによって偶然にも破壊されていたのだ!

2011-09-27 00:06:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ、ホースバックです。そのバズソー、貴様はもしや!ソウカイヤを裏切ったリー先生の犬だな!」ホースバックの心にラオモトへの忠誠心が蘇り、恐怖を塗りつぶす。「俺は!」ゾンビーニンジャは右の鎖付バズソーを頭上で一回転させた後、火花を散らしながらこれを投擲した!「ジェノサイドだ!」

2011-09-27 00:14:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」ホースバックはニンジャ反射神経とニンジャデクスタリティを駆使した超人的な高速弾込めを行った後、両手を使った三連射をバズソーめがけて繰り出す!1発!まだバズソーは止まらない!2発!勢いが弱まる!3発!バズソーの動きが止まった!タツジン!

2011-09-27 00:23:55