ヒゲとボイン~能力と魅力をめぐる自己肯定感について~

最近門下生たちがこぞってリア充デビュー!? めんたね尾谷幸治の語る若者論
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めんたね @mentane

ここ最近、不登校系の相談が続いている。「学校へ本人が行きたくなければ無理に行かそうとしない方がいい」と多くのカウンセラーは言うわけだが、親は納得できない。そこでぼくのところに話がやってくる。

2011-09-29 13:11:32
めんたね @mentane

ぼくとしては「学校に行けるのならば行った方がなにかとあとあと楽ではあるけれど、本人が望んでいない時に無理に行かせることはできない。無理やり行かせることの弊害の方が大きすぎる。どうせ学校に行かないのならば、それを受け入れた方が問題はいい形で解決する」と考えている。

2011-09-29 13:13:45
めんたね @mentane

一応、学校に行くか行かないかは子ども自身の問題であって、親には直接の利害関係がないしね。そうはいっても、「わが子が学校にも行かず、勉強もせず、家でゴロゴロとされているのを見ると不快で仕方がない」と感じる親は多いであろうが。気持ちはわかる。

2011-09-29 13:15:26
めんたね @mentane

不登校にもいくつかのパターンがあって、まだきちんと僕の中で整理しきれていない。無意識的な親への抗議、メッセージとして不登校をやってるケースと、対人関係についての自信のなさが原因で、学校内で人と関わることに過剰にずれた方向に気を使ってしまい疲れ果てるケースは確実にある。

2011-09-29 13:21:12
めんたね @mentane

特に後者、対人関係についての自信のなさが原因となっているものがとても多いように感じる。そういうぎこちない振る舞いがいじめられることにつながっていったり、いじめられてはいないものの友達ができないという状態になってしまったり、はたまた、友達はいるのだがうまく関われずにストレスになる。

2011-09-29 13:23:39
めんたね @mentane

ユニコーンの歌で「ヒゲとボイン」というのがある。これは「仕事のできる上司(ヒゲ)のようになりたい気持ち」と「花見の時にキスしてそのあと何もない同僚女性(ボイン)と付き合いたい気持ち」の狭間で揺れる若手サラリーマンの歌だ。

2011-09-29 13:30:18
めんたね @mentane

この能力的問題と魅力的問題の両方を上手にクリアしないと人はそこで立ち止まってしまう。学生の場合は「学業やスポーツなどの能力的課題」と「友人との関わり、クラスに溶け込んで生活すること、恋愛などの対人関係的課題」となる。

2011-09-29 13:35:35
めんたね @mentane

「ヒゲとボイン」の場合は、歌詞の主人公は若手男性サラリーマンなので「ヒゲとボイン」で象徴されるわけだが、これは対象が女性になっても同じだ。とにかく能力課題をクリアしていくことと、対人関係を円滑に行うことは男女問わず重要だ。

2011-09-29 13:37:15
めんたね @mentane

ぼくは肩書としては「家庭教師」なので学業という能力課題をクリアさせればいい。ところが色々なケースを見ていると、対人関係でつまづいていることの方が多い。学生の場合は、彼らとしばらくお友達づきあいをしておくとその辺の問題は勝手に解決したりする。

2011-09-29 13:39:34
めんたね @mentane

正直、こっちとしても手詰まりなのでゆるゆると勉強を教えつつ、とにかく彼らとおしゃべりをして普通に対等に話す。彼らが考えていること、望んでいること、困っていること、なんでも聞き、こちらは普通に自分の意見を述べる。ただし強要しない。

2011-09-29 13:41:21
めんたね @mentane

そうすると、あるタイミングで勝手に子どもは自分で歩き出す。自分のやりたいことをはじめ、人の輪の中に飛び込む。これは大変不思議ではあるのだけど、今まで多くのケースで実際にそうであった。こっちとしては手詰まりだから、とりあえず、馬なりにおしゃべりして放っておいているだけなのだが。

2011-09-29 13:42:57
めんたね @mentane

このように比較的軽症の学生に対してはロジャース的やり方、受容・傾聴はよく効果を発揮する。僕の場合は、傾聴しつつも質問をたくさんして「あなたの望みはなんですか?」ということを常に問うようには心がけているけれども。多少、思考の整理はお手伝いするようにしている。

2011-09-29 13:44:41
めんたね @mentane

なぜ、傾聴スタイルでうまくいくのだろうか?と考えてみると、学生で人間関係がうまくいかない子たちの多くは「ただそこにいる」ということができないからだと思う。

2011-09-29 13:45:49
めんたね @mentane

「ただそこにいるのでは、目の前の他者からは受け入れられないのではないか?」このような気持ちが強い。そこで変なことをやったり、特別優秀、有能であろうとしたり、必死で相手に媚びたり、まあ、色々とやる。それが逆効果になる。

2011-09-29 13:47:03
浅生楽lagueoutte.bsky.social @Asailuck

@mentane 年齢的に若いうちは傾聴と適度な「いじり」で十分ですね。歳を食うと能力ラインも魅力ラインも参入障壁が高くなってくるので手詰まり感が強くなってきます。

2011-09-29 13:47:31
めんたね @mentane

@Asailuck そうなんですよ。若いうちによい味方を見つけるのは大事だなあと思います。魅力ラインでこけちゃうと、能力ラインの努力もできなくなりがちなんですよね。彼らを見ていると。能力ラインの努力も手につかなくなる。

2011-09-29 13:50:43
めんたね @mentane

なぜ若者の多くは傾聴スタイルで問題が解決するのかというと、多分そのように他者から話を聞いてもらえることで「私は普通にその場にいて、普通に思ったことを話し、普通に思っていないことは話さなくても受け入れてもらえる」という他者に対する信頼感を身に付けるからだと思う。

2011-09-29 13:53:56
浅生楽lagueoutte.bsky.social @Asailuck

@mentane 特に年上の、それもあまり利害関係の濃くない味方が必要かと。親とか教師とかは子供が結果を出さないと自分の利害に関わってくるので支配的にならざるを得ない。「お前はここが駄目だ!」と笑いながらも相手してくれる大人が必要です。

2011-09-29 13:57:06
めんたね @mentane

対人関係における過剰な不信感は能力課題にも影響を及ぼす。たとえば、人前でなにか能力課題を失敗したら「あいつはダメな奴だ」と周りから馬鹿にされてしまう、とつよく不安に思う。その結果、能力課題にチャレンジできなくなる。

2011-09-29 13:57:53
KuraganeKei @kuragane_k

@Asailuck @mentane 歳を食った出来上がった人を「いじり」と「お友達になるかはあなた次第」的な突き放し方を併用して、少しずつ崩していくのも面白いですよ。結果として怒らせて嫌われたとしても、そしてそれが上司でも仕方ないし、こっちは勉強になるし楽しいからいいんですが。

2011-09-29 13:59:23
浅生楽lagueoutte.bsky.social @Asailuck

@kuragane_k @mentane まあ、困った人に対してはそういう楽しみ方をするしかないですな。ゲテモノを頑張って灰汁抜きして食べるみたいな感覚。

2011-09-29 14:04:18
めんたね @mentane

対人関係の問題は「友達を作る」ということのほかに「異性と付き合う」というモテの問題も含まれてくる。思春期に入れば男女問わず、一般的には徐々に異性に対して興味を持ち始める。同性愛者とか一般的ではない性癖の人は別にして。(ややこしくなるので一般例に話を絞る)

2011-09-29 14:06:33
めんたね @mentane

モテでつまづく大きな要因は3つだ。1.異性と一度も付き合えないことがコンプレックスになっていく 2.異性と付き合ってフラれた時にその心理的ショックに対処できない 3.異性との付き合いに埋没してしまい、向き合うべき能力課題から逃避する

2011-09-29 14:09:14
めんたね @mentane

1は俗に男性の間では「DT(童貞)をこじらせる」などと表現される。30歳を過ぎて「年齢=彼女いない歴です」というような感じ。こういう問題や悩みは一般的に親に相談しにくい。それで健全だと思う。身近に相談できる友人がいればいいのだが、他者に対する信頼をもてない人はそれも難しい。

2011-09-29 14:13:20
めんたね @mentane

若者が最初の恋愛関係をスタートするとしばらくの間、それに埋没する。特に他者への信頼感を広く一般に持てていない人ほど「この人は自分をわかってくれる、この人しかない!」と自己肯定感を源を「恋愛相手が自分を好きでいてくれる」ことに求め、そこに心理的に依存するようになる。

2011-09-29 14:22:49