石工の魔女の石像の伴侶達・超短いやつ、水晶の乙女と奇跡の欠片持ち来た泥棒

屑望喜納子 @motikinako_kuzu

石工の魔女の伴侶の一人に水晶の乙女がいる。透き通った身体の中、下腹部に魔法の泥がたまっていく様子が視認できるのは姉妹達からも「エロい」「ヤバい」「非合法」と絶賛されている。少女の透き通る身体に溜まっていく肉欲が写っているのはじっさいヤバい。

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彼女は全身が水晶なのだが、良く見れば左手の小指の先だけが水晶ではなく金剛石だ。何故かと聞けば彼女はにんまり笑ってその指を舐める。

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石工の魔女の伴侶達はその素材その物でありながらまた、生ける魔法でもある。灼熱の乙女は溶岩と熱が本質でありながら親しいものは触れる事がかなう。望ましい暖かさの熱になり、溶岩の身体はまるでただの柔らかな泥濘のように相手を包み込むことが出来る。純水の乙女は取り込んだ相手に呼吸を許す。

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だから砂の乙女も水晶の乙女も大理石の乙女も超常の可塑性と固さをあわせ持つ。石の様でありながら人肌のよりも柔らかいのが魔女の伴侶だった。

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ところがある日、小さなナイフを提げた女盗賊が盗みに入り、奇跡なのか超常的な技なのか、乙女達に気付かれることなく眠っている水晶の乙女に近より、小指をナイフで切り取ってしまったことがあった。

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これに似た事例は羽をもがれた白磁の天使くらいのもので、白磁の天使については天使の翼、という奇跡があまりにも石工の魔女の奇跡の御業に反発するから、翼を蝋で繋がざるを得ず脆かったということと、白磁の天使が人々に抵抗をしない性質であったことが大きい。

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ともあれ、本来は小さなナイフ程度では傷さえつかないはずの水晶の乙女の小指は失われた。強い魔法の宿る美しい芸術、その一端を懐に走って逃げようとする女盗賊は、しかし、ぐにゃりと足が歪んで萎えてその場に崩れ落ちた。

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混乱のままに足を見やると、ぺたりと異様に潰れた、中身のない足があった。そしてその先には無表情な石工の魔女の矮躯。

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「私はあなたから、対価を取り上げる」 そう宣告した魔女にいかなる抵抗も無意味だった。遥か古の神聖が込められた剣、その破片を加工したナイフでさえ、魔女の人差し指に触れれば熱もなく溶けて、小さな銀の珠に変わった。

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「動かないでね、工芸と……医療は、違うから」 工芸と医療は違う。けれども生体を工芸の材料には出来る。 魔女は女盗賊の身体を一つ一つ取り立てていった。 その結果、工作の結果に、生体の恒常性が失われようとも。指が触れれば傷もなく皮膚は開かれ、手が胎に埋め込まれ、肋を抜かれ、内蔵も。

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そうして女盗賊は、魂まで含めて圧縮されて、小さなひとつのダイヤモンドの固まりになるまで、徹底的に生命体としての恒常性を破壊され尽くした。それは大分前の話なので、姉妹の中にもその事を知らないものが多いのだが、

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水晶の乙女が小指の先を舐める時、時おり、どこからともなく女の快楽に泣きじゃくる声が聞こえて、水晶の乙女の下腹部では白濁の泥がとくん、とくんと溜まっていくのが見えるのだった。

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水晶の乙女が小指の先に人間一人圧縮しまくった超高純度ダイヤの義指をしているのは魔女様から言い出したことではなく水晶の乙女の方がまあ「あっ魂ごと加工されて石ころになっちゃったクズ女かわいいっ♡♡♡たくさん気持ち良くして壊してあげたいなっ♡♡♡」とか言い出したせいである。

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彼女は今でも元気に水晶の乙女の小指として責め苛まれている。もちろん身体は一つなので感覚は共有しており、水晶の乙女にとって小指を舐めることはかなりハイレベルな自慰行為に近い。元泥棒は数十年は泣きわめいていたが今はもはや諦めて水晶の乙女の一部として生活している。

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悪態をつく度に全身をちゅぅ～～～～っっっ♡♡てされてぐちゃぐちゃにされる。

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元々水晶の乙女は欠けることない美を誇っていた乙女で、美しい自分の身体を好んでいたため、小指が欠けた当初は姉妹達から心配されたものなのだが、今ではうっとりと小指を眺めて、時おりちろちろと小指を舐めてどこか幸せそうに暮らしている。小指はその度に泣きじゃくるが。

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つまりは、損ない、補うことはあるいは結ばれることなのかもしれないが。しかし魔女は元泥棒の全身を金剛石に加工したのは、単なる代金の取り立て。彼女の持つ全てを支払っても足りなかったから命から取り立てただけの事で、元泥棒に興味はない。

屑望喜納子 @motikinako_kuzu

円満なる美を欠いた元泥棒は石にされ、欠いたその円満を補うことを求められた。水晶の乙女は元泥棒の精神が崩れかけると「だめだよ、傷物にした責任、とってくれなきゃ……♡」と小指を撫でる。元より元泥棒はもはや水晶の乙女の一部なので、壊れようにも壊れられないのだが。