「舞台芸術環境の未来を考える」2010/5/7

早稲田大学21世紀COEプログラム/日本文化政策学会後援 司会進行:藤井慎太郎(早稲田大学)スピーカー:平田オリザ(劇作家、内閣官房参与)/伊藤裕夫(富山大)/松井憲太郎(プロデューサー、「キラリ☆ふじみ」館長)
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BofE @BofE2019

平田「一方で湘南台文化センター、これは太田省吾さんが監督をしていたが、こちらでは、自分の芝居のことを良くわかってくれた上で、演出上で非常灯を消せるようになったが、それを客入れの時(その時から役者がしゃべる)にアナウンスするということで調整したいがどうですか、と相談してくれた」

2010-05-08 04:03:14
BofE @BofE2019

平田「これが芸術監督の役割だろう。日本ほど背広とネクタイの人間が劇場にのさばっている国はない。世界一、少なく見積もって2千以上の劇場があるが、監督を置いているのは10もない。それを聞くと外国人などは"誰が決めるの?"と言う」

2010-05-08 04:04:39
BofE @BofE2019

平田「よく演劇を知りもしない背広組が、3千万とか5千万使って、自分の知っている有名人をプログラムしてしまう。そういう人向けの研修もここのところ充実してきているのは承知しているが、公共ホールのプログラミングや管理の権限をアーティスト・プロデューサーに取り戻さなければ」

2010-05-08 04:06:20
BofE @BofE2019

平田「貸館の問題について。水戸芸術館などを除き、公共ホールは演劇専用ホールではなく、集会場だったりする。地方自治法の"公の施設"と規定されているために、平等に貸し出さなきゃいけない。そのため、申込日に朝から役所に並んで、カラオケ大会などとバッティングしたら、ジャンケンやくじ引き」

2010-05-08 04:08:00
BofE @BofE2019

平田「今の法律では、そこでアーティストを優先すると、行政の法律違反になる。もっともここ10年ほどは各自治体が例外規定を整備して個別対応してきた。しかし根本的な対応が必要である。公の施設から特殊の施設に変える。今はまだ劇場の特殊性・専門性が法律で認められていない」

2010-05-08 04:09:36
BofE @BofE2019

平田「こうしたことには反論もあると思う。表現の自由を守ることに反する、あるいは政治の介入は良くないといった意見。しかし、日本は民主主義国家であり、むしろ危険視すべきなのは市場原理の芸術への介入の方ではないか」

2010-05-08 04:10:36
BofE @BofE2019

平田「アメリカの演劇の教科書では、プロデューサーに読んでもらうためには登場人物は4人まで、といったことが書かれている。そんな状況だからこそ、むしろ公的な助成で積極的に表現の自由を保障していかなければならないのではないか。公共性の鎖から逃れることはできない。」

2010-05-08 04:12:38
BofE @BofE2019

平田「フランスでは、年間予算6千万の小さな劇場でも創造に1500万かけて1つだけ公演を作る。1500万では創造には足りないので、別都市の劇場に巡回を買ってもらって5千万くらいファンドレイジングしてやる。1ステージは150万円くらい。翌年も3~4千万、その後も8千万くらい売れて、」

2010-05-08 04:14:09
BofE @BofE2019

平田「初期投資の1500万が1億の売上で1千万の純利を得て、それを次に回す。つまり地方劇場が互いに買い支える仕組みの中で新たな作品の創造ができている」

2010-05-08 04:14:59
BofE @BofE2019

平田「ドイツでは、もっと劇場が強くて、基本的にそこで作ってほとんどそこだけでやっている。もっともドイツやアメリカは道州制であり、自治体が強くて宗教も州ごとに違うので文化政策も違う。それよりは中央集権ネットワーク式と自分は呼んでいるが、フランス式が今の日本に合っていると思う」

2010-05-08 04:16:07
BofE @BofE2019

平田「将来的に英式にアーツカウンシルを作って各地域でやると言うのはあるが、今の日本には地方を支える人が足りない。だからいきなり地方分権してもだめで、まず中央集権でやらないといけないと考えている」

2010-05-08 04:17:17
BofE @BofE2019

平田「(演劇への)助成は増えるか?ということが聞かれるだろうが、減らさないようにする努力をする。増やすための根拠はない。既に、赤字助成とか後払いといった悪評高いシステムを改良することには着手している」

2010-05-08 04:18:38
BofE @BofE2019

平田「劇場への助成か劇団への助成か。演劇の創作主体は劇団から劇場に移りつつある。これは世界の趨勢であって仕方がない。だが、劇団と劇場の協働によって制作していくことも、劇場の予算を確保すれば増えるのではないかと考えている」

2010-05-08 04:19:48
BofE @BofE2019

平田「現状、政策からもれてしまっていること、例えば国立劇場をどうするのかとか、アーツカウンシルの問題。100億の分配を専門家に2日でやってもらうのは無理であり、ちゃんとアーツマネージャーをやとって、現場を含めて見させる機関をつくる」

2010-05-08 04:24:02
BofE @BofE2019

平田「また国立劇場は、現状のものに加えていくつか拠点になるものを作り、演劇学校もつくる。雇用ということで言えば、今年予算2億で200の学校に演劇・ダンスの授業を供給しているが、これを来年10億、できれば20億で2~3千校、最終的には予算200億で5000人の雇用を確保したい」

2010-05-08 04:25:52
BofE @BofE2019

以上で平田氏のプレゼン(1時間)終わり。

2010-05-08 04:26:22
BofE @BofE2019

次は討論。まずは伊藤裕夫氏。伊藤「芸術文化振興基金、国際交流基金、地域創造などの一体化の話があったが、最後に行き着くのはアーツカウンシルになるのでは?」

2010-05-08 04:28:16
BofE @BofE2019

平田「イギリスではアーツカウンシルが発達している。各地域、都市、ロンドンでは区にまでアーツカウンシルがあると認識している。しかし全くの真似をする必要はない。スタッフについては、国際交流基金で、天下りを一人やめさせればその金で5人のポスドクを雇える。」

2010-05-08 04:32:15
BofE @BofE2019

平田「ポスドクはエコノミーの座席でも、(安い給料で)ちゃんと見てきて報告書を書ける。そういう環境で任期付で調査員をさせて、それからプロデューサーになる人もいれば研究者になる人もいれば、いろいろキャリアにつなげる」

2010-05-08 04:34:35
BofE @BofE2019

平田「イギリスのアーツカウンシルでも半分はアーティスト出身。研究者やジャーナリストの出身者もいるようだ。みんながポスドクである必要はない。今の調査体制の問題は全部を見られないと言うこと。しかし30人のスタッフが年300本見れば9000本見られる」

2010-05-08 04:36:17
BofE @BofE2019

平田「それで興行の7~8割は東京だから、もう一つ関西支部くらいつくって西日本をカバーすれば、助成対象になる公演はほぼカバーできる。また、一つのアーツカウンシルに統合するのではなく、国際交流基金は調査研究機能をつけて伸ばし、地域創造も地域文化の特色を伸ばしてもらう。」

2010-05-08 04:37:55
BofE @BofE2019

伊藤「自分も以前から、芸術文化振興基金に調査部が必要という意見を言っていた。ところで平田さんの構想の中でアーツカウンシルは戦術的なものだと思うが、戦略的にはどうする?」

2010-05-08 04:39:13
BofE @BofE2019

平田「当面、文化省ができるまでは、国家戦略局が戦略をになっていく。観光やスポーツについても戦略がないが、これは文化と同じ。ソーシャルインクルージョンということについて、ヨーロッパでは劇場は社会的包摂の重要な拠点。私たちはもう成長しない社会にいる。それに見合った制度を」

2010-05-08 04:40:39
@sawa3

平田オリザ:政治の世界に関わるようになって、政策に文化面での風土がない。短期で職業訓練して、すぐに職が見つからないと、引きこもりで孤独死になる。雇用保険受給者が芝生をみるなんてけしからんなんて政治家ばかり。引きこもりは社会コスト化する。

2010-05-07 20:59:05
@sawa3

オリザ:引きこもりではなく、街や人間的な生活のコミュニティへ出さないと。デンマークでは6年無償で職業訓練が受けられる。成長が鈍化した社会は、職業訓練しても雇用が作りにくい。人類共有のの文化的な資産を作る。地域の劇場で作っていく。劇場法の意義。

2010-05-07 20:59:24
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