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コーヒーからカフェインを発見した話
コーヒーからカフェインを発見した薬学者フリードリープ・ルンゲは、学生時代にベラドンナという毒草の成分を研究していた。ナポレオンのロシア遠征に徴兵されそうになった友人が「腕を切り落としてでも行きたくない」と言ったとき、「俺を信じろ」と彼の目にベラドンナエキスを点眼し(続
2022-09-24 08:53:11承前)一時的に目が見えなくなった(ベラドンナエキスには散瞳効果があるが、効果が切れると戻る)友人は徴兵を免れた。その後、ルンゲはこの成分を分離し、師事していた教授の前で、猫の目に点眼すると光を当てても反応しなくなる実験をデモンストレーション(続
2022-09-24 08:58:10承前)さらにこれが、当時ヨーロッパ最高の知性と言われたゲーテの耳にも入り、彼の前で実験を披露することになった。若きルンゲの才能を認めたゲーテは、秘蔵していたモカ産のコーヒー豆を彼に渡して、その薬効成分の分離を勧め、その数ヶ月後ルンゲは見事カフェインを発見した。
2022-09-24 09:00:51以前、『現代化学』のコラムに書いたエピソードです。 twitter.com/y_tambe/status… twitter.com/y_tambe/status…
2022-09-24 09:04:26現代化学4月号が届きました。コーヒーと化学のコラム『カフェ・シミック』、今月のお題は「ルンゲと猫と老ゲーテ」 いつもとはちょっと雰囲気を変えて、カフェイン発見にまつわるエピソードです。 現代化学2021年4月号 - 株式会社東京化学同人 tkd-pbl.com/book/b561519.h…
2021-03-16 11:39:04なぜ、ゲーテがルンゲにコーヒーの薬効成分の分離を勧めたのか? 実はそれにもナポレオンが関係してる。ナポレオンが発した大陸封鎖令(1806)のため、ヨーロッパに砂糖やコーヒーが入ってこなくなった。そこでいろんな代用品が考案され、砂糖はテンサイから作る方法が見つかったが(続
2022-09-24 10:38:27承前)コーヒーについては、香味の似た代用コーヒー(チコリの根っこを炒ったものとか)が飲まれるようになったものの、コーヒーのような覚醒効果がある完全な代用品は見つからなかった。ルンゲがカフェインを発見した後、そもそもヨーロッパにはカフェインを含む植物が自生してないことが判明した。
2022-09-24 10:40:33本職は癌関連遺伝子研究者兼微生物学者。コーヒーの深淵を目指して潜り続ける毎日/Twilog始めました(12/8/2011-) twilog.org/y_tambe togetterのまとめ(主に自分用まとめ) togetter.com/mt/y_tambe
@y_tambe @kisei64 いい話でした。ありがとうルンゲさん!! いつもカフェインにはお世話になっております。
2022-09-24 12:11:39@y_tambe ゲーテ、お前だったのか…カフェイン剤調合に欠かせないカフェイン分離に歴史を進めたのは…
2022-09-24 09:57:37@y_tambe ちなみにベラドンナエキス(ベラドンナアルカロイド)から抽出されたアトロピンとその誘導体や代用薬は、今でも主に抗コリン薬として使われてるよ〜 散瞳作用は、瞳孔括約筋の収縮を抑制することで起こるんだけど、逆に散瞳による隅角の閉塞で閉塞隅角緑内障に禁忌だったり
2022-09-24 11:54:03サムネ用