TDK、有機EL事業撤退と有機EL照明について

TDKの有機EL事業撤退について
2
kikidiary @kikidiary

今日一番のニュースでございます。RT @wataru4: TDK、有機EL事業から撤退: http://t.co/gCzlQhOm

2011-09-28 20:19:17
kikidiary @kikidiary

TDKが手がけていたのは有機ELではあるが、いわゆるパッシブの有機ELであり、フルカラー化することに難航しており、展示会では何度もお目見えしたものの、殆どモノカラーの有機ELが主力事業だった。

2011-09-28 20:22:45
kikidiary @kikidiary

TDKは国内のパッシブの有機ELメーカーとしては先駆者であるパイオニアを抜き去り、世界市場でもパッシブではRITに次ぐ位置だったはずだか、価格競争が激しかったのは恐らく間違いない。台湾メーカーとの真っ向からの競争では利益など出やしない。

2011-09-28 20:24:38
kikidiary @kikidiary

TDKの中では表示体事業がどれ位他の部品事業とシナジーが出ていたかは謎ではあるが、主な用途はフルカラー化が難しいこともあり、携帯電話のサブディスプレイ用途が主流だった。折り畳み携帯電話全盛期はかなり多くの携帯電話にサブディスプレイとして搭載されていたはず。

2011-09-28 20:26:19
kikidiary @kikidiary

TDKの有機EL事業にとって不幸だったのは、スマートフォン特需を得られなかったことだろう。折り畳み携帯電話がiPhoneライクな全面静電容量タッチパネルのスマートフォンに置き換わるごとにサブディスプレイの注文は激減したはずだ。

2011-09-28 20:27:52
kikidiary @kikidiary

サブディスプレイ以外にも折り畳み携帯電話の衰退によりヒンジメーカーのストロベリーコーポレーションが倒産したりしている。スマートフォン特需に沸く日本の部品メーカーの中には、特需に預かれなかったメーカーもある、という格好の事例になった形だ。

2011-09-28 20:29:56
kikidiary @kikidiary

TDKはシースルー有機ELパネルを開発し、中国でレノボのS800という携帯電話で発売した。2.4インチサイズで240×320ピクセル表示に対応。40%の透過率を持つシースルータイプだが、裏側からは表示内容が見えにくい構造だった。

2011-09-28 20:35:49
kikidiary @kikidiary

双葉電子といえば蛍光表示管VFDが主力事業で車載用に数多くの納入実績がある会社だ。車載用の有機ELとしてはパイオニアが圧倒的な実績があり、TDKは方向転換するにあたり車載事業のノウハウがどうしても必要だった。双葉電子としても有機EL製造が可能になるのは業容拡大に繋がる。

2011-09-28 20:47:10
kikidiary @kikidiary

TDKは他にも曲がる有機ELパネルを開発しこれについても、拡販しようとしていたはずだが、固定客がついていたかは定かではない。ただ、携帯電話用途ではメインディスプレイもサブディスプレイも競争が激しく、方向転換すべく双葉電子との業務提携をおこなっていた。

2011-09-28 20:39:31
kikidiary @kikidiary

TDKと双葉電子の思惑が合致したことで業務提携となっていたが、車載用の有機EL事業へ舵を切るのにはかなり時間がかかっていたと思われる。そのため、利益回復は遅れ、TDKとしては事業維持が耐えられなくなったと思われる。

2011-09-28 20:49:28
kikidiary @kikidiary

TDKが有機EL事業を切り売りすることで、国内のパッシブの有機EL事業者は双葉電子とパイオニアとなる。双葉電子は携帯電話用途の営業ノウハウがあるか怪しいので、この分野では再びパイオニアがある程度は盛り返せる可能性はある。

2011-09-28 20:54:55
kikidiary @kikidiary

車載ではパイオニアに一日の長があるため、双葉電子は当分は立ち上げ及び拡販には苦労する可能性があるが、双葉電子には蛍光表示管では40年程度の販売実績があり、車載メーカーへのパイプは強いと予想されるため、必ず食い込んでいくものと思われる。

2011-09-28 20:56:49
kikidiary @kikidiary

TDKが有機EL事業をどの程度切り売りするかは不透明だが、営業などはあまり出さないのではないかと予想する。

2011-09-28 20:57:56
kikidiary @kikidiary

国内の中小型液晶メーカー、有機ELメーカーはいずれも競争が激化していく携帯電話、DSC用途からは退場を始めつつあり、次第に産業機器、車載用途への依存度を高めつつある。台数は出ないが、利益率は高く、また高信頼性保証が求められる分野であり、日本メーカーにはまだ一日の長がある。

2011-09-28 21:01:11
kikidiary @kikidiary

パッシブ有機EL事業者としての始祖、パイオニアもサブディスプレイ用途の落込みには苦慮しており、新たな用途として三菱化学との提携により、照明事業に乗り出している。ただ、照明事業も裾野は広いものの、蛍光灯や電球などの既存照明の置き換わりなので単価は安く、利益捻出には苦慮すると推測。

2011-09-28 21:05:20
kikidiary @kikidiary

次世代照明としては既にLEDが市場としてある程度立ち上がり電球市場を次々と置き換えていっているが、やはり単価下落率は相当だし、新規事業者の参入数も多い。激化している競争に有機EL事業者も身を投じる形だ。

2011-09-28 21:07:10
kikidiary @kikidiary

照明用の有機ELは比較的参入が容易であり、今後競争が激化すると思われるがLEDとはあまり競合しないものとみられている。面発光を活かしたイルミネーションや、間接照明などに活かされていくものと推測する。

2011-09-28 21:09:14
kikidiary @kikidiary

TDKとパイオニアは互いが切磋琢磨していく関係だったと思われるし、直近はTDKの方が勢いがあったはずだが、結果的には市場からの撤退となってしまった。これはひとえに地震の影響もあったのではと推測する。パイオニアは米沢、TDKは北茨城であり、3.11の影響はTDKには大きかったはず。

2011-09-28 21:17:22
kikidiary @kikidiary

TDKは被害状況の詳細は公表していないが、北茨城の周辺地域でも沿岸部では津波の被害は相当大きく、内陸でも相当ダメージが大きかったはずである。パネルの前工程は相当ダメージを受けたものと推測する。一方のパイオニアはほぼ被害はなかったものと予測する。この差は携帯電話業界では大きい。

2011-09-28 21:19:59
kikidiary @kikidiary

車載用途にしても携帯電話用途にしても、製品の供給が切れることはあり得ないことであり組立ラインを一日止めるだけで億円単位の補償を要求される世界だ。今回は車載業界はルネサス那珂の被災により全体的に動きがスローダウンしたが携帯電話業界は車載ほど影響を受けていない。

2011-09-28 21:22:18
kikidiary @kikidiary

動きが鈍らなかった携帯電話業界からの要求に応えられたのはTDKではなく、パイオニアだったのでは、とも推測されるが、ここは個人的にはあまり大きな理由ではなかった、と考えている。地震以前からTDKには危機感があったと見るのが妥当と考えている。

2011-09-28 21:24:19
kikidiary @kikidiary

TDKはそういう意味では有機EL事業を即刻売る気は無かったであろうし、なんとか黒字にもっていこうとはしていたはずである。RITやパイオニアと殴り合う覚悟はあったはずだが、世界一になるための前工程の投資については及び腰だったのは間違いない。

2011-09-28 21:42:45
kikidiary @kikidiary

そこへ来ていきなりのスマートフォン特需。特需に預かれない状況は長期化しそうだし、アクティブの有機ELも三星やジャパンディスプレイなどの投資の動きも活発化する方向とすれば、これ以上はパッシブ有機ELに活路を見出せなくなったのではないかと推測する。

2011-09-28 21:44:14
kikidiary @kikidiary

しかし、双葉電子にとっては投資もたいしてせずに40年付き合った蛍光表示管に代わる新事業を手に入れたに等しい。彼等にしてみれば携帯電話業界の競争など縁遠い話、車載の世界でじっくり腰を据えて売り込めば必ず売れる自信があるのだろう。早晩サブディスプレイ事業は切り捨てるのではないか。

2011-09-28 21:46:09
kikidiary @kikidiary

日経新聞によると、TDKの有機EL事業の11年3月期の売上高は35億9300万円。思ったより少ないな。全体の市場シェアの17~8%を占めているはずなので、パッシブ有機ELの市場は150億円くらいの市場なのかな。明日再度検証しておこう。

2011-09-28 22:37:44